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在留資格「短期滞在」の更新及び活動可能内容等に係る留意点

在留資格「短期滞在」の更新及び活動可能内容等に係る留意点

日本進出, 外国人雇用・イミグレーション
2026年2月2日

日本を訪れる外国人の多くが利用する在留資格が「短期滞在」です。観光や知人訪問、短期の商用など、その利用目的は多岐にわたります。

しかし、その手軽さゆえに、活動範囲の制限や在留期間の更新(延長)について誤った認識を持たれているケースも少なくありません。「短期滞在」は他の就労資格等とは異なり、更新や変更に関して原則として厳格な運用がなされています。

本記事では、入管法(出入国管理及び難民認定法)および実務上の運用に基づき、「短期滞在」で認められる活動範囲と、期間更新の可否に関する留意点について解説します。

「短期滞在」の在留資格で日本に滞在する際、最も注意すべき点は「収入を伴う事業を運営する活動」や「報酬を受ける活動」が禁止されていることです。

具体的にどのような活動が認められ、何が禁止されているのかを整理します。

入管法別表第一の三には、以下の活動が掲げられています。

  • 観光、保養: 旅行、温泉巡りなど
  • スポーツ、競技会への参加: アマチュアとしての参加
  • 親族・知人の訪問: 親族訪問、冠婚葬祭への参列など
  • 見学、視察: 工場見学、展示会の視察など
  • 短期の商用: 会議への出席、業務連絡、契約調印、市場調査、アフターサービスなど

「短期の商用」が含まれているため混同されやすいですが、日本国内の企業や機関から報酬を受けて業務に従事することは認められません。

例えば、日本の企業内で短期間であっても実質的な労働に従事し、その対価として給与や報酬が支払われる場合は、「技術・人文知識・国際業務」や「企業内転勤」など、適切な就労資格を取得する必要があります。

ただし、業として行うものではない講演に対する謝金や、滞在に伴う実費弁償(交通費や宿泊費など)を受け取ることは、許容される場合があります。

「短期滞在」の在留期間は、15日、30日、または90日と定められています。期間満了後も引き続き日本に滞在したい場合、在留期間更新許可申請を検討することになりますが、これには高いハードルがあります。

法務省のガイドラインにおいて、「短期滞在」の在留期間更新は、「人道上の真にやむを得ない事情」または「これに相当する特別の事情」がある場合に限り許可されるとされています。

単に「もっと観光したい」「商談が少し長引いている」といった理由だけでは、原則として更新は認められにくい傾向にあります。当初許可された期間内で目的を達成し、帰国することが前提とされているためです。

以下のような、本人の責めに帰すべきでない事情や人道的な理由がある場合には、例外的に更新が認められる可能性があります。

  •  疾病・負傷: 日本滞在中に病気や怪我をし、治療のため移動(帰国)が困難である場合(医師の診断書等が必要)。
  •  婚姻手続き: 日本人と結婚し、配偶者としての在留資格へ変更申請を行うための準備期間が必要な場合(事案によります)。
  •  実父母の看護: 日本に在留する実父母が重篤な状態になり、緊急に看護が必要となった場合。

これらはあくまで例示であり、個別の事情や立証資料の有無によって判断が分かれる点に留意が必要です。

日本に「短期滞在」で入国した後、そのまま就労ビザや配偶者ビザなどに切り替えたい(在留資格変更許可申請)という相談は少なくありません。

入管法第20条第3項において、「短期滞在」からの変更は、「やむを得ない特別の事情」がない限り認められないと規定されています。

一般的に、在留資格認定証明書(COE)の交付を受けている場合であっても、それだけでは「やむを得ない特別の事情」とはみなされない運用が基本です。原則としては、一度帰国し、査証(ビザ)を取得した上で再入国する手続きが求められます。 ただし、日本人や永住者との婚姻が成立した場合など、身分関係に基づく変更については、「やむを得ない事情」として変更申請が受理・許可されるケースも存在します。

在留資格「短期滞在」は、取得が比較的容易である反面、活動内容の制限や更新・変更のハードルが高く設定されています

  • 日本国内で報酬を得る活動はできない。
  • 在留期間の更新は、病気等の「やむを得ない事情」がない限り原則不可。
  •  他の在留資格への変更も、原則として一度帰国が必要。

これらの原則を理解せず、安易に滞在延長や資格変更を計画すると、不法残留や申請不許可といったリスクを招くおそれがあります。個別の事情において更新や変更が可能かどうかについては、最新の法令や運用に基づいた慎重な判断が求められます。

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