司法書士 石川宗徳の相続コラム

相続放棄は取り消すことができる?

相続放棄の申述を家庭裁判所にした人が、思い直して相続放棄を取り消したいと思ったときに何か方法はあるのでしょうか。

このコラムでは、相続放棄を取り消すことができるケースについて紹介しています。

相続放棄申述手続き中の取消し

相続放棄の申述が家庭裁判所に受理される前であれば、その申述を取り下げることができます。

相続放棄を取りやめるのであれば、申述をした家庭裁判所に取下げの申述をして相続放棄の申述を取り下げます。

相続放棄の受理が一度されてしまうと、以降相続放棄を取り消すのは非常に困難となるため、手続き中の方は一日でも早く取下げをした方がいいでしょう。

相続放棄が受理された後の取消し

相続放棄が受理された後は、それを取り消すことは基本的にはできません。

相続放棄の取消しは他の利害関係人への影響が大きいため、簡単には相続放棄を取り消すことはできない仕組みになっています。

例えば、配偶者と子1名が相続人であるときに、配偶者が相続放棄をすると子が相続財産の全てを承継しますが、5年後に配偶者が相続放棄を取り消すとなると、その瞬間に子が相続した遺産の2分の1を失うことになってしまいます。

あるいは、相続人が子1名であるケースにおいて、子が相続放棄をしたことにより被相続人の兄が相続財産を承継したところ、8年後に子が相続放棄を取り消してしまうと兄が相続する財産が無くなってしまいます。

相続放棄を取り消すことができるケース

相続放棄を取り消すことのできる主なケースは、詐欺によって相続放棄をしてしまった、あるいは脅迫されて仕方なく相続放棄をしてしまったようなケースです。

その他に、未成年者や成年被後見人が法定代理人の承諾を得ずに勝手に相続放棄をしてしまったようなケースも該当します。
 

勘違いによる撤回

借金が1,000万円、預貯金が200万円であったため相続放棄をしたけれども、実は借金が消滅時効により無くなっていたようなケースでは相続放棄を撤回することはできません。

相続人が相続放棄をする前に調べられたことであり、誰かが騙していたわけではなく単に勘違いしていただけだからです。

相続放棄の取消期間

相続放棄は、取り消すことができる人がいつまでもその取消権を行使できるとすると、利害関係人の権利関係が不安定である状態が続いてしまいます。

そこで、民法では相続放棄を取り消すことのできる期間が定められています。

  • 追認できる時から6ヶ月以内
  • 相続放棄をした時から10年以内

追認をできる時というのは、詐欺によって相続放棄をしたケースにおいては騙されたことを知った時のことをいい、脅迫によって相続放棄をしたケースにおいては脅迫されている状態を脱した時のことをいいます。

相続放棄の取消方法

相続放棄の取消しは、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述する方法により行います。この家庭裁判所は、相続放棄の申述をした家庭裁判所と同じ家庭裁判所です。

相続放棄の申述をした人あるいはその法定代理人が取り消しの申述を行うことができます。

この記事の著者

司法書士/相続診断士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士・相続診断士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

東京汐留相続サポートセンターでは
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相続に関する様々なサポートを行っております。


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