汐留パートナーズ・ニュースレター 2022年1月号

最新の法改正・制度改正について

新年、明けましておめでとうございます。 昨年のご愛顧に厚くお礼申し上げるとともに、本年も引き続きよろしくお願いいたします。

さて、2022年最初のニュースレターでは「最新の法改正・制度改正」について取り上げます。

税務からは「賃上げに係る税制措置の強化」や「中小企業における所得拡大促進税制の拡充/交際費特例の延長」等の論点を、労務からは「社会保険の適用拡大について」、行政書士法人からはオミクロン株への警戒から11月に停止されて以来、動向が注視されている「新たな措置(19)」について、それぞれ取り上げます。

行政書士法人で取り上げる「新たな措置(19)」は勿論ですが、税務の論点についても、やはりコロナウイルス感染症の影響を意識したものとなっています。

法人にとって大きく影響する論点も多くなっておりますので、是非年の初めに2022年の法制度に関する要点を押さえて頂ければと思います。

 

はじめに

2021年12月10日に公表された令和4年度 税制改正大綱では、「成長と分配の好循環」と 「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトに、賃上げや多様なステークホルダーへの 還元を促す措置が強化されています。今回は法人課税での注目論点を見ていきます

賃上げに係る税制措置の強化

給与等の支給額が増加した場合の税額控除 制度において、比較対象が新規雇用者から継続雇用者に見直されました。具体的には、青色申告法人が2022年4月1日~2024年3月 31日に開始する事業年度で、給与等支給額を一定割合以上増加させた場合、対象となる給与等支給増加額の最大30%を税額控除する制度が設けられます(下表参照)。この点、資本金の額等が10億円以上、かつ、常時使用する従業員数が1,000人以上の大企業は、給与 等支給額の引上げの方針や取引先との適切な 関係構築の方針などをインターネットなどで 公表したことを経済産業大臣に届け出ていることが必要です。また、当該大企業で収益が拡大しているのにも関わらず賃上げに消極的な企業に対し、租税特別措置(研究開発税制 など)の適用を停止する措置が強化されます。

要件 税額控除(最大30%、当期法人税額の20%が上限)
継続雇用者の給与等支給額の増加率≧3% 控除対象雇用者給与等支給増加額×15% …①
継続雇用者の給与等支給額の増加率≧4% ①+10%=25% …②
教育訓練費の増加率≧20% ①+5%=20% or ②+5%=30%

中小企業における所得拡大促進税制の拡充/ 交際費特例の延長

中小企業における所得拡大促進税制の適用 期限が1年延長され、下表の通り、税額控除率の拡充(最大40%)がなされます。

  要件 税額控除(最大40%)
現行 継続雇用者の給与等支給額の増加率≧1.5% 控除対象雇用者給与等支給増加額×15% …①
拡充 継続雇用者の給与等支給額の増加率≧2.5% ①+15%=30% …②
教育訓練費の増加率≧10% ①+10%=25% or ②+10%=40%

また、交際費等の損金不算入制度の適用期限 が2年延長されると共に、中小法人に係る損 金算入の特例の適用期限が2年延長されます。

オープンイノベーション促進税制の拡充
スタートアップ企業(特別新事業開拓事業者)に、一定要件を満たす出資をした場合の出資額の25%を課税所得から控除するオープンイノベーション促進税制について、要件が緩和され、適用期限も2年延長されます。 具体的には、出資対象企業で売上高に占める研究開発費の割合が10%以上の赤字企業に ついては、設立日以降の期間が15年未満(現行:10年未満)へ拡充され、対象株式の保有見込期間(特別勘定を取り崩す場合に益金算入する必要がある期間)の下限が、3年(現行:5年)に短縮されます。

5G投資促進税制の延長

税額控除率を段階的に減少させる見直しを行った上で、適用期限が3年延長されます。

おわりに

法人課税では、その他、グループ通算制度 の投資簿価修正制度の見直し、資本の払戻に係るみなし配当の計算方法の見直し、少額減価償却資産・一括償却資産の取得価額の損金算入特例の延長と貸付用資産の除外など、論点は多岐に渡ります。ご不明点等ございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせ下さい。

 

はじめに

2022もいくつかの法改正の施行が予定されています今回は、特に起業への影響が大きい「社会保険の適用拡大」についてご案内します。 

社会保険適用拡大の概要 

2022年10月から、従業員101人以上の企業次の要件を全て満たす短時間労働者を社会保険に加入させる義務を負います。 

週の所定労働時間が20時間以上 
月額賃金が8.8万円以上残業代・賞与・臨時的な賃金は含まない)
2ヶ月を超える雇用の見込みがある 
学生ではない 

これまでは従業員数501人以上の企業が対象でしたが、10月からは101人以上の企業にまで対象が拡大されます。さらに2024年10月には51人以上の企業にまで適用される予定です。 

従業員数の数え方

従業員数101人以上の企業が対象となりますが、その従業員数とは「現在の厚生年金保険の適用対象者数を指し「フルタイムの従業員数」+「週の所定労働時間がフルタイムの3/4以上の従業員数」で求められます。これが101人以上の企業においては、10月までに準備が必要となります。 

準備の進め方

まずは、法改正により新たに加入対象となる方を把握する必要があります上述した4つの要件を全て満たす方で、かつ社会保険未加入の方が新たな加入対象になります。 

次に、加入対象となる方への周知・説明が必要になります。法改正の概要を説明し、社会保険の新たな加入対象になることを伝えましょう。 

周知をしたら、加入対象者との面談等により、今後の労働時間などについて協議する機会を設けましょう。特に、扶養の範囲内で働いている方にとっては重要な問題になります。 短時間労働者の中には、加入対象にならないように労働時間を減らしたいという方もいれば、加入するのなら労働時間を増やしたいという方もいるでしょう。働き方に対する希望を聞きながら、今後の働き方について検討しましょう。 

おわりに

社会保険の適用拡大は、加入対象となる短時間労働者、特に扶養の範囲内で働いている方にとっては大きな問題となります。また、会社にとっても保険料負担の増加が予想されます。できるだけ早く準備を進め、10月の法改正施行に備えましょう。 また、51人以上の企業も2024年には対象になりますので、焦らなくても良いように、雇用契約の更新のタイミングなどで順次対応を進めておいたほうが良いでしょう。 

 

はじめに

入管行政においては2021年11月8日に長らく続いていた外国人の新規入国制限や待機期間中の行動を限定的に解除する「新たな措置 (19)」が発せられ制度上大きな変化が起こり ました。この措置はオミクロン株の台頭により11月30日には年内いっぱいは停止されることとなっております。運用されたのはわずかな間でしたがその間の反響が大きかったことから停止中の「新たな措置(19)」について 興味や疑問点のある方も多くいるのではないでしょうか。

何が緩和されたのか

新たな措置(19)では大きく2つの緩和がありました。「行動制限の緩和」と「新規入国制 限の緩和」です。行動制限の緩和とは入国後14日間(最短10日間)の待機期間中に「公共機関での移動」「集会・イベント参加」「飲食店の利用・会食」「仕事・研修」など特定の行動を緩和する事であり、入国制限の緩和とは在留資格認定証明書を有する者やビジネスパーソンの短期滞在の新規入国制限が緩和されるという事です。この緩和を受けるには受 入責任者が必須となります。受入責任者とは 外国人従業員が入国する場合においては主に受入会社が受入責任者となり、その従業員などを新型コロナウイルス感染症対策責任者とする必要があります。受入責任者及び入国する外国人にはそれぞれ誓約事項があり、これが守られなければ外国人は在留資格取消、退去強制など、また受入責任者においては企業の公表などのペナルティが課せられることとなります。誓約事項の例を挙げると受入責任者は「入国者のスマートフォンに指定されたアプリがインストールされ、ログインできているかの確認」、「待機施設等に異動するための専用の移動手段(自家用車、社用車、貸切 車両、ハイヤー)への誘導」、「入国者が特定行動や待期期間短縮を予定している場合に、 検疫でのワクチン接種証明書の有効、無効等の判断結果を速やかに確認」などの記載ががあったため、当初は受入責任者に到着地に行く必要があると解釈されましたが、基本的には受入責任者が到着地に向かうこととし、例 外として「入国者が専用の移動手段の利用方 法や経路を理解しており、厚生労働省の指定するアプリのインストール・ログインをスマートフォン等を通して画像等で確認するといった行動管理により代替措置を講じる場合には、受入責任者が到着地で直接確認を行わない対応も例外的に認められる」としています

業所管省庁への審査済証の交付申請

入国前に業所管省庁への審査済証の交付申請 を受ける手続きが増えました。この手続きは会社の業を所管している省庁に対して前述の誓約事項に対する誓約書や活動予定表、入国者リストを申請書と共に提出するものです。

おわりに

誓約事項は多岐に制度を理解した上での申請を行わなければなりません。誓約事項に違反すれば先に記載した通りペナルティの対象となります。何より防疫体制は全国民の協力なくしてあり得ません。弊社では誓約事項の説明から資料の配布、申請まで一貫してお請けすることができますので、お困りのことがあれば是非一度ご連絡いただければ幸いです。

 

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