平成23年税制改正大綱について【速報・抜粋】
- 2010.12.25
- ビジネスの話
平成23年税制改正大綱について抜粋したものを速報としてご紹介させていただきます。グループ法人税制など難しいところは割愛しておりますが、ご参考までに。
↑増税 ↓減税 →中立
(全般)
●税務調査の事前通知
・税務調査を行う場合にはあらかじめ事前通知を文章で行うことに。
・平成24年1月1日以後の調査から。
●更正の請求期間の延長 【重要】
・現行1年⇒5年に。
・平成23年4月1日以後に法定申告期限が到来するものから適用。
(法人税)
●税率の引き下げ ↓【重要】
・法人税率 現行30%⇒25.5%に。
・中小法人の軽減税率 現行22%⇒19%に。
・中小法人の特例措置 現行18%⇒15%に。
・平成23年4月1日以後開始する事業年度から適用。
●欠損金の繰越控除 ↑【重要】
・控除前所得の80%に控除を制限(連結納税も同様)。
・繰越期間 現行7年⇒9年へ延長。
・中小法人等については現行通り100%控除可能。
●減価償却制度 ↑【重要】
・平成23年4月1日以後に取得する減価償却資産の定率法の償却率
現行は定額法の償却率の2.5倍⇒2.0倍に。
●貸倒引当金の損金算入 ↑
・貸倒引当金の適用業種を縮小し、銀行・保険等の業種及び中小法人等に限定。
●寄付金の損金算入 ↑
・損金算入限度額 現行は資本金基準と所得基準の合計額の2分の1⇒4分の1に。
●グループ法人単体課税制度 →
・詳細は割愛。
●中間申告 →
・仮決算による中間税額が前事業年度の確定法人税額の12分の6を超える場合には、仮決算による中間申告書を提出できない。
●雇用促進税制↓
・雇用を10%以上増やした企業は1人20%の税額控除が可能。
●試験研究を行った場合の特別控除 ↑
・適用期限の到来をもって廃止。
(消費税)
●課税事業者の判定 ↑【重要】
・次に掲げる売上高が1000万円を超える場合、事業者免税点制度を適用しない。
①個人事業者の前年1月1日~6月30日の課税売上高
②法人の前事業年度開始の日から6ヶ月間の課税売上高
・上記の適用に当たっては、課税売上高の代えて給与等の支払額を用いることができる。
・平成24年10月1日以後に開始する事業年度から適用。
●課税売上割合が95%以上の場合の仕入税額控除 ↑ 【重要】
・当該課税期間の課税売上高5億円以下の事業者に限り、全額の仕入税額控除を適用。
・平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用。
(所得税)
●給与所得控除の見直し ↑ 【重要】
・年収1500万円超は245万円で頭打ち。
・高額報酬役員等は控除額をさらに1/2まで圧縮。
役員給与等の収入金額 |
給与所得控除額 |
2000万円超2500万円以下 |
245万円-2000万円超部分の12% |
2500万円超3500万円以下 |
185万円 |
3500万円超4000万円以下 |
185万円-3500万円超部分の12% |
4000万円超 |
125万円 |
・平成24年分以後の所得税について適用。
●退職所得課税の見直し ↑
・勤続5年以下の役員等、優遇廃止。
・平成24年分以後の所得税について適用。
●成年扶養控除の見直し ↑【重要】
・年収568万円超は廃止。
・扶養親族が学生、障害者など一定の場合は控除あり。
・平成24年分以後の所得税について適用。
●上場株式等の配当等に係る軽減税率の適用期限の延長 →
・10%の軽減税率の適用期限を2年延長(平成25年12月31日まで)。
●上場株式等に係る配当所得の大口株主等の保有割合の変更 ↑
・現行5%⇒3%に引き下げ。
・平成23年10月1日以後の配当等に適用。
(相続税)
●基礎控除の引き下げ ↑【重要】
・従来5000万円+1000万円×法定相続人の数
・大綱3000万円+600万円×法定相続人の数
●死亡保険金に係る非課税限度額 ↑
・同居していない成年の法定相続人は非課税枠の対象外。
●税率の引き上げ ↑
・2億円超の税率が引き上げ。
・最高税率が55%に。
現行 |
税率 |
改正後 |
税率 |
1000万円以下 |
10% |
1000万円以下 |
同左 |
3000万円以下 |
15% |
3000万円以下 |
同左 |
5000万円以下 |
20% |
5000万円以下 |
同左 |
1億円以下 |
30% |
1億円以下 |
同左 |
– |
– |
2億円以下 |
40% |
3億円以下 |
40% |
3億円以下 |
45% |
3億円超 |
50% |
6億円以下 |
50% |
– |
– |
6億円超 |
55% |
●未成年控除及び障害者控除 ↑
・相続税の未成年者控除、障害者控除の控除額引き上げ 現行6万円⇒10万円に。
(贈与税)
●税率(相続時精算課税制度以外) ↓
・20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた場合
現行 |
税率 |
改正後 |
税率 |
200万円以下 |
10% |
200万円以下 |
同左 |
300万円以下 |
15% |
– |
– |
400万円以下 |
20% |
400万円以下 |
15% |
600万円以下 |
30% |
– |
– |
1000万円以下 |
40% |
1000万円以下 |
30% |
1000万円超 |
50% |
1500万円以下 |
40% |
– |
– |
3000万円以下 |
45% |
– |
– |
4500万円以下 |
50% |
– |
– |
4500万円超 |
55% |
・上記以外
現行 |
税率 |
改正後 |
税率 |
200万円以下 |
10% |
200万円以下 |
同左 |
300万円以下 |
15% |
300万円以下 |
同左 |
400万円以下 |
20% |
400万円以下 |
同左 |
600万円以下 |
30% |
600万円以下 |
同左 |
1000万円以下 |
40% |
1000万円以下 |
同左 |
1000万円超 |
50% |
1500万円以下 |
45% |
– |
– |
3000万円以下 |
50% |
– |
– |
3000万円超 |
55% |
●相続時精算課税制度 ↓
・受贈者の範囲に20歳以上である孫を追加(現行は推定相続人のみ)。
・贈与者の年齢要件を60歳以上に引き下げ(現行は65歳以上)。
・平成23年1月1日以後の贈与について適用。
(その他)
●環境税の導入 ↑
・石油石炭税の税率上乗せ。
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