司法書士 石川宗徳の相続コラム

リバースモーゲージという選択を知っておいても損はありません。

「リバースモーゲージ」という言葉をご存知ですか?

「リバース」も「モーゲージ」も英語であるため、一見すると何のことか分かりづらいかもしれません。

このコラムでは、リバースモーゲージについて紹介しています。

リバースモーゲージとは

リバース」とは「逆」「反対」のことをいい、「モーゲージ」とは「担保」「抵当」「ローン」のことをいいます。

リバースではないモーゲージについては、住宅ローンをイメージすると分かりやすいかもしれません。

住宅ローンでは、住宅の購入資金を金融機関から一括で借り、毎月その一部を返済していくことになります。毎月返済することにより、借入残高は少なくなっていきます。

リバースモーゲージはその逆で、毎月一定の金額を金融機関から借りていくことにより、借入残高は多くなっていきます。

その借入の返済方法については、住宅所有者が亡くなったときに金融機関が住宅を売却して、その売却代金を返済に充てることになります。

どちらも住宅を担保に入れることが条件であることがほとんどです。

リバースモーゲージの利用例

Aさんは一人暮らしの70歳ですが、子どもは全員離れて暮らしておりそれぞれが自宅を所有しています。

収入は年金のみであり、財産としては預貯金と自宅がありますが年金だけでは生活費が足りず、預貯金を切り崩しながら生活しているとします。

そのような状況においてAさんが自宅を担保にリバースモーゲージを利用すると、金融機関から毎月10万円を借りることができたとしたらAさんの生活に余裕がでてくるかもしれませんね。

金融機関からの借入も、Aさんが亡くなった時に自宅の売却資金により返済されるため、借金を子どもにのこすこともありません。

もちろんその代わりに、自宅という資産も子どもにのこすことはできませんが、子どもがそれぞれ自宅を所有して生活をしているのであれば子どもに迷惑をかけるということはなさそうです。

リバースモーゲージのメリット

リバースモーゲージを利用するメリットとして、次のことが考えられます。

 

自宅に住み続けられる

リバースモーゲージの特徴として、返済は亡くなった後に、自宅を売却する等により行います。

そのため、自宅の所有者が亡くなられるまでは、自宅に住み続けることができることが一般的です。

 

高齢者でも借りられるローン

一般的に、収入条件や年齢等が条件となってお金を借りられるかどうかは決まります。

リバースモーゲージでは、他の金融商品では借入をしにくい65歳以上の人でも借入をすることができます(むしろ65歳以上でないとローンを組めないケースがあります)。

 

使途が限られていない商品がある

リバースモーゲージの商品によっては、借入をしたお金の使途が限定されていないものもあります。

生活費が苦しいため、生活費を補てんするため以外にも、高齢者の方が理想とする生活を送るために利用することもできるものがあります。

リバースモーゲージのデメリット

リバースモーゲージを利用するデメリットとして、次のことが考えられます。

 

利用できる住宅に制限がある

金融機関の審査によって異なりますが、どこの住宅でも良いわけではなく、住宅のある場所によってはローンが組めないことがあります。

また、マンションも対象として不可のケースが少なくありません。

 

リバースモーゲージに潜む各種リスク

リバースモーゲージにはリスクが潜んでいます。

主に、「不動産価格」「金利」「寿命」が挙げられます。

不動産価格の何割かが融資額として決まっているケースが多く、不動産価格が下がれば借りられる金額も少なくなります。

変動金利の場合、金利が上がれば借りられる金額も少なくなる(返済金額が多くなる)かもしれません。

そして長生きをすると、融資枠を使い切ってしまう可能性もあります。

 

推定相続人の反対

リバースモーゲージを利用するときは、推定相続人全員の同意が必要となることがほとんどです。

反対する推定相続人が1人でもいると、利用できない可能性があります。

リバースモーゲージの利用を検討される人

リバースモーゲージはどのような人が利用を検討されるのでしょうか。

一例としては次のとおりです。

 

生活資金が不足している人

現状のキャッシュフローでは生活が破綻をしてしまうのであれば何か手を打つ必要があります。

シンプルに自宅を売却して賃貸住宅を借りるのも一つの選択ではありますが、住み慣れた自宅に住みながら資金を確保できるのがリバースモーゲージの利点です。

生活資金はあるけれども、プラスアルファの生活を送りたい人が利用するケースもあるでしょう。

 

相続人がいない人

相続人がいない場合は、何もしなければ相続財産は国庫に帰属します。

国庫に帰属するとは、国のものになるということです。

自分の死後、自分の財産が国のものになるのであれば生前に使ってしまうという選択も考えられます。

 

手元にキャッシュを置いておきたい人

個人資産としてキャッシュはある程度あるけれども、何かあったときのためにそれ以上のキャッシュを確保しておきたいというニーズがあります。

リバースモーゲージにより借りた分の相当額を、当該金融機関の口座に入れておけば利息がかからないという商品もあります。

そのような商品であれば、(借りたお金ではありますが)利息がかからず単にキャッシュ残高(借入金含む)が増えたことになります。

 

生活資金の計画は、短期的な計画ではなく、将来的な生活設計が必要だと考えられます。

そのため、ファイナンシャルプランナー等のお金の専門家に相談をしてみるという方法もあります。

リバースモーゲージを利用する条件

リバースモーゲージは金融機関の商品の一つであり、金融機関によって条件が異なります。

ここでは一般的によくある条件を記載していますが、詳細は各金融機関にお問い合わせください。

  • 利用できる人の年齢が55歳~60歳以上であるケースが多い
  • 利用できる人の年齢の上限があるケースもある(80歳以下等)
  • 推定相続人全員の同意が必要なケースが多い
  • 先順位の担保権が設定されていると不可であるケースがある
  • 年収制限があるケースがある
  • 不動産の対象エリアが定められているケースがある(東京、神奈川、千葉、埼玉等)
  • 不動産の価格の下限が定められているケースがある(評価額2000万円以上等)
  • マンションは担保として不可なケースがある

 

※なお、当センター及びこのコラムでは、リバースモーゲージの利用を勧めているわけではありません。

この記事の著者

司法書士/相続診断士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士・相続診断士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

東京汐留相続サポートセンターでは
相続手続き遺言成年後見など、
相続に関する様々なサポートを行っております。


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