司法書士 石川宗徳の相続コラム

事例で見る遺族年金 – 会社員の夫が亡くなり妻と子が残されたケース –

 

40代、50代の夫が亡くなった場合、専業主婦の妻や大学進学を控えた子にとっては遺族年金の受給は重要です。

今回は、一つの事例を取り上げて遺族年金を受給できるのかどうか、受給できるとした場合いくら受給できるのかを見て行きます。

会社員の夫が亡くなり妻と子が残されたケース

次のような事例を考えてみるとしましょう。

  • 夫Aさん(40歳) 会社員
  • 妻Bさん(40歳) 専業主婦
  • 子Cさん(15歳) 高校1年生(障害等級該当なし)

Aさんは22歳で大学卒業後ずっと甲社で働いていました。半年前より病気のため休職していましたが、容態悪化のため40歳で亡くなりました。

この事例で受給できる遺族年金はどのようなものがあるでしょうか。

 

国民年金とその種類

昭和60年の国民年金の大改正により公的年金は、自営業者、サラリーマン、専業主婦(夫)に関わらず全ての国民が国民年金の対象となりました。

 

自営業者等は第1号被保険者として国民年金に、サラリーマン等は第2号被保険者として国民年金・厚生年金に、専業主婦・夫(20歳以上60歳未満)は第3号被保険者として国民年金に加入しています。

 

遺族年金を受ける場合、亡くなった人がどの年金制度に入っていたかにより受給できる条件や年金額が変わってきます。

 

遺族基礎年金

遺族年金は、大きく分けて遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。

本ケースを見てみると、次の遺族基礎年金は次のとおりとなります。

保険料納付要件Aさんは、国民年金に加入していた20歳から22歳まで保険料を納付していました。

また、現在厚生年金に加入中であり未納もないことから要件を満たします。
受取人子のある配偶者の妻Bさんと子Cさんが該当しますが、この場合は妻Bさんが受け取ります。
支給額夫の厚生年金の4分の3に相当する金額です。給与・賞与の額や厚生年金に加入していた期間により金額は変わります。

夫Aさんは在職中に亡くなったため25年加入したものとして年金額を計算します。

 

遺族厚生年金

続いて、遺族厚生年金はどうでしょうか。

保険料納付要件遺族基礎年金と同じです。
受取人遺族基礎年金と同じです。
支給額夫の厚生年金の4分の3に相当する金額です。給与・賞与の額や厚生年金に加入していた期間により金額は変わります。

夫Aさんは在職中に亡くなったため25年加入したものとして年金額を計算します。

 

この事例では子Cさんは15歳ですが18歳の年度末になったときに、遺族基礎年金を受ける権利はなくなり、妻Bさんは遺族厚生年金のみを受けるようになります。

 

遺族年金のご相談は社会保険労務士へ

遺族年金は一度支給が決まったら生涯受取れるのではなく、妻Bさんが再婚をすると受取る権利はなくなります。また、妻Bさんが65歳になると自分の老齢厚生年金との選択が必要になるなど、状況により受取ることができる年金の種類や金額が変化します。

少しでも安心して生活していけるよう、場合によっては社会保険労務士などの専門家に相談をして先々を考えていきたいものです。

 

遺族年金のご相談は、年金の専門家である汐留社会保険労務士法人(03-6264-6680)が承っております。

 

最後に、遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給要件、対象者、年金額をご案内します。

 

遺族基礎年金

保険料納付要件▶被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上であり、保険料納付済期間と免除期間が加入期間の3分の2以上ある。

▶死亡日に65歳未満で死亡日の前々月までの直近1年間に保険料の滞納期間がない。
対象者▶死亡した者によって生計を維持されていた
(1)子のある配偶者
(2)子

※子は18歳年度末まで、または20歳未満の障害年金1・2級に該当する子
年金額▶779,300円+子の加算

子の加算=第1子・第2子各224,300円 第3子以降74,800円

遺族厚生年金

保険料納付要件▶被保険者の死亡、または被保険者期間中の傷病の初診日から5年以内に死亡したとき(保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上ある)

▶死亡日に65歳未満で死亡日の前々月までの直近1年間に保険料の滞納期間がない。

▶老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき

▶1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき
対象者死亡した者によって生計を維持されていた
(1)妻
(2)子、孫
(18歳の年度末までまたは20歳未満で障害年金の障害等級1・2級に該当)
(3)55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳から)

※ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できます。

※30歳未満の子のない妻は、5年間の有期給付となります。

 

この記事の著者

司法書士/相続診断士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士・相続診断士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

東京汐留相続サポートセンターでは
相続手続き遺言成年後見など、
相続に関する様々なサポートを行っております。


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