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IAS27号 連結及び個別財務諸表

1.概要
企業はそれぞれ個別財務諸表を作成しますが、ある企業が個別の事業の支配を獲得した場合には、取得企業が親会社として連結財務諸表を作成します。
IAS第27号では、企業集団間の比較可能性を高めるため、親会社の子会社に対する投資を連結する連結財務諸表を表示することを要求しています。

2.支配の概念
親会社と子会社の関係を決定する「支配(control)」とは、企業の活動から便益を得るために、その企業の財務及び経営方針を左右する力のことをいいます。

以下の場合には、支配が存在すると推定されます。
①親会社が、企業の議決権の過半数を直接的にまたは子会社を通じて間接的に所有している。
②企業の議決権の過半数を所有していなくても
・他の投資企業との協定により、議決権の過半数を支配する力を有している。
・法令や契約により、財務及び経営方針を左右し得る力を有している。
・取締役会の構成員の過半数の選任や解任ができる力を有している。
③新株予約権の権利の行使や新株予約権付社債の転換によって潜在的な議決権の存在についても考慮する。
④ベンチャー・キャピタル、投資信託等であっても、連結除外としない。
⑤子会社の事業活動が、企業集団内の他の企業の事業活動と異なっていても、連結除外としない。

特別目的事業会社(SPE)についても、実質的にSPEが企業に支配されている場合には連結対象とされる必要があります。

3.連結手続に関する会計処理
親子会社間の個別財務諸表を合算して、親会社の子会社に対する投資と子会社の株主持分のうち親会社の持分割合部分を相殺消去します。そのうち、子会社の純資産は支配獲得時の公正価値で結合します。親会社の子会社に対する投資が、子会社の株主資本のうち親会社の持分割合部分を超える場合には、のれんが計上されます。
100%の取得でなければ非支配持分が存在するので、その場合には、株主持分において親会社持分と区別して非支配持分を計上します。非支配持分の測定方法には、非支配持分の公正価値で測定する方法(全部のれん方式)と子会社の識別可能純資産を非支配持分割合で按分した金額で測定する方法(購入のれん方式)があり、それぞれの方法でのれんの計上金額が異なります。

親子会社間の取引に係る損益や債権及び債務は、企業集団内の内部取引となるため、相殺消去します。
ダウン・ストリームと呼ばれる親会社から子会社への売却取引においては、損益の消去による利益剰余金の増減は、全て親会社が負担します。一方、アップ・ストリームと呼ばれる子会社から親会社への売却取引においては、損益の消去による利益剰余金の増減は、親会社と子会社の非支配持分がそれぞれの子会社に対する持分割合に応じて負担します。

連結対象となる親子会社間で、個別財務諸表の期末日は原則同一の日付でなければなりません。親子会社間の期末日は3ヶ月以上異なってはなりません。もし、親子会社間の期末日が異なる場合には、異なる期末日の間に生じた取引の影響を反映させます。
連結財務諸表を作成する場合には、親子会社間で会計方針を統一しなくてはなりません。

4.子会社の支配喪失時の会計処理
親会社が子会社株式を売却することにより、子会社の支配を失ったり、支配を有していても親会社の持分割合が減少します。

IAS第27号では、親会社が子会社に対する支配を失った場合に以下の会計処理を行うよう規定しています。
①子会社ののれんを含む資産、負債、非支配持分を支配喪失日の帳簿価額で認識を中止する。
②支配を失った取引により受け取った対価の公正価値を認識する。
③子会社に留保された投資の全てを支配喪失日の公正価値で認識する。
④その他の包括利益で認識した金額を当期損益または利益剰余金に修正する。
⑤残りの差額を親会社に帰属する当期損益として認識する。

子会社株式の売却により、親会社の持分割合が減少した場合には、非支配持分の帳簿価額を変動する持分割合の金額に修正します。この非支配持分の増加額と受け取った対価の公正価値の差額は、資本取引として親会社持分に帰属するため株主資本で認識されます。

5.開示
以下の注記が連結財務諸表では求められます。
・親会社が直接的にまたは子会社を通じて間接的に議決権を所有していない場合における親会社と子会社の関係
・親会社が直接的にまたは子会社を通じて間接的に被投資会社の議決権の過半数を所有していても、支配を構成していない場合、その理由

6.重要な用語
連結財務諸表(Consolidated financial statement)
単一企業体のものとして表示される企業集団の財務諸表

企業集団(Group)
親会社とその全ての子会社

非支配持分(Non-controling interest)
子会社の資本部分のうち直接的または間接的に親会社に帰属しない部分


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