【AI→AGI時代と士業事務所の生き残り】

AIは既に会計・監査・税務・人事・労務・法務などの領域でとても浸透してきていますが、今後数年で登場するかもしれないAGI(Artificial General Intelligence:汎用人工知能)は、我々士業、例えば公認会計士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士などの仕事を根底から変える存在になりそうです。

今のAIは、データ分析、帳簿記帳、税額計算、給与計算、社会保険手続きなど、定型業務を高速で処理する特化型AIです。これでもインパクトは大きいのですが、これから海外で台頭してきそうなAGIというものは

  • 法改正を自動ですべてリアルタイムでキャッチアップし
  • 顧問先の過去の決算や業種特性を踏まえて
  • 最適な組織体系、節税対策、人事制度設計などをどんどん提案し
  • 状況に応じて説明のトーンや言語まで自由自在に調整できる…

つまり、士業事務所の中堅からベテラン職員レベルの判断や提案までもを、当然ながら24時間365日休まず行う存在になります。

これにより、例えば

  • 会計帳簿・決算書・申告書のレビュー
  • 雇用契約書や就業規則をはじめとする規程のドラフト作成
  • 日本進出企業や海外進出企業への多言語支援
  • 世界中の法制度を理解した上で最適な各種提案
  • グループ内組織再編の設計など

従来専門家がやるべきとされてきた領域もますますAGIがカバーしていきます。業法とライセンスの問題はありますが。AGIについて引き続きものすごい脅威を感じながらも、ビジネスにうまく活用できればチャンスになりそうです。

その先にはASI(Artificial Super Intelligence:超人工知能)もあるようで、個人的にはとてもワクワクしています。こういう情報について海外から早めに得られるようになっているのは私にとって大きいです。

結局のところAI台頭時代においても言われますが、柔軟にこれらを使いこなせるスキル、創造力やコミュニケーション能力、体力や精神力(やりきる力)など、人間力・人間的な魅力のある者以外は活躍が難しくなるということだと理解しています。

AIの進化を脅威として恐れるのではなく、柔軟に受け入れ活用し、人間ならではの力を磨き続けることこそが、これからの士業に求められる姿勢だと強く感じています。

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前川研吾 X(旧Twitter) RSM汐留パートナーズ 採用X(旧Twitter)
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