企業の成長フェーズと資金調達

1.概要

 

資金は企業経営と切り離すことができない重要課題です。企業のフェーズによって、さまざまな資金需要があり、状況に応じて資金調達を考える企業も多いでしょう。

一方で、企業側と資金提供者側の意図がすれ違い、思うように資金調達ができないということも生じます。

今回は、資金調達先と、シード、アーリー、ミドル、レイターという企業のステージという2つの軸から資金調達について考えていきたいと思います。

▼目次

 

2.資金調達方法

資金調達先を、日本政策金融公庫、民間銀行、VC、エンジェル投資家に絞り、それぞれのメリット、デメリット、調達可能額を確認していきます。

調達先 詳細
日本政策金融公庫 メリット :低金利、社歴の浅い企業も借入が可能
デメリット:審査期間が長くなる場合がある
調達可能額:数百万円~数千万円政府全額出資の金融機関であり、創業融資、零細・中小企業支援を行っており、一般の銀行が貸し出さないような企業への貸し出し、いわゆるリスクファイナンスも積極的に行っています。
民間銀行 メリット :日本政策金融公庫より貸出額が大きい
デメリット:審査が厳しい、一般的な金利
調達可能額:数千万円~1億円前後メガバンクや地方銀行からの借入です。その貸出金額からフェーズが進んだ企業の資金需要にも対応可能と言えます。
あくまで民間であるためリスクファイナンスは好まず、借入のハードルは日本政策金融公庫よりは高いと言えます。
審査にあたっては、信用保証協会の保証制度を利用することが可能です。
VC
(ベンチャーキャピタル)
メリット :経営ノウハウの提供、役員の派遣を受けられる
デメリット:持ち株比率の低下、経営権を握られる可能性がある
調達可能額:数億円~数十億円ベンチャー企業・スタートアップ企業の中でも今後大きな成長が期待される企業に対して投資をおこなう、銀行とは違った機関です。
VCと銀行の大きな違いは、VCからの調達は株式引き受けによる出資、即ち純資産となることが挙げられます。
IPO達成など一定のタイミングで株式を売却することによってキャピタルゲインを得ることを目的としており、出資をした資金が回収不能とならないよう、企業の成長を後押しします。
エンジェル投資家 メリット :個人同士の繋がりとなる、出資判断が早い
デメリット:持ち株比率の低下
調達可能額:100万円~2000万円(個々人により変動)創業間もない企業に対して投資をおこなう個人を指します。
キャピタルゲインが目的の一つではありますが、投資家自身が元起業家でベンチャー企業を応援したいなどの個人的な動機が背景にあることも多くあります。
関係性についても組織と組織というよりも、代表者と投資家という個人同士の繋がりとなることもあります。

 

3.企業ステージと資金調達方法

続いて企業のステージの特徴と資金需要を確認し、前項で触れた資金調達先の内、候補となる調達先を確認します。

シードステージ

SEED、即ち種子という言葉の表す通り、事業をこれから立ち上げるステージです。プロダクト・サービスは設計中又は開発中で、事業計画も策定中である場合が多いです。シード期はその社歴の浅さ、事業リスクの高さから資金調達に苦労するフェーズでもあります。

資金需要
法人設立や事業の具体化、人件費、何よりプロダクトやサービスの開発費が必要になってくる状況であることが多く、ワンショットの多額の資金というよりは、ランニングコストが必要ということがほとんどです。

調達先
・日本政策金融公庫
・VC
・エンジェル投資家

前述の通りこのステージの資金需要は大きくないことから、まとまった金額の出資が多いVCよりもエンジェル投資家からの出資を受けるケースが多く見られます

アーリーステージ

プロダクトの市場投入・事業化を達成した段階です。事業リスクの高さと信用の乏しさの開きが大きく、
資金ニーズと借入可能額のギャップが最も激しい時期ということができます。
そのため、資金不足による倒産のリスクもこのフェーズで増大します

特徴
・従業員:10名前後
・売上高:2億円弱

資金需要
人件費を初めとする運転資金、設備投資資金、場合によっては知的財産権の獲得に関する資金と、事業の安定・拡大に向けて資金ニーズが多様化し、その額も大きくなっていきます。

調達先
・日本政策金融公庫
・VC
・エンジェル投資家

ミドルステージ

アーリーステージを乗り越え、プロダクトやサービスが一定程度の認知・評価を獲得し、更なる拡大を目指す段階です。赤字であっても固定費は売上で賄うことができていることが一般的で、更なる売上拡大によって黒字化を目指しているという段階であることが多いです。
認知度の向上・売上の拡大によって資金調達がしやすくなるフェーズです。

特徴
・売上高:5億円前後
・黒字を達成可能
・業界によっては売上前年比2倍に達するなど急成長やその兆候が見られる
・倒産リスクの低下
・認知度向上

資金需要
追加の設備投資、人件費の膨張など、必要とする資金額も大きくなることが特徴です。

調達先
・民間銀行(地方銀行)
・日本政策金融公庫
・VC

レイターステージ

ミドルステージで更なる成長を続け、事業は拡大し、倒産リスクは一先ず落ち着いている段階です。

特徴
・売上高:30~50億円
・従業員:100名前後
・フリーキャッシュフローの黒字安定
・累積損失解消

資金需要
設備・組織の増強もひと段落するため、ワンショットの資金需要は落ち着く一方、組織拡大によって運転資金をはじめとする継続的な資金ニーズは続くことになります。

IPOを考える企業も増えるフェーズであり、IPOを目指していく場合には監査法人やコンサルティングファーム、証券会社へ支払う報酬という新たなキャッシュアウトが生じます

調達先
・民間銀行(メガバンク)
・VC

4.おわりに

上記で見た例は一例であり、企業毎に多様な資金ニーズがあり、また投資側も特にエンジェル投資家やVCなどでは事情によって柔軟な投資をおこなうこともあるでしょう。

資金調達はあくまで成長のための手段であり、自社にあった資金調達をおこなうことで、着実な成長へ繋げることが目的であることを忘れないことが重要です。

資金調達についてお悩みの際には、汐留パートナーズにご相談ください。

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