信頼を得る行為と失う行為
- 2025.06.20
- ビジネスの話
昔上司からの評価ばかりを気にしていた頃、大切なことに気づけていませんでした。それは同僚や部下への配慮が欠けていたということです。信頼とは、目立たないけれど何よりも尊いものであり、上下関係にかかわらず、誰に対しても変わらぬ姿勢で接する中で少しずつ築かれていくものですね。
そのためには、まず自分が信頼に足る人間になること。そうすれば、自然と信頼できる人が周りに集まり、さらにその人たちが素晴らしい縁をつないでくれる。この流れを実感すると、無理に人脈を広げることに意味はなかったと気づきます。ただ、そのことに気づくまでには、誰しも遠回りをするものなのかもしれません。
信頼でき気持ち良く仕事ができる人は
- レスが早い
- メンタルが強い
- コミュ力が高い
- 合理的な判断ができる
- 問題解決能力が高い
- 話が短く要点を押さえている
- 人間的な部分も見せられる
- 客観的に物事が見られる
- 中長期視点がある
- 自責で考える
といった特徴を持っています。
この特徴を信頼を得る行為と結びつけてみます。
まず大切なのが、レスの早さ。即答できなくても「確認します」「○日までお時間下さい」のリアクションをすぐできるかどうか。すごくシンプルで手っ取り早く信頼を獲得できて自らの評価を上げられる方法です。また、仲間を信じ、仲間に信頼され、クライアントに対して良い仕事をするために大切なことは、ぶれない、嘘をつかない、隠し事をしない。信頼の積み重ねが、組織の力を高めるのだと思います。そして、話を聞く ⇒ 課題を認識する ⇒ 解決する ⇒ 信頼が生まれる ⇒ さらに相談を受ける…会社も個人もこのサイクルをどれだけ積み重ねられるかが成長の鍵ですね。当り前ですが「信頼こそが最大の資産」。さらに、自己開示により相手と仲良くなれ信頼を勝ち取ることができるか。
自分の情報を差しさわりない範囲で先に多く伝える力はビジネスでもプライベートでもすごく重要です。
自分の話はせず「あなたの情報を教えなさい」というのは変です。特にマネジメントする人にとって必須スキルではと思います。なお、経験上ですが、経営トップはまどろっこしい話が嫌いなので、直接交渉できる時は単刀直入に聞いてもいいと思います。
- 相見積もりですか?決め手は何ですか?
- どのくらいの予算だったら許容できますか?
そんな本音トークが信頼を勝ち取る事もあります。
※諸刃の剣であり撃沈の可能性もあります。
一方で信頼を失う行為に触れます。
人生どうしても避けられないことが起きるのでドタキャンすることも致し方ありません。でも信頼を失いたくないので基本的にはそうしないで日々過ごします。そのリスクを低減させ、極力これまで積み重ねてきた信頼を減らさないように努めるに尽きます。
また、会議にて
- 強化します
- 徹底します
- 意識を高めます
という発言は一見やるそぶりを見せているものの、何も具体的なことを言えていないので、芳しくない結果が続くと信頼を失っていくので要注意です。
信頼を失うのは一瞬。昔は失敗をした人に再度チャンスを与えられるような心の広さを持ち合わせていませんでした。ただ失った信頼を取り戻すべく努力している者が再び信頼に足る人物となっていく出来事に多く触れ、時間はかかりますが積極的に機会を提供し応援できるようになってきました。
弊社営業ルートは、金融機関からの紹介はなく、WEB経由、そして一つ一つの仕事を大切に行ってきた結果のご紹介です。金融機関と大手事務所の特別な関係に気づき、諦めると同時に別の戦略を考えるに至りました。今後もお客様との信頼関係を大切にし、常に最善のサービスを提供していきたいと思います。カッコよく表現できないのですが、働き方改革やコロナ禍など色々経て、一層人と人の繋がりや信頼関係の深さが組織の強さになり、それが良い結果に結び付く時代が来るような気がしています。
【AI→AGI時代と士業事務所の生き残り】
AIは既に会計・監査・税務・人事・労務・法務などの領域でとても浸透してきていますが、今後数年で登場するかもしれないAGI(Artificial General Intelligence:汎用人工知能)は、我々士業、例えば公認会計士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士などの仕事を根底から変える存在になりそうです。
今のAIは、データ分析、帳簿記帳、税額計算、給与計算、社会保険手続きなど、定型業務を高速で処理する特化型AIです。これでもインパクトは大きいのですが、これから海外で台頭してきそうなAGIというものは
- 法改正を自動ですべてリアルタイムでキャッチアップし
- 顧問先の過去の決算や業種特性を踏まえて
- 最適な組織体系、節税対策、人事制度設計などをどんどん提案し
- 状況に応じて説明のトーンや言語まで自由自在に調整できる…
つまり、士業事務所の中堅からベテラン職員レベルの判断や提案までもを、当然ながら24時間365日休まず行う存在になります。
これにより、例えば
- 会計帳簿・決算書・申告書のレビュー
- 雇用契約書や就業規則をはじめとする規程のドラフト作成
- 日本進出企業や海外進出企業への多言語支援
- 世界中の法制度を理解した上で最適な各種提案
- グループ内組織再編の設計など
従来専門家がやるべきとされてきた領域もますますAGIがカバーしていきます。業法とライセンスの問題はありますが。AGIについて引き続きものすごい脅威を感じながらも、ビジネスにうまく活用できればチャンスになりそうです。
その先にはASI(Artificial Super Intelligence:超人工知能)もあるようで、個人的にはとてもワクワクしています。こういう情報について海外から早めに得られるようになっているのは私にとって大きいです。
結局のところAI台頭時代においても言われますが、柔軟にこれらを使いこなせるスキル、創造力やコミュニケーション能力、体力や精神力(やりきる力)など、人間力・人間的な魅力のある者以外は活躍が難しくなるということだと理解しています。
AIの進化を脅威として恐れるのではなく、柔軟に受け入れ活用し、人間ならではの力を磨き続けることこそが、これからの士業に求められる姿勢だと強く感じています。
RSM APAC 2025
- 2025.06.01
- 出張・旅行, 会食・交流会・セミナー
2025年5月19日から22日にかけて、RSMアジアパシフィック会議がインドネシア・ジャカルタで開催され、RSM汐留パートナーズからは私・前川と、インターナショナルコンタクトディレクターの許、インターナショナルタックスディレクターの三宅の3名で参加しました。アジア各国から200名を超えるパートナーが集まり、「Taking Charge of Change」というテーマのもと、2030年に向けた変革の方向性や地域間連携について意見を交わしました。
RSMインドネシアの40周年記念セレモニーも行われ、ネットワークの歴史と信頼の積み重ねに触れる貴重な機会となりました。会議では、中堅企業が果たす地域経済への貢献や、2024年のアジアパシフィック地域における7%の収益成長(うちASEANは9%)にも注目が集まりました。
また、サプライチェーンの変動やデジタル人材需要の高まりといった今後の成長課題、そしてESGの地域展開と国際基準(IFRS S1/S2)の適用状況など、さまざまなトピックが取り上げられました。RSMが進める「ESG APACハブ」の取り組みも紹介され、SDGsを支援する重要なインフラとしての役割が強調されました。
本会議で得られた知見や刺激を、今後の業務にしっかり活かし、より一層価値あるサービスの提供に努めてまいります。また、日本でのRSMの認知度向上および、世界におけるRSM Japanの存在感をさらに高めるべく、引き続きグローバルネットワークとの連携を強化し、発信力のある活動を推進してまいります。