士業のコミュニケーションスキルの重要性
士業にとって、コミュニケーションスキルは本当に重要です。場合によってはこれで自身の評価の多くが決ってしまうかもしれません。できていると勘違いし一方的に話しすぎてしまう人もいます。耳は2つあり口は1つなので、まずは自分が話す2倍以上は相手の話に耳を傾けることから始めたいです。これにより、仕事を獲得できたり、良好な関係を継続できたり、社内で昇進できたり、より多くの機会に恵まれると思います。
先日の税理士サミットで登壇者が「これからの税理士はコミュニケーション力が必要だ。顧客に寄り添う存在にならなければ」とお話してくださいました。大人になるまでにある程度形成されているので面接時にそのポイントを重視して採用し、会話が盛り上がらないと採用しないという話も聞きました。私は個人的には後天的にでも一定レベルに達すると考えています。
そんな士業のためのソフトスキルの学びの機会があればとずっと考えています。
- 話し方
- 気配り
- メール文面
- 身だしなみ
- 適切な距離感
- 距離の縮め方
- 期待値コントロール
- 失礼に当たる事例集
など。これらを学ぶことで総合力が劇的にアップするのではと思います。
コミュニケーションスキルの研修自体はたくさん世にはあります。本当に苦手な方は損をしていると思うので、1つでも2つでも受講してみることをおすすめしたいと思います。
士業としての専門知識に加え、これらのコミュニケーションスキルを磨くことで、顧客や同僚からの信頼を高め、仕事の幅を広げる大きな一歩となるでしょう。目の前の一歩が未来を変える可能性を信じて、まずは実践してみることが大切です。
長期安定経営を目指すファミリービジネスについて
日本は世界的にもファミリービジネスが多く成功している事例も数多くあるといわれます。驚くほど古い会社も多いですし。ファミリービジネスの研究が遅れていて相続税も高すぎるのに、日本にはこんなにもたくさんの100年以上や200年以上の会社があるなんて非常に興味深いと思います。ですが寄付税制がさえないこと、富裕層に対する妬みからの同族会社嫌悪など、独特なものが多いので時間はかかることでしょう。
ファミリービジネスは、概ね30年毎に経営者が交替しますので長期安定経営です。サラリーマン経営者のように四半期や年度決算または自らの在任期間の数字にこだわるという視点がそこまでないため長期目線での投資ができます。出光興産創業者の出光佐光が 「資金調達は容易だが利潤の追求を第一に考えなければならず営利のために経営は傾いていく、経営も人も金や物に支配されてしまう」 と頑なに非公開を貫いたこと。エージェンシーコストがない又は少なく、経営者が長期的視点で経営できるので非常に利益率が高くサステナブルになりえます(大失敗事例も多いですが…)。
一方で、トップが優秀でなければ残念な結果になります。そして2代目3代目の役割こそ大変です。最初のリーダーの仕事は企業文化を作ること。次のリーダーの仕事は企業文化を改良し守り承継すること。ファミリービジネスを研究する中で思うのですが、利己的であったり自己保身であったり他責志向でそれに値しないリーダーは上に立ってはいけないですね。
世界に目を向けると、日本ではファミリーオフィスやファミリー憲章のようなものがあまり広がってはいませんが、ヨーロッパではこの研究がかなり進んでいます。日本でもファミリーがオーナーに徹して、プロ経営者に経営を任せるということが今後は広がっていくべきだと考えてもいます。グローバルにはRSMでも”ファミリーオフィスサービス”が広がりつつあるので、税理士としての税務視点の相続や事業承継支援から、もう少し高い視座で顧客を導いていける存在になれればと思います。
末筆ながら、『Governance in Family Enterprises: Maximising Economic and Emotional Success』という海外の書籍を翻訳いたしました。『ファミリー企業のガバナンス~経済的および精神的な成功を極大化する~』というタイトルにしました。
ガバナンスは上場会社だけではなくてもとても重要であり、本書はその点についての貴重な世界のファミリー企業の事例が集まっています。
https://hanmoto.com/bd/isbn/9784561237945…
※Amazonなどから購入できるようなのでもしご興味がございましたらよろしくお願いいたします
グローバル会計ネットワークのランキングと日本での提携状況 2024
世界の会計税務サービスを提供する主要な国際会計ネットワークについて、そのランキングと日本における提携事務所の関係性を改めて整理し、最新の業界勢力図をお伝えします。それぞれメンバーファームである監査法人及び税理士法人を記載しています。
【会計ネットワークランキング2024】
1Deloitte(デロイト)
有限責任監査法人トーマツ/デロイトトーマツ税理士法人
2PWC(プライスウォーターハウスクーパース)
PwC Japan有限責任監査法人/PwC税理士法人
3EY(アーンスト・アンド・ヤング)
EY新日本有限責任監査法人/EY税理士法人
4KPMG(ケーピーエムジー)
有限責任あずさ監査法人/KPMG税理士法人
5BDO International(ビーディーオー)
BDO三優監査法人/BDO税理士法人
6RSM(アールエスエム)
RSM清和監査法人/RSM汐留パートナーズ税理士法人/税理士法人東京クロスボーダーズ
7Grant Thornton(グラントソントン)
太陽有限責任監査法人/太陽グラントソントン税理士法人
8HLB International(エイチエルビー・インターナショナル)
明誠有限責任監査法人/協立監査法人/税理士法人髙野総合会計事務所
9Crowe Horwath(クロウ・ホーワス)
東陽監査法人/税理士法人渡邊芳樹事務所
10Baker Tilly International(ベーカーティリー・インターナショナル)
監査法人日本橋事務所/監査法人グラヴィタス/清陽監査法人/監査法人薄衣佐吉事務所/千代田国際公認会計士共同事務所/如水監査法人/ベーカーティリージャパン税理士法人/BTJ税理士法人/クリフィックス税理士法人
11Moore Global(ムーア・グローバル)
Mooreみらい監査法人/Moore至誠税理士法人
12Forvis Mazars(フォーヴィス・マザー)
Forvis Mazars Japan有限責任監査法人/Forvis Mazars税理士法人
13Nexia International(ネクシア・インターナショナル)
仰星監査法人/仰星税理士法人/GYC税理士法人
14Kreston Global(クレストン・グローバル)
アーク有限責任監査法人/八重洲監査法人/クレストン・プロワークス税理士事務所
15ETL Global(イーティエル・グローバル)
【出典】
World Survey global fee and staff 2024 – International Accounting Bulletin
RSMは、現在世界120カ国820以上の拠点、そして64,000人以上メンバーで、クロスボーダーサービスを提供しています。我々、RSM汐留パートナーズも日本そしてグローバルにRSMの一員として責任を持って活動していきたいと思います。