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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

【書籍紹介】イレギュラーな相続に対処する未分割申告の税実務


イレギュラーな相続に対処する未分割申告の税実務(Amazonへ)

「イレギュラーな相続に対処する未分割申告の税実務」を読みました

日頃お世話になっている税理士法人トゥモローズさん(代表社員:角田壮平さん、大塚英司さん)が本を初出版されたので購入しました。税理士法人トゥモローズさんは、代表のお二方が相続税専門の税理士法人ご出身だけあって、事業承継・相続税にとても強い税理士法人さんです。

そのため、本書も主に相続税にフォーカスされております。

未分割申告とは

本書のタイトルともなっている未分割申告とは、相続財産に関する遺産分割協議がまとまっていない状況でする相続税の申告のことをいいます。

本書によると、未分割申告には次のようなパターンがあります。

  • 相続人間で争いがあり、申告期限までに遺産分割が確定しない
  • 相続人間で争いはないが、申告期限までに遺産の把握や評価が確定しない
  • 個別的事情により未分割のまま相続税申告をする
書籍情報
  • タイトル:イレギュラーな相続に対処する未分割申告の税実務
  • ジャンル:相続、相続税
  • 出版社 :株式会社清文社
  • 発売日 :平成28年12月21日
  • 著 者 :税理士法人トゥモローズ

書籍の紹介

相続税実務の本

本書は単なる相続税実務ではなく、相続争いに発展してしまった場合の相続税の実務に関する内容となっています。

未分割申告、遺言書がある場合の争い案件、未分割申告後に遺産分割が確定した場合の更正請求、修正申告、期限後申告の論点について、具体的かつ網羅的に解説されています。

本書にニーズがある背景

平成27年から相続税の基礎控除が引き下げられた影響で、相続税申告の必要なケースが増加しました。それに加えて、核家族化や親族間の関係性の希薄化、権利意識の向上等にともない相続争い、いわゆる争続となってしまうケースも増えているといわれています。

さらに、相続件数自体これから更に増える可能性が高く、相続は各相続によってケースバイケースであることが多いことも考慮すると、相続税実務について痒いところに手が届く本書はこれからの時代に必要とされる一冊だと思います。

各種書式例や根拠となる通達等が豊富

解説と併せてその際に使用する書式例も多く掲載されているため、理解しやすく実務に役立つものとなっています。

また、実務の根拠となる通達等がしっかり掲載されている点も、本書を使いやすいものとしていると思います。

Q&A形式で読みやすい

本書はQ&A+解説の形式で掲載されています。そのため自分が解決したい問題について目次で検索しやすく、解決策とその解説もピンポイントなものとなり得ます。

本書に限らず、私にはQ&A+解説の形式の書籍は読みやすく、「役に立つ」ことが多いイメージがあります。

Qの一部紹介

本書のQ部分の一部をご紹介します。

  • 相続人が確定していない場合の未分割申告
  • 被相続人が外国人の場合の未分割申告
  • 遺留分減殺請求がされている場合の相続税申告
  • 更正の請求における配偶者の税額軽減の適用可否

相続税を扱う税理士さんには必携の一冊ではないでしょうか。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
様々なサポートを行っております。


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