シニアコミュニケーションの外部委員調査報告書
- 2010.06.13
- ビジネスの話
先日事務所にいらしていただいた先輩会計士のAさんが教えてくれました。粉飾決算を行っていた東証マザーズ上場の㈱シニアコミュニケーションの外部調査委員会の調査報告書です。あまり新聞等のニュースには出ていないものの、結構赤裸々な内容の調査報告書です…。自分も以前多少なりとも不正調査のお仕事をさせていただいたため、Aさんに教えていただいた報告書を読ませていただきました。
ポイントは以下のとおり
①上場前からの粉飾
②架空売掛金の計上・売掛金回収期間の長期化
③主幹事証券会社はみずほインベスターズ
④東証マザーズに上場
この辺りまでは先日粉飾決算事件で問題になり、2010年6月19日に上場廃止となる㈱エフオーアイと同じです。
さらに驚くべき点として、以下の点で監査法人の残高確認を無効にしていたことが記載されています。
「監査法人から残高確認状が届くが、記入金額に誤謬があったため、開封せず直接返送してほしい旨の電話連絡をしていた」「自ら回答記入を行い偽造した取引先の担当者印又は代表者印を捺印して、消印が取引先住所地管轄郵便局となるよう、取引先の住所地近くのポストまで出向かせ…」「監査法人の担当公認会計士が残高確認状を郵便ポストに投函する際これを尾行し、担当公認会計士が郵便ポストに残高確認状を投函後、その場から立ち去ったことを確認し、郵便局の集配係が来るのを近くで待ち伏せ、集配係が来たところで内容に誤謬がある旨を説明し、投函された郵便物を回収…」(報告書より引用)
正直怖いです。不謹慎ではありますが正直これはとてもいい勉強の素材になりました。