汐留パートナーズ・ニュースレター 2018年2月号

きびしい寒気の中で、梅のつぼみがほころび始めたようですが、もうすぐ確定申告の時期でもあります。ご存知の方もいらっしゃるかと存じますが、医薬品を購入した際、その購入費用について所得控除を受けることができる、セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)という制度があります。そこで今回は、セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)についてご紹介致します。

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)とは

定期健康診断等を受けている方が一部の市販薬を購入した際に所得控除を受けることができる税制です。具体的には「健康の維持促進及び疾病の予防への取組として一定の取組(※1)を行う個人」が本人又は家族のために購入した一定スイッチOTC医薬品(※2)の合計金額のうち12,000円を超えた金額が控除の対象となります。 施行期間は平成29年1月1日から平成33年12月31日の間となります。対象の商品の見分け方としましてはレシートにも記載はありますが、下記のロゴマークからでもセルフメディケーション税制対象商品かどうかを見分けることができます。

ただし、従来の医療費控除とセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)を併用することはできません。従来の医療費控除の100,000円を超えた医療費の控除額と、セルフメディケーション税制の控除額とどちらが良いかは申告者が自ら選択することとなります。

※1特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診断、がん検診
※2要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品
(類似の医療用医薬品が医療保険給付の対象外のものを除く。)

控除額は?

年間で対象となる医薬品購入額の合計額が12,000円を超える場合、その超えている金額を総所得税額等から控除します。この控除の上限度額は88,000円となっています。例えば、対象医薬品を年間で40,000円分購入した場合。28,000円(40,000円 – 12,000円)が課税所得額から控除されます。

おわりに

医薬品を買うことは消費者すべての方にあてはまることです。一年が終わるまで医療費控除にするか、セルフメディケーション税制にするかは決めることができないかと思いますので、病院の領収書と医療品のレシートは必ず保管しておきましょう。今回のニュースレターで少しでもセルフメディケーション税制について興味をお持ち頂ければ幸いです。疑問点等ございましたら、お気軽に弊社までお問い合わせください。

国際比較にみる 日本の労働生産性水準

◆12月20日に出た調査結果

「労働生産性の国際比較2017年版」(公益財団法人 日本生産性本部)が昨年12月20日に出されました。
政府が生産性向上に向けた各種の施策を展開している中で、日本の労働生産性が国際的にみてどのあたりに位置しているのかを、調査結果で明らかにしています。

◆そもそも「労働生産性」とは?

労働生産性とは、「労働者1人当たりで生み出す成果、あるいは労働者が1時間で生み出す成果を指標化したもの」です。
労働生産性は、「付加価値額または生産量÷労働投入量(労働者数または労働者数×労働時間)」で表され、労働者の能力向上や経営効率の改善などによって、労働生産性は向上します。

◆日本の時間当たり労働生産性は20位

2016年の日本の時間当たり労働生産性は46ドル(4,694円/購買力平価換算)。順位はOECD(経済協力開発機構)加盟35カ国中、昨年と同様の20位となりました。
上位は、1位アイルランド(95.8ドル)、2位ルクセンブルク(95.4ドル)、3位ノルウェー(78.7ドル)と続いています。OECDの平均は51.9ドルです。
日本の労働生産性は、6位の米国(69.6ドル)の3分の2程度の水準で、主要先進7カ国(フランス、米国、ドイツ、イタリア、カナダ、英国、日本)でみると、最下位の状況が続いています。

◆日本の1人当たり労働生産性は21位

2016年の日本の就業者1人当たりでみた日本の労働生産性は、81,777ドル(834万円/購買力平価換算)。順位は、OECD加盟35カ国中21位となりました。
上位は、1位アイルランド(168,724ドル)、2位ルクセンブルク(144,273ドル)、3位米国(122,986ドル)となっています。OECDの平均は92,753ドルです。
日本の労働生産性は、就業1時間当たりと同様、就業者1人当たりでみても、主要先進7カ国で最も低い水準となっています。

◆日本の製造業の労働生産性は?

日本の製造業の労働生産性(就業者1人当たり)は95,063ドル(1,066万円/為替レート換算)。日本の順位は14位で、米国(139,686ドル)の7割程度の水準となっています。

Q 1人前になったと思ったら…

当社は、美容室を経営している会社です。当社では、新入社員教育のため、1人につきひと月4万円程度の経費を支出しております。しかし、この教育により美容技術を身につけて1人前となったとこで退職されてしまうと、会社としてはまたゼロから別の社員を育成しなければなりません。そこで、当社では就業規則上、次の定めを設けております。「従業員は、自己都合で退職した場合、当該従業員の新入社員教育に要した経費(1カ月あたり4万円)を会社に支払うこととする。」 さて,当社従業員Aさんが、入社月から1年間、新入社員教育を受けた後、突如、自己都合により当社を退職したので、当社はAに対し1年分の教育経費48万円を支払うよう請求しました。しかし、Aさんはこれを拒否しています。当社の請求は認められないのでしょうか。

A 業務性がポイントです。

◆ 賠償額予定の禁止ルール

労働基準法16条は、会社が、従業員との間で、労働契約不履行につき違約金を定めたり、損害賠償額を予定する契約をしてはならないと定めています。本件では、就業規則が、教育期間1カ月あたり4万円として算定した額の負担を定めているため、実質上、この「違約金」や「損害賠償額」の定めに等しいのではないかという問題が生じます。この問題については、従業員に負担させる費用について、本来、会社と従業員のどちらが負担すべきであったのかを考える必要があります。そして、務性が強い事項についての費用は、本来、会社が負担すべきで従業員に転嫁できないということになりますので、業務性の強弱がポイントです。

◆ Aさんの場合

たしかに、経費をかけて教育した社員が1人前になったところで、突如退職しまうことは会社にとって不都合でしょう。しかし、一般に、業員としては労働契約上の義務として従業員教育を受けるのであって、これが会社に命じられた業務であることは否定できません。業務上の経費は会社が負担すべき費用ですので、負担を従業員に転嫁することはやはり労働基準法16条の趣旨に反するといわざるをえません。Aさんの場合もそのような結論となる可能性が高いと思われます。では,
単なる社員教育費ではなく、たとえば美容師学校の授業料や留学費用であったときはどうでしょうかこの場合も同様の結論となるかは、微妙な判断です。このような就業規則を作成するにあたっては,先例を十分に確認のうえ、慎重に当否を判断したいところです。