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IAS41号 農業

1.概要
IAS第41号では、農業活動に関連する会計処理および開示について定めています。

(適用項目)
・生物資源
・収穫時点における農産物(収穫後はIAS第2号「棚卸資産」またはその他基準を適用)
・政府補助金

(非適用項目)
・農業活動のための土地
・農業活動のための無形資産

2.農業活動の定義
IAS第41号によると、農業活動とは、企業が販売または農産物や生物資源への転換のため、生物学的変化と収穫を管理することをいいます。

生物資源=生きている動植物(例)鶏、リンゴの木
農産物=生産資源の収穫物(例)鶏卵、リンゴ

3.生物資産および農産物の認識条件
IAS第41号によると、以下の3つの条件を満たす場合に、生物資源や農産物を認識します。
①過去の事象の結果、企業が資産を支配する
②資産に関連する将来の経済的便益が企業に流入する可能性が高い
かつ
③資産の公正価値または原価が信頼しうる方法で測定できる

4.生産資源および農産物の測定
IAS第41号では、生物資産および農産物の測定について以下のように定めています。

(1)生物資源の測定
生物資源は、当初の認識時点および各期末の報告日において、公正価値から売却費用を差し引いた額で測定しなければなりません。
(2)農産物の測定
生物資産から収穫できる農産物は、収穫時点において、公正価値から売却費用を差し引いた額で測定しなければなりません。その測定値はIAS第2号「棚卸資産」あるいはその他基準を適用する際に取得原価として扱われます。

※売却費用の例
・ブローカーやディーラーへの手数料
・規制当局や取引所に支払う課徴金 
・譲渡税や関税

5.公正価値の決定
IAS第41号によると、公正価値の決定方法は、活発な市場が存在する場合と、そうでない場合で異なります。

(1)生産資源および農産物に関する活発な市場が存在する場合
当該市場における相場価値を公正価値を決定する上での基準とします

(2)生物資源および農産物に関する活発な市場が存在しない場合
①取引日と各期末の報告日時点の間に経済的状況の重要な変化がない場合の直近の市場取引価格
②類似資産の市場価値に、差異反映の修正を加えたもの
③輸出用トレイ、ブッシェル、またはヘクタール当たりの果実の価値や、キログラム当たりの牛の価値等の基準値

(3)市場によって決定された価格および価値が、利用できない場合
資産から生み出されると予想される正味キャッシュ・フローを現在の市場利子率を用いて現在価値に割引きます。

6.利得および損失
IAS第41号では、生物資源および農産物の利得および損失について以下のように定めています。

(1)生産資源
売却費用控除後の公正価値による当初認識、および変動によって発生する利得または損失は、発生した会計期間の損益に含めなれけばなりません。
(2)農産物
売却費用控除後の公正価値による当初認識によって発生する利得または損失は、発生した会計期間の損益に含めなければなりません。

7.生物資産に関連する政府補助金
IAS第41号では、無条件および条件付き政府補助金について以下のように定めています。

(1)無条件の政府補助金
政治補助金を受領した時にのみ当期の損益として認識しなければなりません。

(2)条件付き補助金
条件が満たされた時にのみ当期の損益として認識しなければなりません。

8.実務上の留意点
(1)全般的開示
企業は財務諸表において以下の金額について開示しなければなりません。
①当期における生物資産および農産物の当初認識時発生の利得または損失の合計額
②生物資源の売却費用控除後の公正価値の変動により発生した利得または損失の合計額

また、企業は以下についても開示しなければなりません。
①農産物および生物資源の公正価値の決定で用いた方法と重要な仮定
②収穫時点で決定された農産物の売却費用控除後の公正価値
③所有権が制限されている生物資源の存在と帳簿価格、および負債に対して差し入れた生物資源の帳簿価格
④生物資源の開発または購入に関する誓約
⑤農業活動に関する財務リスク管理方針
⑥期首から期末にかけての生物資源帳簿価格の変動調整

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