現金を毎年贈与し続けると、相続で否認されてしまうのでしょうか

   

相続対策として、現金の贈与があります。

ただし、ただ毎年お金を渡しているだけでは、いざ相続が始まった時にその贈与が否認され、相続財産に含まれ結果として意図しない相続税を支払うことになってしまうことがあります。

今回は贈与の際に気をつけるべき点をお伝えいたします。

ご相談内容

相続対策、早めに次の世代に財産を渡すためとして、現金を毎年贈与することを勧められました。

110万円以下であれば贈与税がかからないと聞いたのですが、一方で毎年贈与をしていると税務調査があった際に否認されて、相続税の課税対象に含められてしまうとも聞きました。

どの様にすれば良いのでしょうか。

贈与税について

贈与税は無償で財産を受け取った場合に課税されるものです(個人から個人に限る)。

ただし、受け取ったもの全てに対して申告を求めると多くの人が対象となってしまうため、申告を要しないボーダーラインとして1年に110万円までという基礎控除が設定されています。

この枠を計画的に使うことで、相続時に財産の総額を減らし税額をおさえることができる、というのが現金贈与の方法となります。

「贈与」とは

今回のケースでは、民法上の「贈与」が成立していなかったとみなされて否認される可能性についての話となります。

「贈与」は、民法上渡す側が「あげる」受け取る側が「もらう」と双方が意思表示することで初めて成り立つと規定されており、贈与税においてもこの規定に則ることと解釈されています。

取引自体は書面に限らず口頭でも成約し効力は生じますが、後ほど立証が難しくなってくるため、いかに双方の同意があったかの証拠を残し、実態に即しているかを注意する必要がございます。

贈与の注意点

では、贈与の関係を満たし、それを立証できるようにするためにどうすれば良いのか。ポイントは以下の4点となります。

  1. 契約書の作成
  2. 実際に振り込んでいるか
  3. 貰い手が自由に使っているか
  4. 贈与税の申告をしているか

1.契約書の作成

口頭でも契約は成立するものの、「贈与日、贈与者、受贈者、贈与する財産」等を明記しておくことで、客観的な資料として有用なものとなります。ただし、作って形だけになってしまわない様、実際にお金を受け渡すことが重要です。

2.実際に振り込んでいるか

贈与をする際に、タンス預金等から現金で渡した場合、「いつ・いくら・誰から受け取ったか」という記録が残らないため、後ほどの立証が難しくなります。

お互い銀行口座を使い振り込むことで、振込票や入出金明細を残せば、明確な証拠となります。

3.貰い手が自由に使っているか

契約書を作り、実際に振り込んでいても、その通帳やカード、印鑑等が手元になければ貰い手は自由にお金を使うことができません。

貰い手が使おうとすれば使える環境にあることを保証し、かつ、自分のためにお金を使うことで、贈与の関係が成立されていると考えられます。

4.贈与税の申告をしているか

受け取った額が、基礎控除の110万円以下であれば贈与税申告自体は不要となるものの、申告を通じて1年で受けた贈与の実績を残すことで、一つの立証となると考えられます。

ただし、民法上の贈与が成立しているか、という点とはあくまで無関係のため、申告だけでなく上記3つのポイントを押さえることがとても重要です。

まとめ

現金預金の贈与は、不動産等とくらべ贈与がしやすく、貰い手も使いやすいため良く行われる方法ですが、ただあげるだけでなく、しっかりと契約を結び、かつそのお金を有益に使えている実態が大変重要となります。

そのため、勝手に子の名前で作った通帳に入金しているだけの名義預金や、子供が複数人いた時に全員の残高が同じ様に推移している(4人とも毎年残高が110万円増えていて、減る様子がない残高が横一線になる贈与など)といった場合は否認の対象となり得るのでご注意ください。

贈与のきっかけは相続対策という面もあるかもしれませんが、次世代に早めに財産を移し、有益に使ってもらうことこそが重要なことと言えます。また、

贈与者・受贈者の年齢によっても一番良い方法は変わって参りますので、専門家へご相談いただくことをおすすめいたします。

私達はご相談者様に合わせたご提案をさせていただきます。

汐留パートナーズグループでは、司法書士・税理士によるワンストップでサービスが提供できる環境が整っており、こういった問題点も早急にご対応することが可能です。

ご不明な点やご要望等ございましたらお気軽にお問い合わせいただければと思います。

宮坂大修
 

このコラムを書いた人

 

宮坂大修

汐留パートナーズ税理士法人所属。将来を見据えた一番の解決策をご一緒に考えご提案させていただきます。

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