司法書士 石川宗徳の相続コラム
相続人 養子は、養親の実子の相続人になることはあるのでしょうか。

相続人の特定は、相続という場面において非常に重要です。
相続人を間違ってしまったまま遺産分割協議をしてしまうと、後で遺産分割協議がやり直しになってしまいます。
相続人調査のため戸籍を見ていると、被相続人が養子縁組をしていたというケースを目にすることがあります。
養親に実子がいた場合、相続において何か影響があるのでしょうか。
このコラムでは、養子の養親に実子がいる場合の法定相続人について紹介しています。
養子縁組と法定相続人
養子縁組をすると、養親と養子の間に親子関係が発生します。
子は親の相続人となり、これは養子縁組をした養親と養子についても当てはまりますので、養子は養親の第一順位相続人となります。
また、養親は養子の第二順位相続人となりますので、養子に子や孫等の第一順位相続人が存在しなければ、養親は養子の財産を相続することになります。
兄弟姉妹と法定相続人
被相続人の兄弟姉妹は第三順位相続人です。
被相続人に子や孫等の第一順位相続人、親や祖父母等の第二順位相続人が存在しなければ、被相続人の兄弟姉妹が財産を相続することになります。
養親と養子の相続関係
養親と養子の関係は親子関係ですので、お互いに相続人となり得るのは前述のとおりです。
なお、普通養子縁組の場合は養子と実親、養親と実子の親子関係も切れませんので、養子に子や孫等の第一順位相続人がいなければ実親と養親ともに養子の相続人となります。
また、養親の財産は実子、養子ともに相続をします。
このときの相続分は、実子と養子で差はありませんので、実子1名、養子1名の場合はお互いに2分の1ずつ相続することになります。
実子と養子の相続関係
実子と養子がお互いの財産を相続することはあるのでしょうか。
養子縁組をすると、養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係が生じますので(民法第727条)、養子と養親の実子(養親の血族)の間にも親族関係が生じることになります。
そのため、実子と養子は兄弟姉妹関係になりますので、お互いに第三順位相続人として、(先順位の相続人が存在しなければ)お互いの財産を相続することができます。
同じ養親の養子同士の相続関係
同じ養親の養子同士も兄弟姉妹として、お互いに相続人となり得ます。
一人の養親Xに養子がそれぞれYZといたときは、Yの第三順位相続人として、Yに第一順位相続人も第二順位相続人も存在しなければ、ZはYの相続人としてYの財産を相続することになります。
この記事の著者
司法書士/相続診断士
石川宗徳
![代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]](https://www.shiodome.co.jp/js/wp-content/themes/shiodome/dist/img/mr.ishikawa_02.jpg)
1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士・相続診断士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)
2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。
2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。
また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。
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