司法書士 石川宗徳の相続コラム

秘密証書遺言にもメリットはありますよ…?

 
遺言といえば、自筆証書遺言と公正証書遺言が取り上げられることがほとんどです。

しかし、この2つの他にも「秘密証書遺言」というものがあります。

このコラムでは、秘密証書遺言のメリット(ついでにデメリットも)について紹介しています。

秘密証書遺言とは

秘密証書遺言とは、その名のとおり秘密の遺言です。

何を秘密にできるのかというと、遺言の内容を秘密にすることができます。

秘密証書遺言は、遺言者が作成して封をした遺言を持って公証役場に行き、公証役場にて公証人、遺言者、そして証人2名が封筒に署名押印する方法によって作成をします。

>>>秘密証書遺言の作成方法

秘密証書遺言のメリット

秘密証書遺言も法律によってその方式が定められている以上、そのメリットがあります。

それでは秘密証書遺言のメリットを見てみましょう。

遺言の内容を秘密にすることができます

秘密証書遺言の最大の特徴は、遺言の内容を誰にも知られることなく作成することができる点です。

やはり、遺言の内容を内緒にしておきたいというニーズは一定数あります。
 

ちなみに…。

自筆証書遺言でも遺言の内容を秘密にすることはできます。

遺言をのこした記録が残ります

秘密証書遺言では、遺言の内容は秘密にできますが、遺言をのこしたことは公証役場の記録に残ります。

つまり相続人等が遺言者の死亡後に、公証役場で「遺言検索システム」を利用することにより被相続人が遺言を作成していたことを調べることが可能です。
 

ちなみに…。

公正証書遺言も、作成した記録が公証役場に残ります。そして、「遺言検索システム」を利用することにより検索することが可能です。

字を多く書けない人も作成できます

秘密証書遺言はパソコン等でも作成することが可能です。そのため、文字を書くことが難しい方でも作成することができます。

ただし、遺言書と封筒に署名(と押印)だけはする必要があります。
 

ちなみに…。

公正証書遺言は、公証人が遺言を作成するため全く文字を書けない人でも作成することが可能です。署名すら不要です。

偽造されるリスクが低い

秘密証書遺言は、封をされた状態で保存されるため、偽造される可能性は低いといえます。

なんと、家庭裁判所の検認手続きを経ずに勝手に開封すると、5万円以下の過料に処せられる可能性があります。
 

ちなみに…。

公正証書遺言は、原本が公証役場に保存されるため、偽造される、捨てられる、隠されるリスクがありません。

遺言の手数料が一定です

秘密証書遺言の公証役場での手数料は、遺言の内容に関わらず常に11,000円です。

公正証書遺言の手数料は、遺言に記載された財産の金額や受遺者の数によって変動します。例えば6,000万円の財産を妻に相続させる内容であれば54,000円の手数料です。
 

ちなみに…。

自筆証書遺言であれば、公証役場での手数料が発生することはありません。

秘密証書遺言のデメリット

遺言にも複数の選択肢がある以上、メリットがあればデメリットもある、のかもしれません。

秘密証書遺言のデメリットは次のとおりです。

遺言が発見されないかもしれません

秘密証書遺言の原本は、公証役場ではなく遺言者が保管するため、遺言が発見されないリスクがどうしても残ってしまいます。

「遺言検索システム」により秘密証書遺言があることは分かった、しかしその遺言書が見つからないということは十分にあり得ます。

手続きに費用と手間がかかります

公正証書遺言よりは安いとはいえ、11,000円の費用がかかります。さらに証人を用意するときに、証人に費用を支払うときもあります。

公正証書遺言の手続きとして、公証役場へ行くことと、証人2名を用意することは必須な事項です(公証役場で有償で用意してくれるところもあります)。

自筆証書遺言では、この費用と手間がかからないため、デメリットと感じる方もいらっしゃると思います。

また、手間としては、公正証書遺言とあまり差はありません。

遺言の内容に不備がある可能性があります

秘密証書遺言の最大の特徴が、遺言の内容を秘密にすることができる点にありますが、この反面、遺言の内容に不備があっても確認することができません。

「あの土地を長男に渡す。」と書かれていても、どの土地をどうするのかは判明しませんし、遺留分等に考慮していない遺言の場合は、遺言自体は有効であっても紛争のリスクがあります。

家庭裁判所の検認手続きが必要です

自筆証書遺言と同様に、秘密証書遺言も家庭裁判所の検認手続きが必要となってしまいます。

公正証書遺言であれば、この検認手続きは不要です。

公正証書遺言のすすめ

秘密証書遺言は、自筆証書遺言と公正証書遺言の間のような特徴・メリットがありますが、その中途半端さ故か、あまり利用されていない状況です。

遺言の内容をどうしても秘密にしたい、公正証書遺言よりは費用を抑えたい、遺言の内容や保管方法については自信がある、というような方であれば秘密証書遺言も選択肢の一つに入るのかもしれませんね。

しかし、遺言は遺言者が亡くなった後に修正・訂正することができません。

そのため、不備があれば遺言は無効となってしまうため、せっかく遺言をのこしてもその想いを実現することができません。もちろん、捨印もありません。

遺言は遺言者の想いを実現するためのものであり、公正証書遺言が最も無効となるリスクの低い方法ですので、当センターでも公正証書遺言の作成をお勧めしております。

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