税理士の「3つの独占業務」とは?
2019年12月16日
今回は、税理士の3つの独占業務についてご紹介します。かなり複雑で少しマニアックなお話かもしれませんが、業界人として「税理士法」というものについても一定の理解が必要かなと考えています。
税理士法の規定
税理士法には以下のように規定されています。
税理士の業務
税理士は、法2条、で他人の求めに応じ、租税に関し(1)税務代理(法2条①一)、(2)税務書類の作成(法2条①二)、(3)税務相談(法2条①三)を行うことが定められており、法52条では、「税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行ってはならない。」として税理士業務の制限を規定している。
対象税目の範囲は包括的に規定されているが、専門的な知識や判断を要しない特定の税目や特定の地域だけを対象とする税目は業務の対象外とされている。
税理士の独占業務とは
独占業務、というと「独占」という響きがマイナスのイメージを連想させるように思いますよね。けれど、これは厳格に法律で定められていることで、特定の業務に関することで、特定の資格や免許を持っている人のみが行うことができる業務のことを指します。
すなわち、税理士の独占業務というのは、税理士のみが行うことを許された仕事です。もしも、それ以外の方が行った場合には法律違反となり罰則を受けることになります。
税理士の独占業務としては以下の3つの業務が挙げられます。それ以外の業務は税理士以外でも行うことは可能ですが、税理士としての知識が必要になる場合が多く、税理士へ依頼する場合が多くなります。
【税務代理】
税務代理とは、税務官公署に対して、租税に関する法令もしくは行政不服審査法に基づく申請や申告や請求、さらに不服申し立てなどの提出、報告、申出、申し立てなどの好意を税理士が代行して行うということをいいます。
納税者が税務官公署に対して行う様々なことを業務として代行することができるのは、税理士だけということです。
【税務書類の作成】
税務官公署に対しては、申告書や申請書などの様々な書類を提出されます。それらの書類は納税者自身が作成することもできますが、専門的な知識などが必要になることが多く、知識の少ない一般の方が書類を作成するのはかなり難しい事です。これらの書類に関しても、作成を税理士だけが業務として行うことができます。
【税務相談】
税務関連の申請書や税務申告書の作成を納税者が行う際に、相談に応じる業務は税理士しか業務として行うことはできません。
相談に応ずるとは、相談を受けて意見を述べたり、教示したりすることを指しますが、その内容は相談者の個別具体的な納税義務に係わるものであって、単に仮定の事例に基づいた計算や一般的な税法の解釈などは税理士業務としての税務相談には該当しないとされています。