私は相続税の納税義務者に該当するのでしょうか?

   

昨今のグローバル化に伴い、かつては日本で生活をしていた方が、海外に住居を移され、その国で亡くなられるケースが多々見受けられる時代となりました。

そのような時代の中で、その亡くなられた方(被相続人)が日本に不動産や金融資産を有していた場合、そのご家族(相続人)は相続税の納税義務者に該当するのでしょうか?

このようなご質問をよくいただきますので、今回のコラムでは具体的なご相談内容を挙げて、相続税の納税義務の有無、どの財産に相続税が課税されるのか見ていきたいと思います。

ご相談内容

私たち家族はアメリカで生活しておりましたが、つい先日夫であるAが亡くなりました。

Aは20年前に日本に住んでいたことがありましたが、20年間一度も日本に帰国することなく、日本の国籍を有したまま亡くなりました。

妻であるBの私と子どものCは、一度も日本へ来日したことがなく、日本国籍も有しておりません。

Aはアメリカと日本にそれぞれ不動産と金融資産を有しており、どういった形で相続税が課されるかよくわからず心配です。

納税義務の有無について

今回のケースでは、ご家族全員が20年間にわたってアメリカで生活しており、一見すると日本に財産を有していても相続税は課税されない気がするかもしれません。

しかしながら、日本の相続税法においては、たとえ被相続人・相続人が長期間日本に居住していなかったとしても、Aが国内に財産を有しており、その財産をBおよびCが相続した場合には、その相続人であるBとCについては相続税の納税義務者となることになります。

※今回のケースでは、AおよびBとCは、10年を超えて国内に住所がなく、BとCは日本国籍も有していないため「非居住制限納税義務者」という区分に該当することとなります。相続税の納税義務者の判定については下記のコラムに詳しく記載しておりますので、ご確認ください。

https://shiodome.co.jp/souzoku/2662/

 課税財産の範囲について

上記「納税義務の有無について」で述べた通り、BとCについては相続税の納税義務者に該当しますとお伝えしました。

では、一体どの財産までが相続税の申告の対象となるのでしょうか?

結論から申し上げると、BおよびCについては「非居住制限納税義務者」に該当することとなりますので、Aが有する日本国内の財産のみに対して相続税が課税されることとなり、海外で有していた財産については日本の相続税の計算から除かれることとなります。

この日本で支払った相続税については、居住している海外の税制によっては外国税額控除を受けることで税金を軽減することができる可能性があるので、現地の税制も確認することが重要となります。

今回のケースでは、「(非居住)制限納税義務者」に該当するため日本国内の財産のみに相続税が課されますが、相続人となる方が「無制限納税義務者」に該当する場合は、被相続人が有する全世界の財産に対して、相続税が課されることとなります。

事前に被相続人となる方がどの国にどれだけの財産を有しているかを確認しておくことも、非常に重要な項目となります。

まとめ

上記はほんの一例に過ぎませんが、状況によっては様々なパターンが想定されます。

私は日本に住んでいないので相続税の納税義務者ではない!と思い込んでしまい、納税義務の判定を誤り相続税の申告が漏れてしまうと、本来の相続税に加え延滞税(原則7.3%)が課される等、生活に大きな影響が出てしまう可能性があります。

少しでも不安な点等あれば、プロにご相談することを強くおすすめします。

汐留パートナーズグループでは、外国からの相談者様も多く、英語・中国語等に対応可能でバイリンガルサービスを提供できる環境が整っております。

また、弁護士・司法書士・税理士によるワンストップで問題点を早急に解決することが可能です。

ご不明な点やご要望等ございましたらお気軽にお問い合わせいただければと思います。

出口拓矢
 

このコラムを書いた人

 

相続診断士出口拓矢

汐留パートナーズ税理士法人所属、相続診断士。親身になってご相談対応させていただくことをお約束します。

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