バックオフィスソフトは「ソフト」という名称もあって、インストール型の印象が強く、シェアもインストール型がまだまだ高い状況ですが、クラウド型バックオフィスソフトのシェアの拡大も著しいものがあります。昨今シェアを拡大しているクラウド型バックオフィスソフトにスポットを当てたいと思います。
1.クラウド型バックオフィスソフトのメリット
クラウド型ソフトのメリットは場所・端末に縛られない柔軟性、軽快性にあると言えます。
①場所・端末を問わない
PCなどの端末にインストールせず、ブラウザを通して利用する為、ネット環境があれば端末を問わずアクセスすることができる為、どこにいても業務を行うことができます。また、複数拠点で同一のアカウントを利用することでデータをcsv等で吐き出して送受信する、といった手間も削減できます。
②常に最新のソフトを利用できる
法改正等の制度変更に対してはベンダーが即座にソフトのアップデートを行う為、利用者は常に最新の制度に則ったシステムを利用することができます。インストール型でない為、利用している端末で更新が必要になり、作業が止まる、といったこともありません。
2.クラウド型バックオフィスソフトのデメリット
①ソフト毎に連携方法・連携可否に差が出る
ソフトのベンダーが違う為、AソフトとBソフトではシステム同士でAPIによる直接連携が可能でも、AソフトとCソフトでは一度csvとしてエクスポートし、受け取る側でインポートが必要、など連携方法に差異が生じることがあります。また、データの加工が必要な例もあります。一方でこの点は、インストール型のソフトであっても同様に発生しうるため、ソフトの選定時に注意すれば大きな問題にはなりにくいデメリットと言えます。
②処理速度が通信速度に比例する
一つ一つの処理において、都度ベンダーのサーバーと通信が必要になる為、通信速度が著しく低いネット環境や圏外の状況では、ソフトの利用に支障が出る、或いは利用不能になります。また、これはインストール型のソフトにも共通しますが、負荷のかかる作業を開始すると処理完了までに要する時間は長くなります。但し、使用する端末で支障なくWebサイトの閲覧ができる程度のネット環境があれば十分利用可能です。
3.リスクについて
クラウドソフトの導入検討に伴う懸念事項の一つに情報流出・情報逸失という点があります。自社で管理できないところにデータ保管がなされるため、そういった懸念は至極当然と言えます。しかし情報流出については、情報セキュリティマネジメントに関する国際標準規格「ISO 27001」や国際認証機関「TRUSTe」による認証を取得しているベンダーが多く、そういったベンダーのソフトを利用することで解決が望めます。また、災害等による情報の逸失リスクについても、日本のサーバーとAWS(Amazon Web Service)サーバー等のように、複数の拠点にデータを保有するベンダーもあり、逸失リスクへの対応も行われています。
4.クラウドソフトの一例
クラウド型バックオフィスソフトの導入にあたって名前の挙がるソフトをいくつかご紹介致します。
会計:マネーフォワードクラウド会計、会計freee
経費:マネーフォワードクラウド経費、ジョブカン経費精算、楽楽精算、jinjer経費管理
労務:Smart HR、ジョブカン労務管理、jinjer労務管理
給与:マネーフォワードクラウド給与、人事労務freee、ジョブカン給与計算
勤怠:King of Time、ジョブカン勤怠管理、jinjer勤怠管理
契約:クラウドサイン、GMO Agree、Holmes
ここで挙げたソフトはあくまでも一例であり、この他にも数多くの分野で数多くのソフトがリリースされています。昨今は、人事評価、採用管理、コンディション管理など「ヒト」にフォーカスしたソフトが多くリリースされているように思われます。
クラウド型バックオフィスソフトはターゲット業務・ソフト数ともに増加しており、正しい選定がこれまで以上に重要になってきています。導入検討に伴う懸念点などがございましたら、弊社グループにご相談下さい。