RSM APAC 2025
- 2025.06.01
- 出張・旅行, 会食・交流会・セミナー
2025年5月19日から22日にかけて、RSMアジアパシフィック会議がインドネシア・ジャカルタで開催され、RSM汐留パートナーズからは私・前川と、インターナショナルコンタクトディレクターの許、インターナショナルタックスディレクターの三宅の3名で参加しました。アジア各国から200名を超えるパートナーが集まり、「Taking Charge of Change」というテーマのもと、2030年に向けた変革の方向性や地域間連携について意見を交わしました。
RSMインドネシアの40周年記念セレモニーも行われ、ネットワークの歴史と信頼の積み重ねに触れる貴重な機会となりました。会議では、中堅企業が果たす地域経済への貢献や、2024年のアジアパシフィック地域における7%の収益成長(うちASEANは9%)にも注目が集まりました。
また、サプライチェーンの変動やデジタル人材需要の高まりといった今後の成長課題、そしてESGの地域展開と国際基準(IFRS S1/S2)の適用状況など、さまざまなトピックが取り上げられました。RSMが進める「ESG APACハブ」の取り組みも紹介され、SDGsを支援する重要なインフラとしての役割が強調されました。
本会議で得られた知見や刺激を、今後の業務にしっかり活かし、より一層価値あるサービスの提供に努めてまいります。また、日本でのRSMの認知度向上および、世界におけるRSM Japanの存在感をさらに高めるべく、引き続きグローバルネットワークとの連携を強化し、発信力のある活動を推進してまいります。
ESG・サステナビリティサービスのローンチのお知らせ
- 2025.05.20
- 公認会計士・税理士, ビジネスの話, IR・メディア・お知らせ
英国をはじめとしたヨーロッパや米国では、持続可能性やESGに関連し、大学院でMBAを取得する人が増加しているようです。また、会計業界からESG・サステナビリティの分野へ転向する専門家が増えている気がします。
ESGやサステナビリティを学ぶことは、短期的な利益や報酬には直結しないかもしれません。でも、視野を広げ、長期的な成長につながる大切な学びだと感じています。自分自身もまだ学びの途中ですが、そして米国は混沌としていますが…これからの時代のビジネスで引き続き必要な視点だと思います。
ESG領域はもはや公認会計士の専門とする領域とはかなり異なるのですが、数値集計のプロセス構築や妥当性の保証に関しては公認会計士が得意とします。日本では圧倒的に人材不足ですがグローバル化の流れもあり、5年後には大きなマーケットになっていると感じます。
このような経緯から、弊社ではESG・サステナビリティサービスの提供を開始しました。2050年のカーボンニュートラルと次世代のウェルビーイングの実現に向け、温室効果ガスの蓄積による気温上昇や生物多様性の喪失などで低下したレジリエンスを、クライアントとともに取り戻すことができればと思います。
ESG・サステナビリティサービス | RSM汐留パートナーズ
レイキャビクと故郷・釧路が一見似ている点から地方創生を考える
2025年度の世界幸福度ランキング第3位のアイスランドに行ってきました(ちなみに日本は第55位です)。首都レイキャビクの人口は約14万人、都市圏全体では20万人ちょっと。北海道の釧路市とほぼ同規模で、どちらも漁業が盛んという共通点があります。そのため、以前からアイスランドには注目していました。また、自然が豊かで空気や水がおいしい点もよく似ています。
しかし、一人あたり名目GDPを見ると、アイスランドは約87,000ドル(世界第5位)。日本は約33,000ドルで、北海道や釧路市はさらにそれより低いのが現状です。都市の規模は似ていても、経済構造には大きな違いがあると実感しました。
ちなみに、北極海航路の活用によって釧路市がシンガポール(名目GDP世界第4位、約90,000ドル)のようになる、というフィクション作品『地面師たち 続編』を読んだことがあります。夢はありますが、私たちの生きている間にそれが現実化するのは難しそうです。だからこそ、現実的にはアイスランドから学べることの方が多いと感じます。
現地で訪れたカフェでは、コーヒー1杯が約1,000円、大きめのクロワッサンが1,300円。写真の朝食だけで約2,300円です。クロワッサンのクオリティは素晴らしかったですが、これまで訪れた国々の中でもアイスランドの物価は群を抜いて高いと感じました。ニューヨークのマンハッタンと同等かそれ以上、ロンドンの1.5倍はします。現地の方々も「生活者としては物価が高くて大変」と、パブで一緒に飲んでいた時に話してくれました。
一人あたりGDPが高くても、物価も高ければ手元に残るお金は多くはありません。ただ、アイスランドでは「自然や日常そのものに価値がある」という意識があり、それを産業や観光を通じて世界に届けています。一方で、北海道や釧路市にも同じように美しい自然や豊かな資源がありますが、それを「価値」として外に伝える仕組みがまだ整っていないのかもしれません。
経済危機を乗り越えたアイスランドは、地熱発電や水力発電などの再生可能エネルギーで、電力のほぼ100%を賄っています。また、アートや文学の発信地としても世界的に知られています。釧路にも温泉や湿原があり、阿寒にはアイヌ文化が根づいています。地元出身の有名漫画家や、カルーセル麻紀さんをはじめとする有名人もいます。もし私が行政の立場だったら、いろいろなアイデアが湧いてきそうです。
さらに、一人でも地方の魅力を英語で世界に発信できるインフルエンサーが現れれば、状況は大きく変わるのではと感じました。やはり、英語や国際交流、異文化理解の重要性に行きつきます。一筋縄ではいきませんが、日本の隅々までお金が血液のように循環していくといいなと思います。
思わず熱くなってしまい、長い独り言になってしまいましたが、事業を通じて少しでもできることから取り組んでいきたいと思います。
仙台事務所開設
- 2025.05.01
- 公認会計士・税理士, IR・メディア・お知らせ
このたび、RSM汐留パートナーズ株式会社は2025年5月1日付で仙台事務所を開設いたしました。新拠点はアクセス性や利便性に優れた仙台駅近くのエリアに構えており、今後の業務拡大に向けた重要な第一歩となります。
当面は大阪や福岡と同様、コワーキングスペースを拠点とした柔軟な運営形態でのスタートとなりますが、東北エリアでの採用状況や業務ニーズを踏まえ、必要に応じてオフィス形態の見直しも検討してまいります。
仙台事務所の立ち上げを機に、東北地域の皆さまとともに、首都圏および海外クライアントへの支援体制をさらに強化していく所存です。今後は会計税務・コンサルティング分野の人材採用にも注力し、仙台からグローバルに挑戦したい方の応募も歓迎いたします。
引き続き、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
https://shiodome.co.jp/sendai/
信頼はあらゆる成功の基盤
コヴィーは「信頼はあらゆる成功の基盤」と説きました。信頼は時間と誠実な行動で築かれ、人と組織と顧客と社会を結びつける強力なパワーとなります。信頼は獲得するのには時間がかかりますが失うのは一瞬です。だからこそ信頼を得ることが持続可能な成長の肝なのだと感じます。
さらに、カーギルは「誠実さこそが企業の成功の礎」と説いています。倫理的な行動を基盤とし、信頼を築くことで、持続可能で強固な成長が実現します。正しい選択が未来を変える力を持つ…わかってはいるものの常に正しく行動することは難しいものですね。
この人と組織に関連して、信頼できる仲間とは以下のような人を指します。
- 素直な人
- 誠実な人
- 約束を守る人
- 結果に拘る人
- 自責で考える人
- 本音を語れる人
- 言い訳しない人
- 努力を惜しまない人
- 相手をすぐ否定しない人
- 上下関係なく対応が同じ人
会社の人は友達ではないかもしれませんが(長い者はもう友達以上ですが)、大切な仲間であることは間違いありません。互いに礼節を大切にしながら、長く信頼関係を築き続けていける組織でありたいと考えています。
また、リーダーシップにおいても信頼は大切な要素のひとつです。
リーダーシップとは「指示を出すこと」ではなく「信頼を築くこと」。相手の力を信じ引き出すことが真のリーダーの役割。この点おろそかにされがちですが、上席になればなるほど求められる大切なことだと思います。
そのため、EQ(感情知能)が低い人を組織の上席に据えるのは危険です。マネジメントやリーダーシップにおいて、EQは非常に重要な要素です。人との信頼関係を築き、チームを導くためには、共感力や自己開示が欠かせません。もしそのような役割を目指したいのであれば、EQを高めることは避けて通れないと感じます。
リーダーの在り方は、周囲の人たちの目にすぐに映ります。信頼される人が上に立つことで、チーム全体が前向きに安心して力を発揮できます。一人で自営でやるのであればいいとして、組織でやりたいのであればそうした存在でありたいと願いながら学び続けていく必要がありますね。
DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン )
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の理解が進む中で”寛容”である事はとても大切。日本は島国で長らく多様性に乏しかったですが寛容さはずっと有してきたのではと思います。私も自分とは異なる意見や価値観を拒まず理解していきたいなと思っています。一方で、日本では人種という視点はほとんどなく、DE&Iにおいてはジェンダーや障がい者に関するテーマが多いです。
目から入る情報はとても多いですが必ずしもそれが正しいとは限らず、バイアスを作り出したり考えを固めてしまうこともあります。色々なものに触れて無知を減らしていくことがDE&Iへの取り組みの第一歩かなと思います。
人はつい似たような仲間と集まりがちですが、バックグラウンドや所属が異なる仲間と話すことで新たな気付きが得られます。それがダイバーシティであり、ワンストップファームの強みだと感じるので、横の連携や交流を楽しみたいと思います。確かに同質性の高い人達といると心地よいのですが、それが良い結果に繋がるとは限らないと認識しています。異なるバックグラウンドや考え方を持つ方といると、衝突したり議論する事も多いかもしれませんが、良い結果に結び付く可能性に期待したいと思います。
弊社には中国圏出身の社員も在籍しており、大阪オフィスでは日本人、中国人、ベルギー人がともに働いています。標準語、関西弁、英語が飛び交う多様な環境です。また、女性の有資格者も少しずつ増えており、さまざまな部署で女性が主導する企画や、女性が中心となってまとめるプロジェクトが目覚ましい成果を上げています。会社全体が着実に変化していることを実感しています。
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)にもっと取り組むことで、何かイノベーションが起こるなど、素晴らしい結果につながると確信しています。
EQ(感情知能)
「IQ」の他に「EQ(心の知能指数)」という概念があります。ビジネスにおいては両方とも重要であることを認識しておく必要があります。RSMに入りネットワーク内で情報収集していると、同じようにEQを大切にしている様子が伺えます。人間のIQが高くてもAIにはかなわない部分があることに加え、自らが商品でありサービス業でもあるので、私達の業界はEQの高さが勝敗を分けるのかもしれません。IQが高そうですごく頭が良い人がビジネスで成功するとは限りません。「理と情」という表現もありますが、両方が必要だからこそ皆にチャンスがあり面白いですね。
このように、EQ(感情知能) やソフトスキルというものがとても重要な時代になっていると感じています。そしてそれらは決して先天的なものではなく、学ぶことにより高めていけるものと確信しています。世の中にそのような学びの機会は溢れているかもしれませんが、より良いものを選び皆で学んでいきたいと思います。
一方で、EQ(感情知能)が低い人を組織の上席に据えるのは危険です。マネジメントやリーダーシップにおいて、EQは非常に重要な要素です。人との信頼関係を築き、チームを導くためには、共感力や自己開示が欠かせません。もしそのような役割を目指したいのであれば、EQを高めることは避けて通れないと感じます。
心理学者のダニエル・ゴールマンがEQ(感情知能)を構成する5要素を提唱しています。
- 自己認識
- 自己抑制
- 動機付け
- 共感性
- ソーシャル・スキル
管理者の能力差のほぼ9割はIQではなくEQにあるとか。組織のリーダーが上記を有していないとチームは良い成果を出せません。
さらに、IQ(知能指数)やEQ(感情指数) だけでなく、SQ(社会的指数)やCQ(好奇心指数)、TQ(テクノロジー指数)やAQ(逆境指数) なども求められることが多くなっています。1つ言えることは、IQだけ高く頭がよい人が活躍する訳ではないということ。人間らしくいることが大切ですね。特に士業では、スペシャリストでありながらゼネラリストを目指すというのも1つの生き方かなと思います。
成果を上げるためには
コヴィーの「7つの習慣」の本質は「成果を上げる人の習慣は自己管理と他者への貢献から生まれる」にあると。
- 自分を律して管理すること
- 自己満足ではなく他者に貢献すること
時間をおいて読み返すたびに、新たな気づきを与えてくれる深い言葉。言うは易し行うは難しいです。行動あるのみ。
仕事でもプライベートでも、継続して活動を続けていると必ずチャンスが訪れると思います。結果につながる行動を重ねることが大切なので、弊社では人事評価制度にコンピテンシー項目を取り入れています。
一方で、弊社の各事業部にはMBO(目標管理)の個人別数値があり、これは個人と会社の目標を一致させ評価に繋げる定量的な仕組みとなっています。もちろん数値だけでは測れない定性的評価(コンピテンシー)も大切にはしていますが、やはり私達の業態においては数字も大切です。しっかりこれを構築しなければ在宅ワークやフレックスなどの柔軟な働き方の制度が残念ながら崩壊してしまいます。
プロフェッショナルサービスファームのメンバーとして、自分自身が商品となり活躍するのであれば避けられない指標。私の知る限り弊社に限らず一定規模以上の事務所には必ず存在する仕組みです。
事業会社の管理部門での評価や活躍の仕方とはかなり異なり、経理畑や人事畑の方が転職してこのマルチタスク&数値目標というものが合う合わない、自身の適性と向き不向きという所にすごく関係してくると言えます。
数値が高いメンバーは忙しくも効率的に業務を行い結果を出していたり、合わせて常に見えないところで自己研鑽をしてスキルアップをし、そのような難易度の高い(≒報酬の高い)業務をこなしているはずなのです。
そのため、限界に挑戦しているかがとても大切であると思います。能力の限界に何度も挑戦している人は社内でも社外でも高く評価したいです。高業績者に共通してみられる行動特性,すなわち”コンピテンシー”が高いためです。結果的にバリューイノベーションにつながっていく確率が高くなると信じています。
福岡事務所開設
- 2025.03.10
- 公認会計士・税理士, ビジネスの話, IR・メディア・お知らせ
このたび、RSM汐留パートナーズ株式会社は3月1日に福岡事務所を開設いたしました。福岡市の中でも特にビジネス向けの環境が整っている天神エリアにオフィスを設けました。
最初は大阪事務所と同様にコワーキングスペースを拠点とする形でのスタートとなりますが、今後、九州地方のメンバーが新たに加わるタイミングや勤務形態を総合的に勘案し、必要に応じて物理的なオフィススペースを確保していく可能性もあります。
今後は、九州の皆さまとともに、首都圏や海外の顧客をサポートできる体制を整えてまいります。これから主に会計税務やコンサルメンバーの採用活動を本格化し、また福岡からグローバルに活躍したい方も募集予定です。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
https://shiodome.co.jp/fukuoka/
欧米と日本のパートナーの比較
欧米のパートナーの過酷さを見聞きするとそれはもうすごいです。弊社のパートナーは誰もが耐えられないでしょうし、私ですら白旗をあげるかもしれません。ゆえにどんどん売上が増加していくのでしょう。最低でもパートナーは数億・十数億円の売上と10人以上のメンバーを抱えているように感じます。
一方それでは会社が壊れ仲間が仲間でなくなってしまうこともありそうなので、日本での最適なあり方を模索したいです。海外では時には王様と奴隷くらいの違いがあるとも聞きますが(最近は人手不足で恐らく変化)、日本ではアメリカほど役員・パートナーとそれ以外の地位の違いのようなものはありません。
日本ではパートナーの肩書きを有していても実務をかなりやっています。大手監査法人ではパートナーが営業だけという訳にはいかず、最新の会計基準についても理解しておく必要もあります。大手税理士法人でも代表者以外はクライアントワークに従事しており、毎年税制改正をキャッチアップしています。
国際ビジネスに浸かりすぎると売上増加が正義みたいな錯覚に陥りがちですが、日本の良さを忘れず独自の文化も大切にしたいです。貢献に比して過大な要求は言語道断ですが、お互いに尊重し合える楽しい良い仲間達と会社をやっていきたいと思う日々です。