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IAS21号 外国為替レート変動の影響

1.概要
IAS第21号は以下の3つの会計処理に適用されます。
①外貨建による取引および残高の会計処理
②連結、比例連結、持分法により財務諸表に組み込まれる在外営業活動の業績および財政状態の換算
③企業の業績と財政状態の表示通貨への換算

適用されないもの
①外貨建デリバティブ取引、外貨建項目のヘッジ会計→IAS第39号「金融商品:認識および測定」
②外貨建取引で発生するキャッシュフロー→IAS第7号「キャッシュフロー計算書」

2.機能通貨
(1)機能通貨とは
IAS第21号によると、機能通貨とは、企業が営業活動を行う主たる経済環境で使用される通貨と定義されます。

機能通貨の決定に際し、以下のポイントを考慮します。
①商品やサービスの販売価格に大きな影響を与える通貨
②競争力および規制が商品やサービスの販売価格を主に決定する国の通貨
③労務費、材料費およびその他の原価に主に影響する通貨

補足的要素
①財務活動による資金調達時の通貨
②営業活動からの受領金が留保される通貨

3.外貨建取引の認識および決算日における報告
(1)当初認識
外貨建取引とは、外貨での表示または外貨での決済を要する取引のことで、IAS第21号では取引の当初認識について以下のように定めています。

「外貨建取引は,機能通貨で当初認識する際、取引日における機能通貨と外貨間の直物為替レートを外貨額に適用し、機能通貨で計上しなければなりません」

※取引日=取引がIFRS基準による要件を最初に満たす日
※直物為替レートでなく、取引日の実際のレートに近似するレートが使用可能

(2)決算日における報告
IAS第21号は、決算日における報告について以下のように定めています。

「各会計期間の期末報告日において、
ⅰ)外貨建貨幣性項目は決算日レートで換算しなければなりません。
ⅱ)外貨建の取得原価で測定された非貨幣性項目は、取引日の為替レートを用いて換算しなければなりません。
ⅲ)外貨建の公正価値で測定された非貨幣性項目は、公正価値が決定した日の為替レートで換算しなければなりません。

※貨幣性項目の換算における利益または損失は発生した期間の損益として認識します。

4.外貨建財務諸表の換算
在外支店や在外子会社の機能通貨が外貨である場合、財務諸表の表示通貨へ換算をしなければなりません。

換算は下記基準に基づいて行います。
ⅰ)表示される各財政状態計算書の資産と負債(比較可能額含む)は、各期末日における決算日レートを用いる。
ⅱ)表示される包括利益計算書は個別の損益計算書の損益(比較可能額含む)は、取引日レートを用いる。
ⅲ)上記の換算の結果生じるすべての為替差は、その他包括利益として認識しなければならない。

※実務上は収益および費用項目の換算には、平均為替レートを用いることが多くあります。

また、超インフレ経済下の通貨である場合、基本的にすべての項目を、期末日の決算日レートで換算しなければなりません。

5.実務上の留意点
開示
企業は財務諸表において以下について開示しなければなりません。
(1)一般開示項目
①認識された為替差益(または差損)の額
②その他包括利益で認識され、株主資本の個別項目において累積する正味の為替差額および、期首と期末における正味為替差額の調整
③報告主体および在外活動体の機能通貨変更の場合はその旨と理由

(2)表示通貨と機能通貨が異なる場合の開示項目
表示通貨と機能通貨が異なる旨とその理由を開示しなければなりません。

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