「できない」を「経験不足」と捉え直す――組織を成長させる価値観の転換

独立してしばらくは、「なぜこんなこともできないんだ」と、部下に対しても、時にはクライアントに対してさえ思ってしまうことがありました。今振り返れば、本当に視野が狭く、器の小さい人間だったと痛感します。それでは事業も組織も大きくなるはずがありません。

当社は順調に成長してきたように見えるかもしれませんが、実は最初の5年間は「暗黒時代」でした。売上、利益、そして従業員満足度も悲惨な状態。経営者としての自分の未熟さが招いた結果であり、情けない限りです。

当時は無意識に言い訳をしていましたが、私個人の性格というより、大手監査法人という特殊な環境の影響が大きかったのだと思います。周囲はほぼ全員が公認会計士試験を突破した高学歴者。処理スピード、理解力、ストレス耐性、そのすべてが「できて当たり前」の世界でした。

しかし独立後、多様なバックグラウンドを持つメンバーと働く中で、私の価値観は徐々に変化していきました。

「できない」のではなく、
「経験していない」
「ただ知らないだけ」
「その土俵で戦ってきていない」

ほとんどの場合、ただそれだけのことなのだと気づきました。ある時、以前の自分なら確実に苛立ちを感じていたであろう場面で、不思議なほど穏やかな自分に気づきました。それは年を取って丸くなったからではなく、ワンストップファームを創業し、多様な人々と長く向き合ってきた結果なのだと思います。

今では、「できないこと」よりも「伸びしろがあること」の方が、ずっと面白いと感じられるようになりました。 RSMに加盟して丸3年。グローバルの仲間から「日本のGDPは世界4位なのに、なぜRSM Japanはまだこの規模なの?」とプレッシャーを受けることもありますが(笑)、それもまた大きな伸びしろです。自社も自分も、ポジティブにさらなる成長を目指していきたいと思います。

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前川研吾 X(旧Twitter) RSM汐留パートナーズ 採用X(旧Twitter)
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