RSM World Conference2024 in Singapore
- 2024.10.20
- 公認会計士・税理士, いい話・格言・理念, 会食・交流会・セミナー, ビジネスの話
2024年10月15日から10月18日にかけて、シンガポールで開催されたRSM World Conference2024に参加しました。
世界各国のRSMメンバーファームからパートナーなどが集い、最新の世界のビジネストレンドについて共有することで、ネットワークの構築および交流を深めることができました。
この国際会議では、「Be Global」をテーマに、RSMが掲げる「2030年グローバル戦略」の実現に向けて、 持続的な成長をどのように実現し、クライアントに高品質なサービスを提供し続けるかについて活発に議論されています。
デジタル化が進む世界におけるテクノロジーの活用、グローバルな人材育成、品質のさらなる向上、変化し続けるビジネス環境に適応した先進的な成長戦略の構築、そしてESGにおけるビジネスチャンスを最大限に活かす方法といったテーマが中心です。特に、テクノロジーやESG分野は日本においても今後さらに大規模なマーケットになると予想されており、プロフェッショナルファームとしての今後の取り組みにおいて大いに参考なりました。
議論を通じて、未来に向けたイニシアチブを推進し、国境を越えたビジネス機会を生み出し、世界中のスキルと専門知識を最大限に活用する協力体制を改めて確認しました。
今回の会議で得た知識や経験を生かし、クライアントの皆様にはより一層高品質なサービスや有益な情報を提供し、地域社会への貢献を続けてまいります。
BPOのグローバル化
日本の人口は減り続けますが、世界の人口は増え続けます。グローバルでは専門家のサービスの一部がものすごい勢いでインドにアウトソーシングされて分業されています。テクノロジーの利用もさることながら、大きな案件では単純な人件費の面での価格競争力が入札においては重要だと感じます。
RSMUSもインドにBPOセンターがあり、弊社もフィリピンにBPOセンターがあります。語学の壁さえ超えられれば国境を超えてリソースをシェアできるはずです。テクノロジーの進化とその活用により活路を見出していきたいです。
しかし客観視して考えると、我々中堅ファームにはBIG4ほど複雑な国際税務案件やグローバルモビリティ案件がたくさんあるわけではありません。コンプライアンス業務やBPO業務とセットでお受けするので難易度はBIG4ほどではなく、案件は安定的かつ長期に渡って続いていきます。
その中で外資系企業の支援をするようになって発見したことや驚いたことはたくさんあるのですが、その中でも支払業務(キャッシュマネジメント業務)のアウトソーシングのニーズが多いというのは重要な気付きでした。
個人的な感想として、日本企業は外資企業と比べアウトソーシングが苦手ですが、内資企業も経理/人事/総務に関連するBPO化が進んでいると感じます。そして少子化により労働人口が不足する中で外国人雇用が不可欠となり、日本人と同じような感覚で外国人を雇用する時代が近いと思います。外国人雇用に関する手続/管理等をアウトソースする企業が増えている感覚です。
こうした変化の中で、我々はクライアントのニーズに応じた柔軟かつ先進的なアウトソーシングサービスを提供し、日本企業の持続的な成長を支援していくことが重要であると考えています。
成長するBPO
アウトソーシング(BPO)は華やかな印象がないかもしれませんが、市場は着実に成長しています。ここ数年で、有報など開示書類の作成や、JSOX/内部監査など、これまでコンサル領域だったものが、BPOへと移行している流れを感じつつあります。BPOは安定した成長性があり、IT活用との親和性も高いです。ただしITを活用したBPOには大きな資本の企業参入があるため、戦略や領域選定がとても重要です。
一方で今後非IT分野のBPOも市場が拡大していきます。それゆえプロフェッショナルファームもアドバイザリーに特化しないのであれば、1つの戦略としてBPOに取り組んでいく必要があります。そのためには一定の事業規模拡大が必要になってまいります。
またBPOは、BtoCだけでなくBtoBにおいても経理業務や人事労務業務は会社内に部署を設け「所有」するのではなく、アウトソーシングし「利用」する、から市場が拡大しています。
こういったBPOは弊社ワンストップの強みが発揮できている領域であり、実際に最近アウトソーシングのお話を頂くことが多いですが、やはり肝になるのは、BPOを通じてクライアントの信頼を勝ち取ることです。
しかし、単純に気合で記帳代行や給与計算をこなしても幸せはありません。
テクノロジーや多言語対応など差別化をする事により
①クライアントに価値提供をしながら
②メンバーに物心両面満足いく状態を提供
したいと思います。同時に追求したいです。
個人的にもBPOはおすすめなのですが、一つ問題としてアウトソースする部分としない部分の切り分けで合意できないことが多い印象です。
以上の点を踏まえ、クライアントと共に柔軟な解決策を模索し、BPOの真価を最大限に引き出すことが、私たちの目指すべき方向でしょう。