汐留パートナーズ・ニュースレター 2021年7月号

コロナ禍1年間の特例措置

コロナ関連で慌ただしい中、熱中症も心配な季節となりました。皆様におかれましては、是非ご自愛をお忘れなくお過ごしください。

さて、今月のニュースレターでは「コロナ禍1年間の特例措置」について取り上げます。新型コロナウイルス感染症が日本で拡散してから1年と数か月、各地各業界で様々な影響が出ています。新型の感染症という未曽有の事態に、行政も企業・個人に向けた様々な特例措置を設けてきました。影響が長期化し、特例措置の中でも、継続しているもの、変化したもの、既に効力を失ったものが出てきており、特例措置の利用を検討する際には、最新動向の確認が必要とされる状況です。

そこで今回は現在有効な特例措置を中心に、税務、労務、入国管理のそれぞれの分野における特例措置をまとめました。ワクチン接種の動きもありつつ、まだ先の見通せない世情ですので、特例措置の把握にお役立てください。

はじめに

コロナ禍で政府は事業者支援のための様々 な特例措置を講じています。今回はその中で 注目度が高く、現在も申請可能な補助金をいくつか見ていきたいと思います。

事業再構築補助金

新分野展開、業態転換、事業・業種転換、 事業再編又はこれらを通じた規模の拡大等、 思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等を支援するものです。

この他に、2021年1月~6月のいずれかの 月の売上高が対前年又は前々年の同月比で 30%以上減少している事業者向けに「緊急事 態宣言特別枠」が設けられ、より迅速な審査 が行われます。また特別枠で不採択の場合も、 通常枠で再審査を受けることが可能です(参考:事業再構築補助金 (METI/経済産業省)

ものづくり補助金

中小企業等の革新的サービス開発・試作品 開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資 等を支援するものです。特別枠として、コロナ禍の影響でビジネスモデルの転換のため前 向きな投資を行う事業者に対して、通常枠とは別に、補助率を引き上げ、営業経費を補助対象とした「低感染リスク型ビジネス枠」が設けられています。

IT導入補助金

中小企業等が業務の効率化や生産性向上に繋がるITツールを導入する際に要する費用の一部を支援するものです。事業類型、及び通常枠か低感染リスク型ビジネス枠かで補助下限(上限)額や補助率が異なっています。詳細は中小機構・生産性革命推進事業ポータルサイトを参照してください。

おわりに

特例措置には、今回紹介した補助金以外にも様々な補助金・助成金があり、特別融資や貸付、税制上の特例措置もあります。利用可能な制度をフル活用するには、最新の情報を入手する必要があります。ご検討の際には、弊社までお気軽にお問い合わせください。

はじめに

コロナ禍と言われて始めてから1年以上が経過しました。アメリカなどではワクチン接種が進み経済活動が再開されつつありますが、日本でワクチンが普及するにはもう少し時間がかかりそうです。そこで、今回はコロナ禍における人事労務関係の特例措置についてお伝えします。

特例措置には、大きく分けて「助成金等に関する特例」と、「社会保険料に関する特例」があります。

助成金等の特例

コロナ禍に伴う特例措置のある助成金や、臨時的に創設された助成金についてご案内します。

・雇用調整助成金
経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が雇用の維持を図るために休業手当を支給したときに、休業手当に要した費用を助成する制度です。新型コロナウイルス感染症の影響に伴って、受給要件の緩和、助成率・上限額の引上げ、申請書類の簡素化などの特例措置が実施されています。特例措置は令和3年7月までは継続されることが決まっており、8月以降については雇用情勢などを踏まえた上で今後決定されることとなっています。

厚生労働省「雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)

・産業雇用安定助成金
経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が雇用の維持を図るために在籍型出向を実施したときに、出向元・出向先双方の事業主に対して、出向に要した費用を助成する制度です。休業手当による雇用維持に対しては雇用調整助成金が支給されますが、在籍型出向によって雇用維持する場合には産業雇用安定助成金が支給されます。雇用調整助成金の特例とは違い、少なくとも令和3年度は利用できる予定です。

厚生労働省「産業雇用安定助成金

・両立支援等助成金(育児休業等支援コース)の特例
新型コロナウイルス感染症の影響による保育園や小学校の臨時休校等に対応するための有給の休暇制度を設け、かつ両立支援(テレワーク、短時間勤務、フレックスタイム、時差出勤、ベビーシッター費用補助など)の取り組みをした場合に助成金が支給される特例が実施されています。当該休暇を4日以上取得した労働者1名につき5万円、上限10人まで支給されます。

厚生労働省「両立支援等助成金

・両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)の特例
新型コロナウイルス感染症への対応として利用できる介護のための有給の休暇制度を設け、介護をする労働者が休みやすい環境を整備した事業主を支援するものです。5日以上10日未満の休暇取得で20万円、10日以上の休暇取得で35万円が支給されます。
※詳細については上記両立支援等助成金のWebページをご確認ください。

・新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置に係る助成金
新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として休業が必要とされた妊娠中の女性労働者に対して、有給の特別休暇を取得させた企業に対する助成金です。令和3年4月1日から令和4年1月31日までの間に、当該休暇を合計5日以上取得させると、15万円が支給されます。

厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置に係る助成金をご活用ください

・新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース、新型コロナウイルス感染症短時間トライアルコース
新型コロナウイルス感染症の影響により離職を余儀なくされた方で、離職期間が3か月を超え、かつ就労経験のない職業に就くことを希望する求職者を、無期雇用契約へ移行することを前提にトライアル雇用をする事業主に対して助成するものです。通常のトライアル雇用助成金と同様、ハローワーク等の紹介により対象となる労働者を雇い入れることが条件となっています。

厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース・新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース

社会保険料等の特例

社会保険料等に対する特例については、労働保険料(労災・雇用保険)の納付猶予、社会保険料の標準報酬月額の特例改定などがあります。
※社会保険料(健康保険・厚生年金保険)の納付猶予の特例は終了しています。

・労働保険料の納付猶予
新型コロナウイルス感染症等の影響により労働保険料等の納付が困難な場合には、労働保険料等の納付の猶予や換価の猶予制度が受けられる場合があります。猶予を受けることで、猶予期間中の延滞金の免除、財産差押の猶予又は解除といった効果を受けることが出来ます。

厚生労働省「新型コロナウイルス感染症等の影響による労働保険料等の納付に係る猶予制度のお知らせ

・社会保険料の標準報酬月額の特例改定
新型コロナウイルス感染症の影響による休業があったことにより報酬が著しく下がった場合、急減月の翌月を改定月として標準報酬月額を改定できる特例が実施されています。現時点では、令和3年7月までに急減した方が対象となっています(令和2年12月までの分については届出期間が終了しています)。

日本年金機構「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う休業で著しく報酬が下がった場合における標準報酬月額の特例改定の延長等のご案内

はじめに

コロナ禍で出された特例措置という点では出入国及び入管関連は他のものに比べより多くの特例措置がとられたと思います。自国の感染者数を抑制するという観点から水際対策は非常に重要なものとして位置づけられ、これに関連して外国人の出入国にも様々な制限が加えられた上に、感染者数の増加状況や変異株等の出現により他国が上陸拒否国に指定されるなど、目まぐるしい変化がありました。激動の1年にどのような変化があったのか、振り返ってみましょう。

上陸拒否措置

1月31日の国家安全保障会議決定・閣議了解により、本邦への上陸申請日前14日以内に中国湖北省における滞在歴がある外国人及び同省において発行された同国旅券を所持する外国人が特段の事情がない限り、出入国管理及び難民認定法第5条第1項第14号に該当するとして2月13日午前0時(日本時間)から上陸が拒否されたことを皮切りに、現在まで実に100を超える対象地域が上陸拒否とされる特例措置が課せられました。これにより新規の入国は事実上ストップされてる状態となり、国際的な人の流れは麻痺状態となりました。

査証の効力停止措置

前述のように国内では新規の入国者を抑制する一方、海外では在外日本大使館・領事館による査証の効力停止措置が課せられました。また日本はアメリカやドイツなど68の国・地域を査証免除国としており、短期滞在で入国するのに必要な在外日本大使館・領事館で行う査証の取得を免除しています。この制度も特例措置として停止しております。これにより短期商用のビジネスパーソンはもとより観光客が日本にこれなくなり、外国人観光客が日本から姿を消しました。

在留資格認定証明書有効期間特例措置

海外での査証申請手続きが停止された一方、国内の在留資格認定証明書交付手続きは一時停止する期間もありましたが、すぐに交付手続きが再開されました。しかし、在留資格認定証明書が交付されたにもかかわらず、海外での査証申請が停止されているため、入国できないというジレンマが生じました。入国時に必要な在留資格認定証明書の有効期限は3か月なので、有効期間を延長できる特例措置がとられました。現在は2019年10月以降に作成された在留資格認定証明書に関しては作成日が2019年10月1日~12月31日のものは2021年4月30日まで、2021年1月1日~2021年1月30日のものは2021年7月31日まで、2021年1月31日~のものは、作成日から6か月間有効とみなされております。なお、有効とみなす条件がありますので、この点は注意が必要です。

おわりに

この他にも出入国及び入管関連のコロナ禍における特例措置ともいえるものは数多くあります。日々かわるこれらの情報をキャッチし、正確に理解するには余程の労力と専門性の高い知識を必要とします。ご不明な点等がございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

 

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