活躍する人に共通する、感覚のバランス
一定規模以上の事務所の代表と話すと、皆さん本当に、人望や人間力、信義則、そして何よりバランス感覚を備えていると感じます。最近ご一緒させていただいている先生方も例外なく魅力的で、学ぶことが多く、できることならずっとご一緒したいと思うほどです。
その延長で思うのが、会計士CEOや会計士CFOの皆さまが活躍されている理由です。並外れた士業としての能力というより、ビジネスマンとしての総合力と感覚のバランスが際立っている。ここが大きな差を生んでいるように見えます。
何事にも両方の側面があります。10点取っても11点取られれば試合に負ける。勝ちにいくとは、どこか一つを突出させるだけでなく、全体の最適を見て配分できることでもあります。そうしたバランス感覚は、組織においても個人においても重要な要素だと思います。
同じことは、対人関係やビジネスの現場でも当てはまります。権利主張が強すぎると、長期的な信頼関係を築くうえでは不利に働くことがある。二者間において、それが個人同士であっても、法人と個人であっても、良好な関係を長続きさせるには、ギブ・アンド・テイクの精神とバランス感覚が欠かせません。
監査法人の世界でも、この傾向はよりはっきりしてきたように思います。昔は一芸に秀でた人でもパートナーになれましたが、今は総合力が求められ、優れた感覚バランスを持っている人でないと昇進が難しい時代です。加えて英語力や人格まで求められる。だからこそ、仕事でBig4の若いパートナーに会うと、自然と尊敬の眼差しになります。
一芸の鋭さにバランス感覚が加わることで、ビジネスマンとしての総合力が増し、信頼が長続きしていくのだと思います。
