制度融資とは

1.制度融資とは

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 制度融資とは日本政策金融公庫と並ぶ創業融資の二本柱のひとつであり、自治体・金融機関・信用保証協会の三者が一体となって融資を行う制度です。対象は下記の条件を満たす中小企業者であり自治体が支援していることから、より地域性の高い事業の場合に融資を受けやすいという傾向があります。

・中小企業者の条件

①資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人

 ただし、同一の大規模法人に発行済株式または出資の総数または総額の2分の1以上を所有されている法人および2以上の大規模法人に発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を所有されている法人を除く。

②資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人

 創業融資を検討している規模の会社であれば、ほぼ中小企業者に該当することになると思われます。

2.制度融資の仕組み

① 自治体

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 起業する事業の本拠地がある地方自治体が、制度融資の窓口となります。各自治体は地域の開業率を向上させるため、制度融資に必要な資金の一部を取扱い金融機関に預託し、制度融資の条件を指定します。更に制度融資を希望する中小企業者を最低限のふるいにかける第一の機関として審査を行います。この審査を通ると、自治体によっては第二の機関となる金融機関に提出する創業計画書の指導を、中小企業診断士に依頼して受けさせてくれたり、信用保証協会への保証料を一部負担してくれたりします。
注意すべき点は、事業の本拠地がある自治体でしか制度融資を受けられないということです。

② 金融機関

 地方自治体での審査が通るとあっせん状が発行され、それを持って指定金融機関に制度融資を申し込みます。金融機関は自治体から預託された資金に自己資金を足して融資を行います。後述しますが金融機関は貸し倒れのリスクを回避するため、事業の確実性や妥当性を創業計画書によって判断しますので、ここでの審査が要と言えます。創業計画書以外に書類の提出を求められることもあり、金融機関の担当者と面談することになります。

③ 信用保証協会

 指定金融機関での審査が通ると、融資を受ける際の公的な保証人となってもらうため各地の信用保証協会に保証申し込みを行いますが、制度融資を受ける際の基本といえるのがこの信用保証協会の存在です。創業融資に限らず、債務者の信用のみで金融機関から直接融資を受けるプロパー融資の場合、信用力の低い中小企業が審査を突破するのはほぼ不可能です。そこで中小企業の金融円滑化のために設立されたのが、信用保証協会なのです。信用保証協会は債務者である中小企業者が融資を返済できなくなった場合、代わりに金融機関に弁済する代位弁済、更に債権回収までをも担います。創業融資に限って言えば、融資額の100%を信用保証協会が保証するため、金融機関は一切のリスクを負うことなく融資ができるのです。とはいえ近年の景気低迷を背景に金融機関にも融資実行の責任を負ってもらうため、責任共有制度というものが誕生しました。

3. 責任共有制度

 そもそも制度融資は信用力の乏しい中小企業者のための融資であるとご説明してきました。その信用力をカバーする信用保証協会による100%保証が制度融資の大きな特徴でしたが、この100%保証により代位弁済が増加し保証業務の資金調達が困難になってきています。金融円滑化を目的として保証審査の基準を低く設定したこと、原則融資額の全額保証であったため金融機関が信用保証協会任せの審査を行ったことなどが原因だと言われています。このため、100%保証だったものが一部を除いて80%保証に見直され、平成19年以降の借入について責任共有制度が導入されました。
責任共有制度には部分保証方式と負担金方式の二つがあります。

① 部分保証方式

 融資金額の80%を信用保証協会が、20%を金融機関が保証する。

② 負担金方式

 信用保証協会が融資額の100%を保証するが、金融機関が保証利用実績(代位弁済等実績率)による一定の負担金を納めることで、部分保証と同等の負担が生じる。

 部分保証方式の20%負担も負担金方式の負担金も、金額にした場合は同程度であり、両者の大きな違いとしては金融機関が損失を負担するタイミングのみと言えそうです。また、二つの方式のうちどちらを選ぶかは金融機関に委ねられており、どちらになっても債務者にとって利用する上での差はありません。さらに保証額が融資額の80%になったことを受け、債務者が支払う保証料も80%相当に引き下げられました。

 余談ですが、負担金方式の負担金の一部は信用保証協会から日本政策金融公庫へ支払われてます。というのも国民生活金融公庫・農林漁業金融公庫・中小企業金融公庫が統合されて日本政策金融公庫となる際に、信用保証協会の一部も取り込まれたという経緯があり、その一部が現在は保険機関として機能しているのです。そして信用保証協会が万が一、代位弁済を行った際には日本政策金融公庫がその回収不能分を一部負担することになっています。そのため日本政策金融公庫への保険料として金融機関からの負担金の一部を支払っている、というわけですね。創業融資を検討する際に必ず比べられる日本政策金融公庫と信用保証協会がこんなところでつながっていたとは驚きです。とはいえ両者が扱う融資にはもちろん違いがありますので、ご利用の際には比較検討されると良いでしょう。

4. おわりに

 今回は創業融資についてご説明させて頂きました。自治体が後押ししていることから分かるように地域性が高いのが特徴ですが、そのため信用金庫など都市銀に比べ融通がききやすいと言われる金融機関との連携も望めます。融資は長い付き合いになりますので、慎重に選択することをお薦めします。制度融資の中でもどの融資が適当か、どこの金融機関に相談すべきかなど、ご不明な点があればぜひ弊社にお問合せください。

 

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