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IAS18号 収益

1.概要
IAS第18号では、収益に関して定めています。

収益(income)には、企業が営業活動で得た経済的便益である収益(revenue)と、利得(gain)が含まれます。①物品の販売(sale of goods)②役務の提供(rendering of services)③利息、ロイヤルティ、配当(interests,royalties,and dividends)という取引及び事象から生ずる収益(revenue)についてIAS第18号で規定されています。

【除外対象】
・リース契約(IAS第17号「リース」)
・持分法により会計処理される投資から生ずる配当(IAS第28号「関連会社に対する投資」)
・金融資産及び金融負債の公正価値の変動またはそれらの処分(IAS第号39号「金融商品:認識及び測定」)
・その他の流動資産の価値の変動
・農業活動に関連する生物資産の当初認識及び公正価値の変動(IAS第41号「農業」)

2.定義
IAS第18号では、収益を以下のように定義します。

収益とは、持分参加者からの搬出に関連するもの以外で、持分の増加をもたらす一定期間中の企業の通常の活動過程で生ずる経済的便益の総流入をいいます。

3.収益の認識及び測定
・収益の認識
IAS第18号によると、将来の経済的便益が企業に流入する可能性が高く、その便益を信頼性をもって測定できる時に収益を認識するとされています。
・収益の測定
IAS第18号によると、受領したまたは、受領可能な対価の公正価値により収益は測定されなければならないとされています。

なお、収益は企業が受領する経済的便益の総流入額だけを示しますので、売上税、物品税、付加価値税といった第三者のために回収した金額は含みません。
また、代理関係にあり、代理人として経済的便益を得た場合(受託販売等)では、企業が通常の営業過程において負担するリスクを負っていないため、代理人としての手数料が企業の収益となります。

4.物品の販売
IAS第18号では、物品の販売から生ずる収益について以下の条件がすべて満たされた時に認識しなければならないと規定しています。
①物品の所有に伴う重要なリスク及び経済価値が売手から買手に移転したこと。
②販売された物品に対する所有と通常結び付けられる程度の継続的な管理上の関与も支配も売手が継続して保有していないこと。
③収益の額を信頼性をもって測定できること。
④その取引に関連する経済的便益が流入する可能性が高いこと。
⑤その取引に関連して発生した原価の額を信頼性をもって測定できること。

物品の販売には以下のような取引形態があります。
(a)請求済未出荷販売
買手の要請で引渡しは遅れていても、買手が所有権を有し請求を受け入れている販売形態です。
(b)委託販売
販売委託者が販売受託者に商品を送付して販売を委託する販売形態です。商品の法的所有権は販売委託者が有し、販売受託者が顧客に商品の引渡しを行った時点で販売委託者が収益認識を行います。
(c)本船渡しでの販売
売手と買手が物理的に離れており、運送業者を使って商品を発送した場合の販売取引です。収益の認識時点については、船積地契約と仕向地契約があります。
船積地契約とは、売手が運送業者へ商品を引渡した時点で所有権が買手に移転したと考え、売手が売上を計上し、買手が棚卸資産の仕入を認識する基準です。一方、仕向地契約とは、買手が商品を受領した時点で商品の所有権が移転したと考え、売手が売上を計上し、買手が棚卸資産の仕入を認識する基準です。
(d)据付け及び検収
通常収益は買手が商品の引渡しを受けて、据付け及び検収が完了した時に認識されます。
(e)試用販売
買手が返品する権利を有する商品について、買手が商品を正式に受け入れるか、返品を認める期間が経過した時に、返品の可能性がなくなりますので収益が認識されます。

5.役務の提供
IAS第18号では、役務の提供に関する取引の成果を信頼性をもって見積もることができる場合には、その取引に関する収益は、各会計期間末現在の取引の進捗度に応じて認識しなければならないとされており、取引の成果は以下のすべての条件が満たされる場合には、信頼性をもって見積もることができるとされています。
(a)収益の額を、信頼性をもって測定できること。
(b)その取引に関する経済的便益が企業に流入する可能性が高いこと。
(c)その取引の進捗度を、各会計期間末の報告日において信頼性をもって測定できること。
(d)その取引について発生した原価及び取引の完了に要する原価を信頼性をもって測定できること。

役務の提供には以下のような取引形態があります。
(a)製品価格に含まれる役務報酬
製品の販売価格がアフターサービスなどの販売後の役務に対する識別可能な金額を含んでいる場合には、その金額は繰り延べられて、役務が提供される期間にわたって収益として認識されます。
(b)据付料
原則として据付けの進捗度に応じて収益として認識されます。
(c)広告の制作手数料
広告の制作というプロジェクトの進捗度に応じて収益として認識されます。
(d)授業料
授業が行われる期間に渡って収益として認識されます。
(e)継続フランチャイズ料
契約により与えられた権利の継続的な利用は権利の利用に従い収益として認識されます。

6.利息、ロイヤルティ、配当
IAS第18号では、利息、ロイヤルティ及び配当を生む企業資産を第三者が利用することにより生ずる収益は、取引に関連する経済的便益が企業に流入する可能性が高く、かつ、収益の額を信頼性を持って見積もることができる時に認識しなければならないとしています。そして、
(a)利息については、IAS第号39号「金融商品:認識及び測定」に示されている実効金利法により認識します。
(b)ロイヤルティは、関連する契約の実質に従って発生主義で認識します。
(c)配当は、支払を受ける株主の権利が確定した時に認識します。


7.収益認識に関する会計方針の開示
企業は、役務の提供において取引の進捗度を決定するために採用した方法を含む収益の認識に関して採用された会計方針を開示しなければなりません。

8.日本基準との比較
日本の「企業会計原則第二 損益計算書原則」では、売上高は実現主義の原則に基づいて、商品の販売または役務の給付により実現したものに限ると規定しています。
日本における販売基準の実務では、商品の出荷をもって売上を計上する出荷基準を採用していることが多いです。一方、IFRSでは、顧客とのリスク移転に関する状況がどのようになっているのか、商品の出荷とリスクの移転が同時に行われているのか等、取引の類型ごとに売上計上基準の妥当性を検討します。そのため、IFRSでは日本より多くのケースで到着基準や検収基準を適用します。

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