海外不動産については相続税法上どういう評価になるのでしょうか?

   

昨今のグローバル化に伴い、節税目的や海外出張等でその国の不動産を購入し、その後日本において亡くなられるケースも少なくない時代となってきました。

今回のコラムでは、その亡くなられた方(被相続人)の海外の不動産の評価方法について、具体的なご相談内容を挙げて、どういった形で評価されるのか見ていきたいと思います。

ご相談内容

私の父であるAはかつて海外出張によりアメリカで生活をしていた関係で、現地で不動産を購入し、その後アメリカで何年か勤めた後日本に帰国しました。

先日Aが亡くなり、Aはアメリカと日本の両国にて不動産を所有していることがわかりました。

日本国内の不動産については、路線価方式や倍率方式により土地は評価し、建物は固定資産税評価額で評価するとお聞きしましたが、アメリカに所有している不動産も日本国内の不動産と同様の評価の仕方でよろしいでしょうか?

海外不動産の評価方法

海外出張等を契機に、現地で不動産を購入されるケースは上記で述べた通り少なくないケースとなりました。こちらのご相談者様のおっしゃる通り、日本国内の不動産の評価方法は、土地については、

・路線価方式(国税局長が毎年土地1㎡当たりの価額を定め、その土地の間口や奥行きや、土地の形状等を考慮して評価額を算出する方法)
・倍率方式(路線価が定められていない地域については、固定資産税評価額にその地域や地目に応じた倍率を乗じて評価額を算出する方法)

家屋については、固定資産税評価額に倍率1.0を乗じて算出することとなります。


日本国内の不動産の評価は、上記の通り、国内の基準にて設定されている価額や倍率を基に評価を行うことが可能ですが、海外の不動産については、日本の基準で算出された路線価や固定資産税評価額が無いため、これらの評価方法を用いることができません。


そこで海外不動産の評価については、結論から申し上げると時価にて評価額を算出します。

ここでいう時価とは現地の市場における売買価額、不動産鑑定士(その国の専門家)による鑑定評価額、その国の地価公示価格等を指し、こちらを基に不動産の評価を行います。

各国の具体例

上記にて海外不動産の評価については、各国の売買価額、専門家による鑑定評価額、地価公示価格等を基に不動産の評価を行うと記載させていただきましたが、ここでは代表的な国の不動産の評価方法について記載させていただきます。

アメリカの場合

アメリカの場合はアメリカの不動産鑑定士に依頼して、鑑定評価額を算出し評価を行うことが一般的となります。

アメリカでは相続があった際、一定の相続財産額を超えると「プロベート」という裁判所によって行われる遺産分割・相続の手続き等が必要となり、ここで使われるのが鑑定士による評価額となり、日本の相続税評価額についても準用されることとなります。

中国の場合

中国においてもアメリカと同様、中国の不動産鑑定士に評価を依頼
し、不動産の価格を算出することとなります。

ただし、中国において は、土地は国の財産と捉えられているため、土地の価格を算出しにくい地域があるので注意が必要となります。

韓国の場合

韓国の場合には、日本と同様、国により公示価格が定められており、こちらを基に評価することが可能です。

各国の事例

代表的な各国の具体例を上げさせていただきましたが、海外不動産の評価は日本のような原則的な方式で評価できない以上、上記以外の様々な方式で評価することも考えられます。

評価の際には現地の実情等を踏まえ、複数の専門家に依頼することが重要になります。

まとめ

海外不動産の評価を円滑に行う際には、現地の専門家とコネクションを持つことが非常に重要になります。

汐留パートナーズグループでは、PKFという国際的な会計ネットワークに加盟しており、世界各国の専門家とのコネクションがあります。

また、英語・中国語等複数の言語に対応可能で、お客様を世界各国の専門家と円滑にお繋ぎできる環境が整っております。

また、弁護士・司法書士・税理士によるワンストップで問題点を早急に解決することが可能ですので、ご不明な点やご要望等ございましたらお気軽にお問い合わせいただければと思います。

出口拓矢
 

このコラムを書いた人

 

相続診断士出口拓矢

汐留パートナーズ税理士法人所属、相続診断士。親身になってご相談対応させていただくことをお約束します。

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