汐留パートナーズ・ニュースレター 2020年8月号

コロナ禍での株主総会の延長・延期に伴う影響や対応策について

第2波の到来が取り沙汰されていて、なかなか終息の目途がつかない新型コロナウイルス。このコロナ禍で皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

今年は、3月期決算の企業の株主総会が初夏ではなく真夏の7月、8月に行われているレアな年です。本来でしたら、今年も例年通りに多くの日本企業で5月に決算公表・6月下旬に株主総会開催といった流れがあるはずでしたが、コロナ禍で決算作業や監査が遅れたことにより、上場企業も相次いで株式総会を「延期」、または金融庁が容認した「継続会(”2段階方式”で株式総会を開催すること)の採用」を選択した企業もありました。なぜそもそも日本では6月下旬に株主総会が集中するのか・・?株主総会は原則、決算期末日(基準日)から3ヶ月以内に開かれることになっています。特に日本の上場企業の6割以上が3月期決算であるため、6月下旬に株主総会が集中するのです。

さて今回は、コロナ禍での株主総会の延長・延期に伴う影響や対応策について、汐留パートナーズの3事業部からお役立ち情報をご紹介させていただきます。

 

 

はじめに

経済産業省は6月12日、「新型コロナウイルスの影響により株主総会の延期等を行う場合の役員給与の損金算入について」を公表しました。ここでは株主総会の延期等がなされた場合に、法人税上の損金算入となる「定期同額給与」「事前確定届出給与」「業績連動給与」の手続等に関する考え方が示されています。多くの3月決算会社は、既に2020年3月期に係る株主総会を終えていますが、3月決算以外の会社等、これから株主総会を迎える会社も多く、今後も先行き不透明な新型コロナウイルスの状況を鑑み、株主総会の延期等と役員給与の関係について整理することは有用であると考え、今回経産省が提示した考え方について順に見ていきたいと思います。

 

定期同額給与

定期同額給与の通常改定は、会計期間開始の日から3か月以内に行うことが原則です。
新型コロナウイルスの影響により株主総会の延期が余儀なくされ、株主総会に合わせて継続して毎年所定の時期にされる役員給与の通常改定が3か月経過日後に行われる場合、自己の都合によらない、「特別の事情があると認められる場合(法人税法施行令第 69 条第1項第1号イ)」に該当し、定期同額給与の通常改定の要件を満たすこととなります。

 

事前確定届出給与

事前確定届出給与に係る届出期限は、①届出の決議をした株主総会等の日から1か月以内、又は②会計期間開始の日から4か月以内のいずれか早い日とされます。
新型コロナウイルスの影響により株主総会の延期が余儀なくされ、上記②の届出期限までに事前確定給与に関する届出ができない場合は、国税通則法第 11 条(災害等による期限の延長)に基づく個別延長が認められます。

 

業績連動給与

業績連動給与は、職務執行開始日の属する会計期間開始の日から3か月以内に、報酬委員会が決定していること等の適正な手続を経ていることが要件であり、新型コロナウイルスの影響により、当該手続を得た業績連動給与の決定が3か月経過日後になった場合は要件を満たしません。但し、①継続会方式での株主総会を開催する場合に、3か月以内に開催する当初の株主総会で役員選任決議と併せて業績連動給与を決定し、その後の決算報告を継続会で行う場合や、②3か月以内に開催する報酬委員会又は報酬諮問委員会への諮問を経た取締役会において業績連動給与を決定し、延期された株主総会において当該給与にかかる金額等の承認や役員選任の決議を行う場合には、その決定が3か月以内になされたものと認められます。

 

おわりに

昨今、新型コロナウイルスの影響のみならず、災害被害など、通常の企業運営が困難な状況が多く発生しています。このような状況下で企業活動を継続していくため、様々な税制特例措置があります。ご不明点等ございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせ下さい。

 

はじめに

新型コロナウイルスの影響により、社内でのコミュニケーション方法にも変化が見られました。今回は「Withコロナ時代におけるコミュニケーションのあり方」について考えていこうと思います。

 

Withコロナ時代の制約

新型コロナウイルス対策のためにはソーシャルディスタンスの確保が必要となります。人同士の間隔を2m以上確保し、正面で向き合ってのコミュニケーションも避けるべきとされています。オフィススペースに制約を受けるため、出社人数を調整しなければならない場合もあるでしょう。そのため、時差出勤やテレワークなどを活用する企業も増えました。
Withコロナ時代においては、時差出勤やテレワークの活用により、全員が同じ職場に集まって仕事をするという働き方から、働く場所や時間帯が異なる働き方へとシフトしていくと考えます。

 

Withコロナ時代のコミュニケーション方法

Withコロナ時代には、働く場所や時間帯が異なることが当たり前になり、従来のコミュニケーション方法だとうまくいかないことがあります。そこで、Web会議のような映像や音声を用いたリアルタイムの同期型コミュニケーションと、チャットやメールのような文字を用いた時間に制約されない非同期型コミュニケーションを活用することができます。それぞれにメリットやデメリットがあるので、状況に応じて使い分けましょう。

 

グループで情報を共有すること

オフィス内で仕事をしているときは、周囲の様子や会話をなんとなく把握できます。同僚がどんな仕事を進めているとか、忙しそうだとか、困っているようだとか、そういったことを把握できるようになっています。リモートでのコミュニケーションでも、こういった環境を再現できたほうが良いでしょう。
そのためには、基本的にはグループ単位でWeb会議やチャット・メールを活用することを原則として、必要に応じて1:1でのコミュニケーションも活用するようにします。

 

チャットやメールの運用のポイント

チャットやメールをグループで活用する場合には、「誰から誰に対してのメッセージなのか」というのを明確にしておきましょう。これを明確にしておくことで、直接会話している人は注意して確認することができ、それ以外の人も把握はできるという状態を実現することができます。誰に対してのメッセージかが明確でなければ、必要以上に注意力を使わなければいけなくなるので注意が必要です。また、重要な情報はチャットやメールを使って文章で残しましょう。文章であれば、働く時間帯が異なる場合でも情報共有ができます。文章は検索も容易なので、後で確認したいときにも便利です。
しかし、文字だけだと伝わりにくい情報もあり、センシティブな内容だと誤解を生じることもあります。

 

おわりに

時差出勤やテレワークでも問題なくコミュニケーションがとれる環境を整えることができれば、感染症対策以外にも、社員のワークライフバランスの実現や、育児・介護との両立支援など、様々な場面で役立てることができます。Withコロナ対策を通して強い組織へと成長できるよう、ぜひコミュニケーション方法を見直してみましょう。

 

定時株主の開催が事業年度末から3ヶ月を経過

役員(取締役、会計参与及び監査役)の任期は「選任後●年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで」と会社法や定款で定められています。会計監査人の任期は、●の部分が必ず1(年)となります。
定時株主総会の開催が事業年度の末日から3ヶ月を経過したケースにおいては、役員及び会計監査人の任期はいつまでになるでしょうか。
これは、事業年度の末日から3ヶ月を経過しているかどうかに関わらず、定時株主総会の終結の時まで、ということに変わりはありません。
事業年度の末日を3月31日としている株式会社の取締役の任期の満了日につき、天災その他の事由により6月30日までに定時株主総会を開催できなかった場合は、それが7月以降となっても問題ないということです。

 

計算書類等の作成が間に合わないが株主総会を開催した

新型コロナウィルスの影響等によって計算書類等の作成が事業年度の末日から3ヶ月以内に間に合わない場合に、通常定時株主総会が開催される時期に役員の改選のみを目的として株主総会を開催した場合はどうでしょうか。
この場合は、通常定時株主総会が開催される時期に任期が満了する役員及び会計監査人は、当該株主総会の終結の時に任期が満了するものとされています。

 

定時株主総会の開催を中止することができるか

新型コロナウィルスの影響等によって定時株主総会を開催できない場合、今年の定時株主総会を開催しないものとすることができるかどうかにつき、これは不可とされています。
定時株主総会の開催が事業年度の末日から3ヶ月以内に間に合わない場合においても、定時株主総会の開催は必須となります。
なお、株主の全員から同意を得られるのであれば、一堂に会さなくても、書面や電磁的記録によって同意を集めることにより、定時株主総会の決議及び定時株主総会への報告があったものとみなすことができます(会社法第319条1項及び会社法第320条)。

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