AIの時代

こんにちは、山本です。

 

最近、加藤一二三さんが「ひふみん」として人気になったり、藤井聡太さんが連勝記録を打ち立てたり、羽生善治さんが国民栄誉賞を受賞したりと、将棋界が賑やかで注目を集める機会が増えていますね。

将棋界としても、対局の様子をAbemaTVやニコニコ動画から積極的に放送するなど裾野を広げようと様々な努力がされています。

特に、放送時には対局時の戦況をAIでリアルタイムに数値化して視聴者に見せることで、どちらが有利か誰にでもわかるようになったのは画期的な取り組みだと思います。

これによって、例えば将棋のルールを分からなかったり、あまり詳しくない人でも

「藤井さんが羽生さんに2,500点リード」と数字で表示されているので、どちらが勝っているか分かり易く、対局を楽しみやすくなりました。

 

当たり前のことですが、これはAIが戦況を正しく評価できるほどに将棋が強くなったためにできていることです。

 

2000年くらいまではプロの将棋棋士は、「AIがいくら強くなっても、プロには勝てないだろう」と言っていた人も決して少なくなかったようです。しかし、近年「電脳戦」と銘打ったプロ vs AIの将棋5番勝負でほとんどAI側が勝利するなど、もはや「AIはプロの将棋棋士より将棋が強い」といっても過言ではない状況になっています。だからこそ、プロの将棋棋士よりも将棋の強いAIの戦況評価は信頼性が高く、視聴者に「藤井さんが羽生さんに2,500点リード」という状況を伝えられるようになりました。

 

私は、このAIが正しい戦況評価をできる(=AIがプロよりも将棋の強い)状況を、将棋界がどう思っているかにとても興味があります。

 

税理士業界に身を置くようになってから、「士業は(近い将来AIなどに代替されて)消えそうな職業」というようなワードをよく聞くように、また意識するようになりました。そして、こういった言葉を聞くとといつもなんとなく悲しい気持ちになっていました。

しかし、すぐ近くの世界に目を移してみると将棋の世界では、将棋の強さがアイデンティティであるはずのプロの将棋棋士よりも、AIの方が将棋が強くなっています。強さの面ではプロの将棋棋士はAIに代替されているといってもので、ハイレベルの将棋対決が見たいのなら、AI同士の将棋を見た方がいいはずです。でも今、確実といっていいほどに将棋界は近年で一番の賑わいをみせていて、未だに人間同士で将棋を指しています。

チェスに至ってはもう20数年ほど前から人間がAIに勝てなくなっています。それでも未だにチェスの世界大会の優勝者には多額の賞金が支払われているようなので、人間同士のチェスの魅力も損なわれてはいないようです。

 

税理士業務というものは、将棋やチェスと違って、観客に魅せて楽しませるようなものではないので、同列に語るべきではないかもしれません。それでも、AIに代替されながらなお輝きをみせる世界から学べるものはたくさんあると思います。税理士業界のみならず、他の業界がAIとどのような付き合い方をしていくか注意深くみていきたいと思います。

 

山本