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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

一般社団法人における社員総会の決議省略(みなし決議・書面決議)

一般社団法人と社員総会

一般社団法人の機関として、必ず社員総会があります。

社員総会には定時社員総会と臨時社員総会の2つがあり、定時社員総会は年に1回、毎年の事業年度終了後一定の時期に招集しなければならないとされており(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下、法人法といいます)第36条1項)、臨時社員総会は必要に応じて開催することができます(法人法第36条2項)。

社員総会では法人法に規定されている事項と一般社団法人の組織、運営、管理その他一般社団法人に関する一切の事項について決議をすることができます。

一方で、理事会設置法人においては法人法に定められている事項及び定款に定められた事項についてのみ決議をすることができます。

社員総会の決議

社員総会は社員全員へ招集通知を発送して、(理事によって)決められた日時に決められた場所に社員が集まり、議案について決議をする方法によります。

社員総会の開催・決議については、次の記事をご参照ください。

≫一般社団法人における社員総会の開催とその決議要件

社員総会の決議省略・みなし社員総会決議

理事または社員が提案した社員総会の目的である事項に社員全員が同意をしたときは、その提案を可決する旨の社員総会があったものとみなすことができます(法人法第58条1項)。

(社員総会の決議の省略)
法人法第58条1項

理事又は社員が社員総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす。

社員総会の決議の省略といっても、社員の意向を無視して理事だけで社員総会の決議事項を勝手に決議していいわけではありません。

この同意は、書面または電磁的記録による意思表示が必要ですので、口頭での同意はNG、電子メールでの同意はOKということになります。

社員総会の決議省略・社員総会のみなし決議の方法であれば招集通知を社員へ送ったり、一堂に会して社員総会を実際に開催する必要がないため、社員数が少ない等により社員全員の同意を容易に得られる一般社団法人では利用されることが少なくありません。

定款に特別な定めは必要か

社員総会の決議省略・社員総会のみなし決議をするときは、当該一般社団法人の定款に特段の定めは不要です。

もちろん、任意的にその旨を定款に定めることも可能です。

決議を省略できる社員総会の種類

決議を省略できる社員総会の種類は臨時社員総会だけではありません。

定時社員総会の決議も、その決議を省略することができます(法人法第58条1項、4項)。

報告事項も省略できる

一般社団法人は事業報告等を定時社員総会にて報告しますが、これらの報告事項も省略することができます(法人法第59条)。

報告事項の報告を省略するには、理事が社員総会における報告事項を社員全員に通知して、当該報告事項を社員総会にて報告しないことにつき社員全員が同意する必要があります。

(社員総会への報告の省略)
法人法第59条

理事が社員の全員に対して社員総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を社員総会に報告することを要しないことにつき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の社員総会への報告があったものとみなす。

社員総会の決議省略と社員総会議事録

社員総会の決議を省略したときも、その社員総会議事録を作成しなければならないとされています。

当該社員総会議事録には次の事項を記載します。

  1. 社員総会の決議があったものとみなされた事項の内容
  2. 上記事項の提案をした者の氏名・名称
  3. 社員総会の決議があったものとみなされた日
  4. 議事録作成者の氏名
報告事項の省略と社員総会議事録

社員総会への報告を省略したときも、決議を省略したとき同様にその社員総会議事録を作成します。

当該社員総会議事録には次の事項を記載します。

  1. 社員総会への報告があったものとみなされた事項の内容
  2. 社員総会への報告があったものとみなされた日
  3. 議事録作成者の氏名

この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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