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クラウド時代のデータ保護─ Barracuda Microsoft 365向けクラウドバックアップ

クラウド時代のデータ保護─ Barracuda Microsoft 365向けクラウドバックアップ

テクノロジー
2026年1月21日

デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に伴い、企業のITインフラは劇的な変化を遂げました。かつて社内のサーバールームに鎮座していた業務基盤は、今やクラウド上へと移行し、特に「Microsoft 365」はビジネスコミュニケーションのOSとして不動の地位を築いています。場所やデバイスを選ばない働き方が実現した一方で、クラウドへの依存度が高まるにつれ、新たなリスクも浮上しています。「データがクラウドにあるから安全だ」「マイクロソフトが守ってくれる」という認識は、現代のサイバーセキュリティにおいて最大の脆弱性となり得ます。

Microsoft 365をはじめとするクラウドサービスは、インフラの可用性は保証していますが、ユーザーデータの保護については利用者側の責任とされています。つまり、誤って削除したファイルやランサムウェアに暗号化されたデータの復旧は、自社で備えておかなければならないことです。

今回はその解決策の一つとして、クラウドバックアップソリューション「Barracuda Cloud-to-Cloud Backup」について、なぜ今このような措置が必要なのかを含めて詳しくご紹介します。

Barracuda Networks(バラクーダネットワークス)は、2003年に米国カリフォルニア州で設立されたサイバーセキュリティ企業です。創業以来20年以上にわたり、メールセキュリティ、ネットワーク保護、データ保護の分野でソリューションを提供し続けてきました。現在、世界中で20万社以上の企業がBarracudaのソリューションを導入しています(1)。その顧客基盤は中小企業から大企業まで幅広く、特にメールを起点とした脅威対策においては業界をリードする存在として知られています。Barracudaが提供するソリューションは大きく分けて以下の領域をカバーしています。 

メールセキュリティ: フィッシング、スパム、マルウェアなどメール経由の脅威から組織を保護

アプリケーションセキュリティ: WebアプリケーションやAPIへの攻撃を防御

ネットワークセキュリティ: 拠点間接続やリモートアクセスの安全性を確保

データ保護: Microsoft 365やAzureなどクラウド環境のバックアップと復旧

また、Barracudaの優位性は、客観的な市場評価によっても裏付けられています。CRN®が発表した「Products of the Year」では、Barracuda Email ProtectionがEmail & Web Security Product of the Yearを受賞し、チャネルパートナーにも最も収益性の高いメールセキュリティ製品として評価されました。CRNによれば、

  • 「AI を活用した多層防御がフィッシングやランサムウェアを効果的に遮断する」
  • 「BarracudaONE ダッシュボードは可視性と制御を一元化し、一括修復により対応時間を最大 10 倍短縮する」
    といった点が受賞理由に挙げられています(2)

多くの企業がMicrosoft 365を導入する際、「データはマイクロソフトが自動的に守ってくれる」という誤解を抱きがちです。しかし、ここに現代企業が直面する大きな落とし穴があります。

Microsoftは、Microsoft 365のサービス基盤(データセンター、ネットワーク、アプリケーション)の可用性については責任を負いますが、ユーザーが作成・保存したデータの保護については、利用者側の責任と明確に定めています。これは「責任共有モデル」と呼ばれる考え方で、クラウドサービス全般に共通するものです(3)。つまり、たとえ以下のような事態が発生した場合、データの復旧は利用企業が自ら対処しなければなりません。

  • 従業員が誤ってファイルを削除してしまった
  • 退職者のアカウントを削除したら、重要なデータも消えてしまった
  • ランサムウェアに感染し、OneDriveやSharePoint上のファイルが暗号化された
  • 悪意のある内部者によってデータが意図的に削除された

ランサムウェア攻撃の多くはメール経由で開始されており、企業の受信トレイが攻撃の最初の侵入口となっています(4)。それに加え、被害が拡大する背景には「時間」の要素も大きく、侵害発覚から 9 時間を超えて対応が遅れた組織は、79 % の確率でランサムウェアに発展したと指摘しています(4)。さらに、メール侵害 1 件あたりの平均対応コストは 217,068 米ドルに達し(フォレンジック調査・復旧・ダウンタイムを含む)、41 % の組織が評判失墜による商機喪失を経験したことも明らかになっています(4)

Share Point Onlineなどに搭載されている「バージョン管理機能」は、あくまでバージョン管理機能であり、完全なバックアップを保証しません。また、「ごみ箱機能」も、誤って削除したファイルを復元する機能ではあるものの、通常93日程度でデータは完全に消去されてしまうことから、完全なバックアップにはなり得ません。何よりランサムウェア攻撃者が管理者権限を奪取した場合、ごみ箱の中身ごと完全に削除されるリスクがあります。「標準の復元機能があるから大丈夫」という考えは、経営リスク管理の観点からは極めて危険な状態と言わざるを得ません。

こうしたリスクから企業のデジタル資産を守るために開発されたのが、Microsoft 365およびMicrosoft Entra ID(旧Azure AD)専用のクラウドバックアップソリューション、「Barracuda Cloud-to-Cloud Backup」です。

本ソリューションは、Microsoft 365の主要なワークロードを網羅的に保護します。Exchange Onlineのメールボックスはもちろん、個人の作業領域であるOneDrive for Business、組織のナレッジが集約されるSharePoint Online、そして現代の業務ハブであるMicrosoft Teamsの会話や共有ファイルに至るまで、すべてのデータをBarracuda独自のセキュアなクラウドへ自動的に複製します。特筆すべきは、Entra ID(ユーザー情報やグループ設定)のバックアップにも対応している点です。これにより、災害時にユーザー環境そのものを再構築することが可能となり、真のBCP(事業継続計画)対策を実現します。

また、100%クラウドベースのSaaSソリューションとして提供されることから、オンプレミス環境にバックアップサーバーやストレージを設置する必要がなく、ハードウェアの調達・保守にかかるコストと労力を削減できます。初期設定完了後は、バックアップが自動的かつ継続的に実行されるため、日常的な手動作業は不要です。ストレージ容量は無制限で提供されており、企業の成長やデータ量の増加に伴う容量不足の心配もありません。管理はWebベースの直感的なインターフェースを通じて行われ、バックアップ状況の監視、検索、復元といった操作を効率的に実行できます。その他、役割ベースのアクセス制御により、管理者権限を適切に分離することも可能です。専任のIT担当者を配置することが難しい中小企業にとって、設定後は自動で稼働し続けるという特性は、運用面での大きな安心材料となります。

それに加え、バックアップデータの保護においても、Barracudaは高いセキュリティ基準を維持しています。まず、データは転送時および保存時にAES 256ビット暗号化によって保護され、不正アクセスから守られます。バックアップデータは地理的に分散した複数のデータセンターに冗長保存されるため、単一障害点のリスクを排除し、災害時の可用性を確保しています。データ保持期間は柔軟に設定可能であり、業界規制や社内ポリシーに応じた長期保存要件にも対応できます。また、監査ログ機能により「誰が何を復元したか」を完全に追跡できるため、厳格なコンプライアンス基準を持つ企業でも安心して利用いただけます。

データは企業にとって最も重要な経営資産の一つです。特に会計事務所として、私たちは日々お客様の財務データ、取引記録、従業員情報といった機密性の高い情報をお預かりしています。万が一これらのデータが失われれば、決算業務の遅延、取引先への影響、法令違反のリスクなど、事業継続に直結する問題を引き起こしかねません。

RSM汐留パートナーズの強みは、単にバックアップツールを販売することではありません。会計・税務の専門家として経営データの重要性を理解した上で、「なぜこの対策が必要なのか」を経営者の言葉でお伝えできること。そして、導入から運用まで、お客様の状況に合わせた伴走型のサポートを提供できることです。データ消失は、起きてからでは取り返しがつきません。「うちはまだ大丈夫」と思っているうちに、備えを整えておくことが重要です。

Microsoft 365のバックアップ体制に少しでも不安をお感じの方は、ぜひ一度当社が提供している「サイバーセキュリティ支援」サービスをご確認していただけたら幸いです。
 

参考資料:

(1)バラクーダネットワークスジャパン、日本におけるデータ保護のニーズに対応した柔軟性と拡張性に優れたバックアップアプライアンスの新モデルを発表 | バラクーダネットワークスジャパン株式会社のプレスリリース
(2)Barracuda Email Protection Named CRN Product of the Year | Barracuda Networks
(3)クラウドでの共同責任 – Microsoft Azure | Microsoft Learn
(4)Barracuda Cloud-to-Cloud Backup | Barracuda Campus

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