経営者のための生命保険コラム

生命保険と税務調査

 せっかく法人で生命保険に加入して節税を図った場合でも税務調査で否認された!?というケースも中にはあります。法人で損金性のある保険に加入し、損金として処理するためには、契約形態や被保険者の設定、各種要件には十分注意する必要があります。
税務調査時のよくある否認例をご紹介させていただきたいと思います。

被保険者が法人の構成員以外だった場合

 被保険者が法人の構成員(役員・従業員)ではなく、代表者の親族などが設定されている場合、法人としてはその被保険者に保険をかける合理的な理由がないため、その保険の保険料の損金性は否認されることになります。保険料として損金として処理するためには、あくまで事業に関連しているものに限られます。否認された場合の処理としては、いくつか考えられますが、保険料相当部分が寄付金の扱いになるか、もしくは代表者の方への給与の扱いかになるかと思われます。どちらにしても法人税もしくは所得税の追徴となります。
 保険加入当時は、法人の構成員だった場合であっても、その後辞任や退職により、構成員ではなくなった方も、構成員から外れて以降の保険料の損金性は否認されることになります。構成員か否かの判定としては、役員登記状況、給与支給状況、勤務実態など踏まえての判断になります。そのため、保険に加入した役員・従業員の方が辞任や退職した場合は、その保険は解約しておく必要があります。

保険金受取人が法人ではなく、個人が指定されてた場合

 生命保険契約は、契約者・被保険者・保険金受取人を設定する必要があります。定期保険の場合、支払保険料として損金とするための契約形態として、契約者および保険金受取人が法人であることが求められます(法人税基本通達9-3-5)。保険金受取人を個人指定した場合は、その個人に対して給与の扱いとなり、所得税の対象になります。
 現在、多種多様な保険商品が登場しており、死亡保障・介護保障・重大疾病保障など様々な保障がありますが、いずれの保険金受取人も法人と指定する必要があります。保険金受取人が個人指定されている保険契約の大半が販売員の税務知識不足から生じているものだと思います。保険加入の際には、保険金受取人設定には十分注意する必要があります。

無償で契約者変更を行った場合

 保険契約は、契約者を変更することができます。契約者が有する権利として、解約時の解約返戻金の受取りの権利や、契約者貸付を受ける権利、契約内容を変更する権利などがあります。契約者変更によりこれらの権利を新契約者に移転することができます。税務上、契約者の有する権利は、契約者変更時点の解約返戻金の金額により評価することになります。(所得税基本通達36-37)新契約者は旧契約者に解約返戻金の金額を支払って、その保険契約を買取るという取引になります。
 この取引を無償で行ってしまうと解約返戻金の相当額が旧契約者から新契約者に移転されたことになり、旧契約者側では給与課税もしくは寄付金課税となり、新契約者側でも給与課税、もしくは受贈益の対象になります。これは、法人から個人への契約者変更、法人から法人への契約者変更ともに対象になってきますので十分注意が必要です。

養老保険ハーフタックスの福利厚生要件を満たしていなかった場合

 養老保険ハーフタックスプランを活用して従業員の退職金制度を構築されている法人も多いかと思いますが、保険料の半分を福利厚生費として損金とするためには、一定要件を満たす必要があります。重要な点としては、普遍的加入の要件です。福利厚生が前提になるため、加入にあたり公平性が求められます。そのため、例えば幹部のみ加入させる、男性従業員のみ加入させるなど特定の従業員等のみとすることはできません。(ただし病気で加入することができないなど諸事情があれば別です。)
 また、基本的は退職金規定に即して保険設計を行うべきものになりますので、保険期間が極端に短い(例えば5年間)などであれば、否認要素になってきます。役員が加入する養老保険の保険料も損金になりますが、役員が加入する保険金額が他従業員と比較して著しく過大である場合は、その役員の保険料部分に関しては、否認されるケースもあります。
 養老保険のハーフタックスプランは、加入時だけではなく、その後の従業員の入退社の際の追加加入・解約などメンテナンスをしっかり行わなければならないものになりますので注意が必要です。

まとめ

 このように法人で生命保険を活用して節税を行うためには、注意すべき点が多々あります。そのため、保険税務知識のない販売員から加入するとリスクが大きいです。せっかく大事な経営資源を投下して、節税を図ったとしてもそれが否認されてしまっては、意味がありません。当社では、
法人保険の販売はもちろんのこと、保険税務に精通したグループ法人である汐留パートナーズ税理士法人で税務対応が可能です。保険関係の税務調査も多数実績がありますので、お困りのことがございましたら、お気軽にご連絡いただければと思います。

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