IPO準備会社で株式譲渡をなるべく低い株価で行いたいケース

ビジネスの話

スタートアップ等、IPO準備会社において、「退職したメンバーから株式譲渡を行いたい(株式を買い取りたい)のですが、税法や会社法等に従って、なるべく低い株価て買い取る方法はありませんか?」というご質問を頂くことがよくあります。

理由は様々です。創業者間でトラブルになっているケースもあれば、最初の割合が合理的ではなかったというケースもあります。

すでにエンジェルラウンドやシリーズA・B等の資金調達を実行している場合、株式のバリューエーションはかなり高くなっております。株価算定方法としては、DCFやマルチプル法で計算をしているケースが多いと思われます。

さて、IPO準備会社の株価算定には複数の方法があります。

【インカム・アプローチ】
ディスカウンティド・キャッシュフロー法(DCF法) ⇒ファイナンス時によく使われる
・配当還元方式

【マーケット・アプローチ】
マルチプル法(PERやEBITDAなど) ⇒ファイナンス時にしばしば使われる
・配当還元方式
・類似業種比準方式

【コスト・アプローチ】
・簿価純資産法
時価純資産法 ⇒SOや株式譲渡時にしばしば使われる

細かく分けると色々な方法があります。

これらの中から、資金調達、資本政策、過去の株価の推移等に応じて最良の方法を選定して株価算定を行うこととなります。

資金調達において残余財産分配請求権付の優先株式を発行するケースは一般的です。この場合種類株式と普通株式が混在します。最近はほぼVC等は優先株式による第三者割当増資を引き受けます。

さて、一般的に考えて、普通株式の株価は種類株式のより株価よりも相対に低くなると考えられます。このポイントに着目して株価算定を行うことがあります。

ただし、税務上は普通株式と種類株式について明確に評価方法は規定されていません。なお以下の種類株式についてだけ、国税庁が「種類株式の評価について(情報)」により評価方法を示しています。

・配当優先無議決権株式
 ⇒普通株式の評価額から5%評価減
・社債類似株式
 ⇒社債に準じて評価(既経過利息の額に相当する配当金の加算しない)
・拒否権付株式
 ⇒普通株式と同じで拒否権を考慮せずに評価

実態に即して考えますと、普通株式と優先株式は残余財産分配請求権をはじめとした各種の優先条項により、優先株式の評価額が相対的に高く、普通株式の評価額が相対的に低くなることには一定の合理性があります。

追記:なお、「IPO準備会社の創業者株式を資産管理会社へ譲渡する場合の株価」についての記事も書いています。合わせてお読みいただければ幸いです。

汐留パートナーズグループの株価算定&IPO支援に興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。

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