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IAS10号 後発事象

1.概要
IAS第10号では、後発事象に関して定めています。
期末日は、企業にとって、財政状態が決定・報告される期日となるため、その期日までに発生した出来事が企業の財務結果を形成します。しかし、期末日以降に発生した出来事が期末日以前に発生していた出来事に対する追加的な情報を提供することがあります。これが、後発事象です。

2.後発事象の定義
IAS第10号では、後発事象を以下のように定義します。

後発事象とは、期末日と財務諸表の公表の承認日との間に発生する事象で、企業にとって有利な事象と不利な事象双方をいいます。

財務諸表の公表の承認日については以下の様に解釈します。
(a)財務諸表の公表の承認日とは、財務諸表が公表された後に株主総会に承認を求めて提出しなければならない場合、財務諸表は株主総会での承認日ではなく、その前の公表された日に公表の承認を受けたことになります。
(b)企業の経営者がその財務諸表を経営非執行者からのみ構成される監督取締役会に提出して承認を受けなければならない場合、経営者が監督取締役会に提出することを承認した時に、財務諸表の公表が承認されたことになります。
(c)後発事象には、たとえ利益またはその他の抜粋された財務情報の公表後に発生したものであっても、財務諸表の公表が承認される日までのすべての事象が含まれます。

3.後発事象の分類
IAS第10号では、後発事象を以下の2つに分類しています。

(a)修正を要する後発事象
期末日に存在した状況についての証拠を提供する事象のことをいいます。

(b)修正を要しない後発事象
期末日以後に発生した状況を示す事象のことをいいます。

4.後発事象の認識、測定、開示
(a)修正を要する後発事象について、企業は修正を要する後発事象を反映させるよう、財務諸表において認識された金額を修正しなければならないとされています。

(例)期末日後における訴訟の解決により、企業が期末日時点で既に債務を有していたことが確認されたこと。
(例)期末日後に期末日時点の資産の減損が既に発生していた、あるいは以前に認識していた減損損失の金額の調整が必要となる情報を入手したこと。
(例)期末日以後に販売される棚卸資産について、期末日の正味実現可能価額についての証拠が入手されたこと。また、期末日以後の顧客の倒産は通常期末日の受取勘定に損失が存在していたこと及び企業が受取勘定の帳簿価額を修正する必要があることを示唆します。
(例)期末日以前の事象の結果、利益分配やボーナス支給を行わなければならないという法的あるいは推定的な債務を有していた場合で、かつその支払金額が期末日後に決定されたこと。
(例)財務諸表に誤りがあったことを示す不正または誤謬の発見。

(b)修正を要しない後発事象について、企業は財務諸表において認識した金額に対して、修正を要しない後発事象を反映するように修正してはならないとされています。
(例)期末日以降の主要な企業結合または子会社の処分。
(例)事業廃止計画の公表。
(例)主要な資産の購入。
(例)期末日後の災害による固定資産の損失。
(例)リストラクチャリングの発表及び着手。
(例)期末日後における資産価額または外国為替レートの通常の範囲を超えた重要な変動。
(例)期末日後に施行もしくは発表された税率または税法の変更で法人税額及び繰延税金資産・繰延税金負債に重要な影響を及ぼすもの。
(例)期末日後に発生した事象から生じた重要な訴訟の開始。

5.配当に係る後発事象
IAS第10号によると、企業が持分金融商品の所有者に対する配当を期末日後に宣言する場合には、当該配当金を期末日時点の負債として認識してはなりません。

6.継続企業に係る後発事象
期末日後において財務状態及び経営成績の悪化が生じた場合、継続企業の前提が適切か検討します。継続企業の前提が適切でない場合には、その影響が広範にわたるかを考慮し、当初の会計処理基準の枠内で認識された金額を修正するのではなく、会計処理基準そのものを根本的に変更しなければなりません。
IAS第10号では、経営者が期末日後に、企業の清算もしくは営業の停止をする方針を決定するか、またはそうする以外に代替案がないと判断した場合には、継続企業ベースで財務諸表を作成してはならないと規定しています。

なお、IAS第1号財務諸表の表示で以下の開示が要求されています。
①財務諸表が継続企業ベースで作成されていない場合。
②経営者が、当該企業の継続企業としての存続能力に対して重大な疑問を生じさせるような事象または状況に関する重要な不確定事項に気づいている場合。


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