カズオ・イシグロと伝えることについて

昨年、有名な文学賞受賞でカズオ・イシグロという名前が広く知られるようになりました。1954年に長崎で生まれ、幼少期を地元で過ごし、1960年、父親の仕事の関係で渡英します。作家になるまでの略歴については、ここでは割愛しますが、日系イギリス人作家として現在に至ります。

私は、ここ10年くらいかけて4冊ほど拝読しましたが、今のところどれも楽しく読ませて頂きました。中でも、『日の名残り』(1989年)や『わたしを離さないで』(2005年)は特におすすめで、映画化もされています。ただ、その魅力をどのように言い表したらいいのか、私の中でことばが見つからず、知人に紹介しようにも、「気が向いたら読んでみて」くらいにしか言えませんでした。

昨年の秋に文学賞受賞で話題になった際、ちょうど早めに帰宅していたこともあって、ニュースや記事を「はしご観」しました。その道の解説者の方は、いくつかの彼の作品を対比して説明していて、それはそれで興味深かったのですが、なにも彼のことを知らない人には、情報量が多すぎてまたは単語の専門性が高すぎて、はたして彼の作品の魅力が伝わるのだろうかしらと思ったりもしました。(熱意は十分伝わったのですが……)

翌朝のあるニュース番組。(朝ということもあり?)全体して2、3分の紹介と短いものでしたが、それが解説としては一番自分の中でしっくりきました。まだ、採用されてから日が浅いような気象予報を担当している風の女性は、「なにがいいかというと、どの作品もとにかくじわじわ系なんです。暗闇でだんだん目がなれてきて物の輪郭がはっきりするような感じです」(少し違うかもしれませんが、)と言われていて、ああそうだ、その通りだ、とひざをうつような思いでした。

日頃、多くのお客様と接する際、何かを説明することが多い毎日ですが、知識がついてきたからこそ、実際、目の前にいる方にしっかりと伝わっているのか意識していきたいなと思うような出来事でした。

寒い日が、続いています。
風邪などひかれないよう防寒対策、風邪対策を気をつけていきましょう!

Miyazaki