汐留パートナーズグループCEO 公認会計士前川研吾のブログ

本日からしばしハワイに出張します

本日からハワイに飛びます🌴

ハワイでは会食が予定されていて、重要なミッションがあります。ハワイ不動産オーナーのために日米税務処理に関して新たな取り組みをスタートしたいと考えています。

一方できれいな海を見たり、バイタリティーある人達とのふれあいがあったり、エネルギーをもらって帰ってきます。

2017年はあまり海外に出張する機会は多くなかったのですが、海外でふとした瞬間に新しいビジネスのアイディアが生み出されるものです。

やはり環境をたまに変えることはとても良いようです。しばし留守にして皆様にご迷惑をおかけすると思いますが有意義な出張にしてこようと思います。

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ダーウィンの進化論から学ぶ会社経営

最も強い者だけが生き残るのではなく、最も賢い者だけが生き残れるのでもない。唯一生き残るのは変化できる者である。
ダーウィンの進化論より。

先月もご紹介させていただきました。環境がめまぐるしく変化しています。最近若くても自分の環境を変えたくないっていう人が結構います。

会社においても個人においても、環境は常に変化しています。特にこの数年めちゃくちゃ変化していると思います。私もそんなに長く生きていないのであまり説得力ないかもしれませんが・・・すごくそう思います。

ダーウィンの進化論の本『種の起原』を読む必要はありませんが、環境変化に適応するために今何をすべきかを意識することはすべてのビジネスマンにとって重要であるといえます。

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VALUでのビットコイン取得・VA売買・資金調達等の税務処理

ビジネスの話

1.VALUとは何か?

VALUは「バリュー」といい、株式会社VALU(代表取締役小川晃平氏)によって運営されているフィンテックサービスのことをいいます。個人がまるで株式会社であるかのように、VAと呼ばれる疑似的な株式を発行することにより、資金調達をすることができます。

VALUのウェブサイトでは、『あなたの価値をVALUでシェア~だれでも、かんたんに、あなたの価値をトレード。ビットコインを用いたマイクロトレードサービスです。~』とあります。私は個人としては売り出したくないので、VALUで自分のVAを公開したりはしませんが・・・。VAの発行者数は2017年7月21日に約1万2000人と報道されたとのことです(ロイター通信ニュース)。

VAを購入した人は、購入したVAを売ることもできます。自由に売買ができるようになっています。このVAの取引、すべてビットコインを用いて行われているとことが特徴です。

ただ、まだまだ規制ができていなくて、2017年8月には人気YouTuberのヒカル氏が、自分のVA価格がつり上がるように注目を集める投稿をTwitterなどで続けて、そのあとに、自分が保有するすべてのVAを前日の終値(ストップ高)で売却したというニュースが報じられ、VALU側も急いで対応をしている状況です。

株式市場とかで同じことをすることなんて、まずありえないし逮捕されますよね。まだまだ法整備ができていなくてこれからというモノであります。

2.VALUでVAを売買した時の税務

(1)VALUでVAを購入した場合

VALUではビットコインでVAを購入することになります。ビットコインでVAというモノを購入することになる場合、この段階でいったんビットコインの利益確定が行われたと考えられます。

(例)取得価額10万円のBTCが時価50万円であるときに、50万円分の個人VAを購入した
⇒この場合には、50万円-10万円=40万円が利益確定による所得に含まれます。

なお、ビットコイン等の仮想通貨を保有して評価益が生じているだけでは課税されないのと同様に、保有しているVAの時価が変動することによる評価益については課税対象とはなりません。

(2)VALUでVAを売却した場合

VALUでVAを売却した場合にはビットコインが手に入ります。VAはモノですので、VAの売却による所得は譲渡所得(総合課税)になると思われます。VAが税法上何なのかという点がまだ明確ではないのですが、現時点では有価証券ではありませんので、モノの譲渡=譲渡所得という整理になるのだと思います。

(例)取得価額100万円のVAが時価200万円であるときに売却した
⇒この場合には、譲渡所得=200万円-100万円-50万円(※)=100万円
が所得に含まれます。
 ※譲渡所得の特別控除の額として50万円を引くことができます。

国税庁タックスアンサー No.3152 譲渡所得の計算のしかた(総合課税)1 総合課税の対象となる譲渡所得

土地建物や株式等を売った場合を除き、資産を売ったときの譲渡所得は、給与所得や事業所得などの所得と合わせて総合課税の対象となります。

この総合課税の譲渡所得は、取得したときから売ったときまでの所有期間によって長期と短期の二つに分かれます。長期譲渡所得となるのは、所有期間が5年を超えている場合で、短期譲渡所得となるのは、所有期間が5年以内の場合です。ただし、次の四つの場合には、所有期間が5年以内の場合でも長期譲渡所得となります。

(1) 自分が研究して取得した特許権や実用新案権などの工業所有権
(2) 自分が著作した著作権
(3) 自分で発見した鉱山などの採掘権
(4) 自分の育成による育成者権

2 譲渡所得の計算

総合課税の譲渡所得の金額は次のように計算し、短期譲渡所得の金額は全額が総合課税の対象になりますが、長期譲渡所得の金額はその2分の1が総合課税の対象になります。

譲渡所得の金額 = 譲渡価額 - (取得費(注1) + 譲渡費用(注2))-50万円(注3)

(注)
1 取得費とは、一般に購入代金のことです。このほか、購入手数料や設備費、改良費なども含まれます。ただし、使用したり、期間が経過することによって減価する資産にあっては、減価償却費相当額を控除した金額となります。
2 譲渡費用とは、売るために直接かかった費用のことです。
3 譲渡所得の特別控除の額は、その年の長期の譲渡益と短期の譲渡益の合計額に対して50万円です。その年に短期と長期の譲渡益があるときは、先に短期の譲渡益から特別控除の50万円を差し引きます。なお、譲渡益の合計額が50万円以下のときは、その金額までしか控除できません。

URL:https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3152.htm

3.VALUで資金調達をした時の税務

VA公開して個人株上場をして資金調達をした場合の税務の取り扱いはどのようになるのでしょうか?こちらについては、VA公開によりビットコイン(BTC)を手に入れているので利益を得ているものと考えられます。

現時点では、ICOやVALUに関する会計基準や税法自体が全く決まっていないので個人的な考えになりますが、VA発行により得た収入からVA発行によりかかった費用を差し引いた、VA発行による利益を計算する必要があることでしょう。

この個人の利益は所得となると思いますが、その課税区分については、雑所得・事業所得あるいは譲渡所得か・・・。一方で「そもそも資金調達してこれから事業を行うのに、いったん課税されちゃうのか!?しかも50%も!」という素朴な疑問があろうかと思います。

もしかすると、この人に頑張ってもらいたいっていう意味を込めて寄付をするものであるという考え方もあるかもしれません。その場合には贈与税の範疇に入ってくるかもしれません。いずれにしても早期の税制の整備が望まれるところです。

※この記事は2017年11月15日時点の情報に基づいています。

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ビットコイン等の仮想通貨の利益が事業所得になる場合とは?

ビジネスの話

1.仮想通貨の取引等の所得区分は事業所得になるか?

2017年9月6日に国税庁のHPにおいて仮想通貨取引に関するタックスアンサーが公表されました。その中で、「事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き」とありました。こう書かれますと、何とか雑所得ではなく事業所得で申告をしたいという方々は、この論点について深く検討したいと思うことでしょう。

さて、ビットコイン等の仮想通貨の取引から得られた所得が事業所得に区分される場合はどのような場合なのでしょうか。これまで、仮想通貨の取引から生じる利益は原則として雑所得にあたると解説させていただきました。そして、雑所得は最も納税者にとって過酷な所得区分でありまして、節税が困難になります。

では、仮想通貨の取引が事業所得となるとどんなメリットがあるでしょうか?仮に仮想通貨の取引が事業所得となった場合には、以下のようなメリットがあります。

①事業所得から生じてしまった損失は、給与所得や不動産所得などの他の所得と損益通算できる
②①で損益通算してもまだ残った純損失については3年間繰越しをすることができる
③青色申告特別控除(65万円又は10万円)を利用して所得を圧縮することができる
④青色事業専従者として届出をしたうえで親族に給与を支給することで経費にすることができる

したがって、仮想通貨の取引をある程度本腰入れて取り組んでいる皆様の関心が極めて高い論点だと思いますので、以下ではビットコイン等の仮想通貨の取引から生じる利益が事業所得となるケースについてみていきたいと思います。

2.事業所得となるための要件とは?

雑所得か事業所得かという所得区分についての論点は大昔から日本においてバトルされている古典的論点です。例えば、
・趣味のようなレベルのゴルフスクールを事業にしたい(ゴルフ道具を経費で落としたい・・・)
・趣味のようなレベルのオークションでの商品販売を事業にしたい(パソコン代など経費で落としたい・・・)
・趣味のようなレベルの料理教室を事業にしたい(食材を経費で落としたい・・・)
と考えた先人は数知れず。結論から申し上げますと趣味だとだめです。趣味が実益を兼ねていても趣味だとだめというのが我が国におけるルールです。

しかし、これらについて事業所得で申告し、その後仮に税務調査が入らなくて、そのままというケースの場合、決してその処理が正しかったとは言えませんので注意が必要です。たまたま税務署の職員の目に触れる機会がなかっただけです。したがって、事業所得となるかどうかについては、しっかりと要件ごとに検討を行う必要があることでしょう。そして、最終的には総合的な判断となることでしょう。

個人で営む事業が趣味のレベルを脱していなくて「雑所得」として簡易な扱いを受けるのか、あるいは、ちゃんと事業規模であるとして認められ「事業所得」となるのかで、かなり税務的な特典が異なります。個人で営む事業の所得が事業所得となり、個人事業主となりえるためには、次のような要件を満たすことが必要です。

事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、
①営利性・有償性の有無
②継続性・反復性の有無
③自己の危険と計算における事業遂行性の有無
④その取引に費やした精神的・肉体的労力の程度
⑤人的・物的設備の有無
⑥その取引の目的
⑦その者の職歴・社会的地位・生活状況
などの諸点を総合して、社会通念上事業といい得るか否かによって判断する。

(最高裁判所昭和56年4月24日第二小法廷判決(昭和52年(行ツ)第12号所得税更正処分取消請求上告事件、以下「昭和56年最高裁判決」という。)及び平成11年10月15日裁決(名裁(所)平11第18号)で示された事業所得にあたるかどうかの基準)

3.仮想通貨の取引が事業所得となるためにはどうすればよいか?

仮想通貨の取引が事業所得となるためには上述した要件を満たす必要があります。すべて満たさなくても良いのですが、最後は総合的な判断です。これはケースバイケースですので一概にはお示しできません。よって、1つ1つの要件をしっかり満たしていくことが無難であります。

(1)営利性・有償性の有無

この要件に関しては、仮想通貨取引を行う方々営利を目的として資金を投下して仮想通貨の取引を行っているので要件を満たすことはできるケースが多いと思われます。裁決事例を見ても、この営利性・有償性でNGとなっているケースは少ないようです。仮想通貨取引を行う方々は利益を求めて行っていると思いますので、この要件はクリアできると思います。

(2)継続性・反復性の有無

この要件に関しては、単に思い立った時や休み時間に仮想通貨の売買や使用を行うだけでは要件を満たすことは難しいと思われます。何度何度も、それも数カ月ではなく数年間繰り返し儲けのために取引をして、そして、それを継続する必要があります。「数年間」といわれても、まだ仮想通貨元年の2017年でございますので、そのあたりの期間については今後判断されていくことでしょう。

(3)自己の危険と計算における事業遂行性の有無

この要件に関しては、自らの貴重な資金を投下して自分のリスクで仮想通貨の取引を行うことが必要です。また、「事業遂行性」ということから副業の範囲を超えて事業として仮想通貨の取引を遂行する明確な意思が必要になると思われます。追って裁決事例を見ますが、「副業であるか否か」が結構重要なポイントです。それにあたってこの要件も関連してまいります。

(4)その取引に費やした精神的・肉体的労力の程度

この要件に関しては、一定の精神的・肉体的労力が必要であるという要件であるため、ワンショットで大きく仮想通貨で儲けたというケースや、中長期保有で仮想通貨を購入して寝かしておきたまに売買するというケースのように、精神的・肉体的労力がさほどかからない場合では要件を満たさないことでしょう。追って裁決事例を見ますが、「副業であるか否か」が結構重要なポイントです。それにあたってこの要件も関連してまいります。

(5)人的・物的設備の有無

この要件に関しては、例えば人を雇用して仮想通貨の取引を組織的に行ったり、仮想通貨の取引の事業のために必要なトレードのためのオフィスや充実したモニター・PC等を準備して事業を行ったりすることが求められます。裁決事例では施設や人の雇用が必要であるとされています。個人的には、IT業界はそもそもオフィスも人も最小限で、パソコンが1台あればスタートできるという事業ですので違和感があります。

(6)その取引の目的

この要件に関しては、仮想通貨の取引の目的が単なる趣味、勉強、研究等ではなく、それを生活の基盤として本気で利益を獲得することを目的としているかという点です。(7)にも関連します。

(7)その者の職歴・社会的地位・生活状況

この要件に関しては、仮想通貨による取引が副業ではなく主たる事業であるといえる者であって、その事業からの収入により生活の基盤が確保されていることなど、また、仮想通貨の取引に関する書籍の出版、ブログの執筆、セミナーの開催など客観的な活動が存在していることなどが求められます。

4.事業所得ではなく雑所得になってしまった国税不服審判所の裁決事例

実際に、事業所得として認められず、雑所得になってしまった国税不服審判所の裁決事例を見ていくことにより理解が深まると思います。もちろん仮想通貨に関連する国税不服審判所の裁決事例や判例はありません。あくまで部分部分を参考にしていただければ幸いです。

(1)請求人は貸金業の登録はしているものの、請求人の金銭の貸付行為は、営利を目的とした社会通念上の事業として行われているとは認め難いとした事例

裁決事例集 No.44 – 41頁:平成4年12月9日裁決

金銭の貸付行為が所得税法上の事業に該当するか否かは、その貸付先との関係、貸付けの目的、貸付金額、貸付利息の収入状況、担保権設定の有無、貸付資金の調達方法、貸付けのための広告宣伝の状況その他諸般の事情を総合して判断すべきであると解されるところ、請求人は貸金業の登録はしているものの、[1]貸付先は、請求人が大株主で代表取締役をしている同族法人2社のみであり、担保権の設定等貸付金の保全措置を講じていないこと、[2]貸付金に係る受取利子の金額よりも当該貸付資金調達のための借入金に対する支払利子の金額が多額であること、[3]事業所と称する程度の店舗を有していないこと及び[4]金融業の看板の掲示及び広く一般に顧客を求めるための広告宣伝を行ったことを証明するに足る証拠がないことから、請求人の金銭の貸付行為は、所得税法上の事業には該当しない。

上記の国税不服審判所の裁決事例によりますと、要件①営利性・有償性の有無、要件②継続性・反復性の有無、要件⑤人的・物的設備の有無、要件⑥その取引の目的などに照らして、事業所得とは認められていません。

(2)有価証券の売買による所得が事業所得ではなく雑所得であるとした事例

裁決事例集 No.21 – 19頁:昭和55年11月3日裁決

株式の取引が事業に当たるか否かは、一般社会通念に照らして判断するほかはないが、そのためには事業としての社会的客観性が問われるべきであり、この観点からすれば、その取引の種類、取引におけるその者の役割、取引のための人的、物的設備の有無、資金の調達方法その他諸般の状況等を総合勘案して判断すべきものであり、単に所得税法施行令第26条第2項各号に規定する株式の売買回数及び売買株数を充足しているだけでは足りず株式のために投下若しくは動員された資金の額及び人的物的設備等が相当程度の規模によっていることを要すると解されるところ、請求人の株式取引のために費やした精神的、肉体的労力の程度、取引のための資金調達の方法、その人的、物的設備の組織的な利用状況、請求人の社会的地位等から判断して、本件の株式取引は事業に当たるとする社会的客観性を有しているものとは認められないので、当該株式取引から生じた損失の額を、雑所得を生ずべき営利を目的とした継続的行為から生じた損失の額と認定した原処分は適法である。

上記の国税不服審判所の裁決事例は、仮想通貨の取引においてもかなり参考となるものです。裁決事例においては、要件③自己の危険と計算における事業遂行性の有無、要件④その取引に費やした精神的・肉体的労力の程度、要件⑤人的・物的設備の有無、要件⑥その取引の目的、要件⑦その者の職歴・社会的地位・生活状況などに照らして、事業所得とは認められていません。

人的・物的設備がなくとも仮想通貨の取引は十分にできますので、このような昭和55年の裁決事例が現在ではどの程度有効なものなのかはわかりかねますが、要件について検討する際のポイントの1つにはなることでしょう。

(3)有価証券の売買及び商品先物取引により生じた損失を雑所得を生ずべき業務から生じた損失の額と認定した原処分を適法とした事例

裁決事例集 No.38 – 36頁:平成元年12月25日裁決

一定の具体的取引行為が「事業所得を生ずべき事業」に該当するか否かは、結局一般社会通念に照らし当該取引が事業として行われているか否かによって決せられるべきものであるが、有価証券の売買及び商品先物取引は投機性の強いものであるから、その判断においては、単に当該取引の営利性、有償性、継続性及び反復性の有無のみならず、事業としての客観性の有無が問題とされるべきであり、この観点からは、当然にその取引のための人的・物的設備の有無、資金調達方法、取引に費やした精神的、肉体的労力の程度、その者の職歴、社会的地位などのほか、当該取引によって相当期間継続して安定した収益を得られる可能性があるかどうかについて考察せざるを得ないものというべきである。
本件において、請求人が、長期間にわたって有価証券の売買及び商品先物取引を大規模、かつ、継続的に反復して行っていたことが認められ、取引に費やした精神力、肉体的労力の程度も軽視し難いものがあったことは認められるものの、請求人は大規模な病院を経営し、その傍ら本件有価証券の売買及び商品先物取引を行っていたものであり、結局、請求人の趣味と実益を兼ねた投機により損失を被ったにすぎないから、本件有価証券の売買及び商品先物取引は、いまだ社会通念上事業と認められるに足りるものとはいえず、所得税法上の事業には該当しないものというべきであり、したがって、本件有価証券の売買及び商品先物取引から生じた損失を雑所得を生ずべき業務から生じた損失の額と認定した原処分は適法である。

上記の国税不服審判所の裁決事例は、仮想通貨の取引においてもかなり参考となるものです。裁決事例においては、各種要件について総合的に検討していますが、「相当期間継続して安定した収益を得られる可能性があるかどうか」についても触れられています。そういわれてしまうと、有価証券もFXも仮想通貨も競馬も何もかもが安定した収益を得られる可能性があるとはいいがたいものです。ですが、これほど事業環境が激変する昨今において「安定した収益を得られる可能性がある」と言い切れるビジネスなどあるのでしょうか。

上記裁決事例においては、「長期間にわたって有価証券の売買及び商品先物取引を大規模、かつ、継続的に反復して行っていたことが認められ、取引に費やした精神力、肉体的労力の程度も軽視し難いものがあったことは認められるものの」とちゃんとそれを検討した上で、病院経営者であるということから非常に厳しい判断をしています。「請求人の趣味と実益を兼ねた投機により損失を被ったにすぎない」とまで言い切っています。

この裁決事例においては何か別で考慮すべき内容があったのではないでしょうか。この裁決事例を読む限りは、ほとんどの仮想通貨の取引は、副業レベルでは事業所得とならないと読めるのですが、少々極論な裁決事例であるという感想です。平成元年の裁決事例ですが、昨今副業が少しずつ市民権を得ています。時代背景はこの裁決事例の時からだいぶ変わっているといえます。

(4) 商品先物取引の所得について、事業所得ではなく雑所得に当たるとした事例

裁決事例集 No.18 – 17頁:昭和54年5月31日裁決

請求人の商品先物取引は、取引回数、取引数量等からみると、営利性・有償性及び継続性・反復性が認められるが、それが事業というためには、更に事業としての社会的客観性を要するものと解されるところ、商品の先物取引は投機性の強いものであって本来事業になじみ難い性格を有すること、請求人は生活の資のほとんどを畳製造業からの所得により得ていたこと、商品先物取引は商品取引所取引員所属の外務員の勧奨を受けて始め、その助言を受けて行っていたこと、商品の先物取引を行うために特別の人的物的施設を設けていなかったこと、必要経費も当該取引に直接要した費用以外に通常事業に付随する必要経費をほとんど要しなかったこと等の諸点を総合勘案すると、請求人の商品の先物取引程度のものは、一般社会通念に照らし、いまだ事業とは認められないものと解するのが相当である。

上記の国税不服審判所の裁決事例によりますと、要件①営利性・有償性の有無、要件②の継続性・反復性の有無は満たしていても、要件⑤人的・物的設備の有無、要件⑥その取引の目的、要件⑦その者の職歴・社会的地位・生活状況などに照らして、事業所得とは認められていません。

上記をそのまま読むと、仮想通貨の取引を行うためには、オフィスを賃貸して、人を雇用する必要があると示唆しています。もっぱら、そのようなことをしなくてもビジネスができる世の中になってきたのではと思うのですが・・・。IT業界なんてそもそもオフィスも人も最小限でスタートできるというのがポイントですので違和感があります。昭和54年の裁決事例です。

(5) 商品先物取引により生じた損失の所得区分は雑所得に属するとした事例

裁決事例集 No.35 – 19頁:昭和63年6月30日裁決

請求人は、本件商品先物取引に係る所得は、[1]営利性、有償性、[2]継続性、反復性、[3]自己の危険と計算による企画遂行性、[4]精神的、肉体的労力の程度、[5]人的、物的設備、[6]資金調達方法及び[7]職業、経歴及び社会的地位からみて事業所得であると主張するが、請求人の社会的地位(商品先物取引が禁止されている登録外務員であり、かつ、商品先物取引業を営む会社の役職ある地位にある)及び商品先物取引が一般的に極めて投機性の強い射こう的な取引であって、元来、事業としてなじみ難い取引であること等から総合的に判断すれば、本件商品先物取引は所得税法にいう対価を得て継続的に行う事業とは認められず、本件商品先物取引に係る損失は、雑所得に属する。

上記の国税不服審判所の裁決事例によりますと、要件⑦その者の職歴・社会的地位・生活状況により、そして、商品先物取引が一般的に極めて投機性の強い射こう的な取引であって、元来、事業としてなじみ難い取引であることから、事業所得として認められず雑所得となっています。商品先物取引も仮想通貨取引もその点では一緒です。

「商品先物取引が禁止されている登録外務員であり、かつ、商品先物取引業を営む会社の役職ある地位にある」というところは、法律違反ではあるもの税法違反ではないと思うので、この論点が持ち出されている事には若干違和感を覚えますが、総合判断ということなのでしょう。

(6) 本件競走馬の保有等は事業所得の基因となる事業に当たらないとした事例

裁決事例集 No.39 – 69頁:平成2年2月2日裁決

請求人の保有する競走馬の頭数は各年分とも極めて少なく、また、競走馬の保有等に係る所得は、請求人が自らこれを申告し始めた年分以降、損失を計上するのみであったことからみると、請求人が競走馬の保有等により継続的に相当程度安定した収益を得ていたものということはできず、むしろ請求人が代表取締役を務める会社からその地位に基づいて受ける給与収入により生計を賄っていたことが明らかであること等からすると、請求人の競走馬の保有等は、事業所得の基因となる事業といえるための諸要素を欠くものというほかなく、いまだ所得税法施行令第63条第12号の定める「対価を得て継続的に行う事業」とはいえないというべきである。

上記の国税不服審判所の裁決事例によりますと、主に要件⑥その者の職歴・社会的地位・生活状況などに照らして、事業所得とは認められていません。「競走馬の頭数は各年分とも極めて少なく」とありますが、一頭所有するだけでもかなり大変だと思うのですが・・・。

実は、「競走馬の保有等に係る所得は、請求人が自らこれを申告し始めた年分以降、損失を計上するのみであった」という部分がとても重要なのだと思います。ずっと損失というのは事業としては認められないという点がポイントでしょう。

(7)本件競走馬の保有は事業所得の基因となる事業に当たらないとした事例

裁決事例集 No.62 – 65頁:平成13年9月14日裁決

請求人は、本件競走馬の保有に係る所得は事業所得に該当すると主張する。
しかしながら、競走馬の保有に係る業務が所得税法第27条第1項にいう事業に該当するかどうかは、単に、その営利性、有償性、継続性、反復性の有無のみならず、業務に費やした精神的・肉体的労力の程度、業務のための人的・物的設備の有無、投下資本の調達方法、その者の職業(職歴)、社会的地位、生活状況及び当該業務から相当程度の期間継続して安定した収益が得られる可能性が存するか否か等を総合的に検討し、一般社会通念に照らして判断するのが相当であるところ、平成6年から平成10年までの間における請求人の保有する本件登録馬の頭数は、登録期間が6月以上のものは1頭ないし3頭と少数である上、請求人は、本件競走馬の保有に当たり、特別な事業所や設備は設置していなく、請求人は、専属の従業員も雇用しておらず、その管理運営は専ら第三者に委託していること、請求人は、主として建設工事業の業務に基づく所得により生計を賄っていたこと、請求人の本件競走馬に係る所得は、平成10年分こそ利益を計上したが、平成5年分ないし平成9年分は専ら損失の金額を計上するのみであったこと等からすると、本件競走馬の保有は、事業所得の基因となる事業といえるための諸要素を欠くものというほかなく、いまだ所得税法施行令第63条第12号に規定する「対価を得て継続的に行う事業」とは認められないというべきである。

上記の国税不服審判所の裁決事例も非常に厳しい内容です。1頭から3頭では少ないと言い切っており、また、設備はともかく従業員を雇用する代わりに第三者に業務委託をしているところを指摘されてもいます。人を採用せず業務をアウトソースすることは至極当然だと思うのですが。

興味深いのは、「平成10年分こそ利益を計上したが、平成5年分ないし平成9年分は専ら損失の金額を計上するのみであった」というところでして、5年間赤字の後やっと黒字になったのですが、そのストーリーというのはすごく自然であって、先行投資をしていたのかなとポジティブに解釈しうるケースもあると思います。ただ、本件総合的な判断により、事業所得とは認められていません。

判例には、「諸点を総合して」と、また、「社会通念上」とあります。したがって、形式上すべてを満たしても事業所得として認められないケースもありますし、すべてを満たしていなくても総合的判断により、事業所得として認められるケースもあろうかと思います。

やはり個人的には、副業レベルで仮想通貨の取引を行っている方でしたら、上記の要件についてかなり理論武装しておかない限りは、その取引から生じる利益が事業所得と認められないものと考えられます。「仮想通貨の取引等に関する所得が雑所得か事業所得か」という裁判の判例もいつかは出てくることでしょうが、しばらくは曖昧で個別判断な時代が続くものと思います。ただし、これらの裁決事例の多くはかなり昔のものになります。新たな解釈等が表れても不思議ではないかなと思います。

※この記事は2017年11月15日時点の情報に基づいています。

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組織に横串を入れる

ビジネスの話

組織に横串を入れることはとても重要です。部門の垣根を取り払って連携するためには不可欠ではないでしょうか。また、グローバル化が進み経営の意思決定が迅速化していくにあたって事業部門以外にこのような活動ができる部門は不可欠だと思います。

汐留パートナーズには以下の4つの室が存在しています。

●人材戦略室

【ミッション】
当社グループのビジネスにおいては「人」がすべてである。マネジメントのビジョンを理解し、経営目標の達成のために必要な人材を外部から招き入れ、教育し、組織を作り上げ会社の成長に貢献することをミッションとする。

●品質管理室

【ミッション】
重要な品質問題や部門横断的な品質問題に対する統括的な調整と対策フォローの実施、また、顧客クレームやビジネスリスクに対する迅速な対応を行うことで会社の成長に貢献することをミッションとする。

●営業戦略室

【ミッション】
会計税務部・人事労務部・法務部、そして、コンサルティング事業部の4部門が有機的に結合し、途切れることのない営業成果を上げるべく、そのための営業戦略の策定及び実行を通じて会社の成長に貢献することをミッションとする。

●国際事業戦略室

【ミッション】
クロスボーダーにビジネスが展開される時代ゆえ、すべての部門で国際的な感覚を有することが重要となる。インバウンド・アウトバウンドの両方について、常に時代の流れを読み国際事業戦略を策定し、また、すべての部門が今後の世の中のグローバル化に対応できるような土壌作りを行い会社の成長に貢献することをミッションとする。

有機的に各事業部とこれらの室が連携することでさらに会社が飛躍すると確信しています。

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汐留パートナーズが投資している仮想通貨など

ビジネスの話

汐留パートナーズでは仮想通貨取引に関するご相談を良くいただいております。そのため、自社でも投資を行っており、ビットコインをはじめとした仮想通貨については日々実体験を通じて勉強中です。またICOについても継続的にウォッチしてまいります。

現在汐留パートナーズは、BTC(ビットコイン)、ETH(イーサリアム)、XRP(リップル)、XEM(ゼム)の4種類。これに加えてCOMSA(コムサ)のICOです。

汐留パートナーズは法人なので法人の会計処理・税務処理を行うこととなります。「仮想通貨の会計処理-ASBJが11月頃に公開草案を公表予定」と出ておりましたが、本日現在はまだ出ていないようです。会計処理上、含み損益について会計処理を行うのではないかと予想しますが、一方で税務上はその処理については出ないでしょうし、また担税力もないので益金不算入・損金不算入ではないでしょうか。

また、世界のブロックチェーン業界において2017年6月時点で、過去12ヶ月間のICO(Initial Coin Offering – 仮想通貨発行による資金調達手法)による資金調達総額がベンチャーキャピタルからの資金調達を大幅に上回ったとのことです。

ICOの会計処理や税務処理もいまだ決まっていません。ICOをして調達した金額がいったん益金になり課税されると・・・最悪の状態です。いずれにしても会計基準や税法が予定していないものが世の中にどんどん出てきていますね。

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世界ランキングTOP時価総額2017年11月24日メモ

ビジネスの話

世界ランキングTOP5時価総額。後学のために上位を再度確認。

1位 アップル(Apple)873億ドル アメリカ
2位 アルファベット(Google)712億ドル アメリカ
3位 マイクロソフト(Microsoft)641億ドル アメリカ
4位 アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)532億ドル アメリカ
5位 フェイスブック(Facebook)522億ドル アメリカ
6位 アリババ・グループ・ホールディング(Alibaba Group Holding)467億ドル 中国
7位 バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)461億ドル アメリカ
8位 テンセント・ホールディング(Tencent Holding)421億ドル 中国
9位 ジョンソン&ジョンソン(Johnson & Johnson)374億ドル アメリカ
10位 JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)354億ドル アメリカ
11位 エクソン・モービル(Exxon Mobil)353億ドル アメリカ
12位 中国工商銀行(Industrial and Commercial Bank of China)341億ドル 中国
13位 サムスン電子(Samsung Electronics)340億ドル 韓国
14位 バンク・オブ・アメリカ(Bank of America) 285億ドル アメリカ
15位 ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo) 278億ドル アメリカ
16位 中国建設銀行(China Construction Bank) 271億ドル 中国
17位 ロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell) 261億ドル オランダ
18位 ウォルマート・ストアーズ(Wal-Mart Stores) 260億ドル アメリカ
19位 ネスレ(Nestle) 260億ドル スイス
20位 アンハイザー・ブッシュ・インベブ(Anheuser-Busch InBev) 242億ドル ベルギー

残念ながら日本の企業は入っていません。ほぼアメリカ一強です。

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外資系企業の日本進出コンサルティングNo.1

ビジネスの話

古巣EYの海外進出の書籍群の中に弊社汐留パートナーズの書籍が❗私が新日本監査法人出身なので混ぜてくれたのでしょうか(笑)

購買層はインバウンド(日本進出支援)とアウトバウンド(海外進出支援)で異なりますが。日本進出支援の書籍としてかなり目立つところにおいていただいております。ありがたや~。

汐留パートナーズではIPOや国際税務やBPOなど色々な事業を行っていますが、特にこのインバウンド分野の進出支援は日本一と自負しているのでこれはかなり嬉しいです。何をもって日本進出支援No.1かという定義は難しいので「外資系企業の日本進出コンサルティングNo.1」とは正式には名乗れませんが、国の機関であるJETROと同じくらい日本進出コンサルティングをやっているのではないかと思います。

例えば日本法人設立、日本支店設立、駐在員事務所設立、在留資格取得サポート、銀行口座開設サポートなどのセットアップ手続です。弊社の日本進出コンサルタントは色々な国籍のバイリンガルスタッフが勢ぞろいしています。

日本に進出したいという海外企業がいらっしゃいましたら、是非汐留パートナーズをご紹介くださいませ。

書籍『外国人・外資系企業の日本進出支援実務Q&A』(日本法令)どうぞよろしくお願いいたします。

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ハワイ不動産に関する会計税務サービス

来週から1週間ほどハワイに出張してまいります。今回ハワイ不動産ビジネスに関して、ハワイ不動産会社・ハワイ公認会計士事務所との業務提携に関する重要なミーティングがありまして、しばし留守にいたします。

これまでもハワイと日本の両方での確定申告についてサービスを提供させていただいておりますが、ハワイでの不動産投資に関する確定申告につき、2017年度の確定申告についてまとめますと以下のとおりです。

項目 STEP1 STEP2 STEP3
作業内容  EXCELやQuicbooks等で会計帳簿を作成します。この会計帳簿はUSDベースで作成します。  会計帳簿をもとに米国で連邦所得税及びハワイ州税の申告書を作成して提出します(不動産所得以外の所得があれば合算)。  USDベースの会計帳簿をもとに日本円換算して、日本で所得税の申告書を作成して提出します(不動産所得以外の所得があれば合算)。
対象国 日本&米国 米国 日本
作業時期 2018年1月~2月中旬 2018年2月中旬
~6月末
2018年2月中旬
~3月15日
納税期日 決算期終了後の4番目の月の15日。従来は3番目の月の15日でしたので3番目の月の15日ということでスケジュールしている。ハワイ州は4番目の月の20日となります。 2018/3/15

 

ハワイに不動産投資をなされる日本居住者にとって、これまでは日米両方ともカバーできる十分な会計税務サービスがございませんでした。

・日米の税法改正の動きがよくわからない
・日本とアメリカの確定申告の違いがよくわからない
・日本とアメリカの確定申告の連携がスムーズではない
・これまで会計事務所の担当の連絡が遅かった
・GE TAX、TAT TAXなどの意味がわかりにくい
・日本とアメリカでの相続に関して相談できなかった

などなど、お困りの方が多いのが現状です。今後引き続きより良いサービスを提供できるように精進してまいります。

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成長・進化につながる行動と妨げる行動

先日参加させていただいたお客様の社員総会でいいなと思ったことをメモ。成長・進化につながる行動と妨げる行動についてです。

●ビジネススキルを身につけるためには?

・ビジネスマナーを覚える
・タイムマネジメントができる
・タスク管理ができる
・ロジカルに物事を考えられる
・仕事上必要な考え方や高度な知識がある
・相手を選ばずにコミュニケーションができる
・わかりやすく説明できる
・長いスパンで物事を考えられる
・広い視野で物事を考え有れる

●人としての考え方を多様にするためには?

・相手の話をきちんと聞く
・相手を尊重する
・困難を受け入れる
・ごまかさない
・素直である
・非を認める
・一貫性がある
・あきらめない
・ほどよくあきらめる

★成長・進化を妨げる行動

・戻れない過去を美化し、今をないがしろにする
・やれない理由ばかりを述べて言い訳をする
・人の意見に耳を貸さない。うまくいかない理由を自分以外にのみ求める
・いつも同じ場所にとどまり、同じ人とばかり付き合う
・変化を嫌い、行動を起こさない

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