税理士という仕事の歴史について
2021年4月20日
これから税理士になろうとしている皆様、税理士の歴史についてご存知でしょうか?
実は税理士になったメンバーや税理士を目指しているメンバーがRSM汐留パートナーズにもたくさんいますが、意外とこれらの歴史的背景については知らないということも多いようです。
今回は、税理士というお仕事の歴史についてご紹介します。
税理士が誕生するまで
税理士の大元の前身と言われているのが、税務代弁者です。明治時代に入ってから新たな税制が必要とされ、海外で取り入れられていた様々な税制が日本でも導入されるようになりました。
当時はまだまだ税務代弁者はいませんでしたが、1904年の日露戦争以降支払われる税金が増加し、税金に関わる専門家が必要とされ、そのような仕事を行う人達が増えていき、当時は法律などに詳しい弁護士や、国税従事者のOBや計理士などが税務代弁者として活動をしていました。
その後、税務代弁者の中に報酬を多大に受け取る悪質な存在が現れ始め、府県例などで規制が行われるようになりました。しかしながら、それらではまだまだ足りず、問題は解決できませんでした。
結局、国が税務代弁者の活動を取り締まるために動いたのは、1942年の税務代理士法の制定でした。これが、昨今の税理士の前身とされています。
税理士の誕生から現代の体制ができあがるまで
第二次大戦後に、日本は急激な近代化を遂げました。その中で、1957年に税制が自己申告方式である申告税制を取ることになりました。
しかしながら、その申告制は様々な知識が必要となるもので、納税者が満足な納税を行うためには代理者が必要でした。
そこで、日本では納税者の代理人制度として、1951年に税理士法を制定したことで、税務代理士から税理士という名称になり、現代まで続く税理士が誕生しました。
同時に、申告制度の中に、青色申告制度などが実施されるようになると、税理士に必要な能力などがかなり高くなること、ならびにそのような人材をいかに税理士として登用するのかということが懸念され、これまでは国が税務代理者として許可するだけでよかったものを、試験制度に改めて、税理士になる人間が人格的・能力的に必要な資質を備えるようにしました。
こうして、現在まで続く税理士という国家資格が誕生しました。
その後、税理士業務報酬の廃止が2002年の4月に決まり、それと同時に日本税理士会連合会が税理士の広告に関する規制を取っ払って、広告の自由化を行いました。
以上の歴史から分かることとしては、100年以上前から税金を代行する仕事は求められては来ましたが、現在の厳しい試験を経てなることのできる「税理士」という資格が誕生してからはまだ70年くらいしか経っていないということです。
国と納税者を専門知識で繋ぐ税理士はやはりやりがいがあり、市場価値や需要の高い職業だと思います。