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【Q&A】外国人の雇用と就労ビザ申請手続きや留意点について

【Q&A】外国人の雇用と就労ビザ申請手続きや留意点について

人事・労務, 日本進出, 外国人雇用・イミグレーション
2026年1月22日

企業が外国人を雇用する場合、日本人の採用とは異なり、入管法(出入国管理及び難民認定法)に基づいた適切な手続きが求められます。

しかし、制度は複雑であり、「どのような手順で進めればよいのか」「何に注意すべきか」と悩まれる担当者様も少なくありません。

本記事では、外国人の雇用や就労ビザ(在留資格)の申請手続きに関して、よくあるご質問をQ&A形式で解説いたします。最新の法制度に基づき、実務上の留意点をまとめましたので、採用計画にお役立てください。

Q1. 「就労ビザ」という名前のビザがあるのでしょうか? 

一般的に「就労ビザ」と呼ばれていますが、法律上は「就労ビザ」という単一の名称の資格は存在しません。 

日本に滞在し活動するための「在留資格」のうち、就労が認められているものの総称として「就労ビザ」という言葉が使われています。 代表的なものには、以下のような種類があります。

  • 技術・人文知識・国際業務: エンジニア、通訳、翻訳、営業、経理、デザイナーなど 
  • 技能: 外国料理の調理師など 
  • 特定技能: 介護、建設、製造業など、人手不足の産業分野 
  • 高度専門職: 高度な専門能力を持つ人材(ポイント制で優遇される資格) 
  • 経営・管理: 会社の経営者や管理者外国人の職務内容や学歴、職歴によって、申請すべき(又は申請可能な)在留資格の種類は異なります。


Q2. 留学生をアルバイトとして雇う場合も、就労ビザが必要ですか? 

留学生の本来の在留目的は「学業」であるため、原則として就労は認められていません。しかし、出入国管理局から「資格外活動許可」を得ている場合に限り、アルバイトとして雇用することが可能です。

この場合、原則として「週28時間以内」という就労時間の制限が設けられています。これを超過して働かせた場合、不法就労助長罪に問われる可能性があるため、勤怠管理には十分な注意が必要です。

Q3. 海外にいる外国人を日本に呼び寄せて採用する際の手続きは? 

海外から外国人を呼び寄せる場合は、原則として以下のステップを踏むことになります。

  • 雇用契約の締結: 企業と外国人の間で雇用契約を結びます。
  • 在留資格認定証明書(COE)交付申請: 企業(または行政書士等の代理人)が、日本の出入国在留管理庁へ申請を行います。
  • 証明書の送付: 審査が許可されCOEが発行されたら、原本を海外の本人へ送ります。(現在、運用上は紙の証明書ではなくメールそのものを証明書として取り扱う方法が一般的です)
  • 査証(ビザ)の発給申請: 本人が現地の日本国大使館・領事館でビザの申請を行います。
  • 来日・就労開始: 日本の空港で在留カードを受け取り、入国します。(入国時在留カードを受取ることができる空港は限定されていますので、事前に在留カードが受取可能な空港であるか入国前にご確認ください。)


Q4. すでに日本に住んでいる留学生を新卒採用する場合の手続きは? 

留学生を採用する場合は、在留資格を「留学」から、就労可能な在留資格(例:「技術・人文知識・国際業務」など)へ変更する必要があります。これを「在留資格変更許可申請」といいます。 

変更申請は、入社予定日の前に行う必要があります。例年、卒業シーズン前の12月から1月頃より申請を受け付ける傾向にありますが、審査には時間を要するため、余裕を持ったスケジュールでの申請が推奨されます。
 

Q5. 申請から許可が出るまでの期間はどれくらいですか? 

審査期間は、申請の内容や申請時期、管轄する出入国管理局の混雑状況によって大きく変動します。

在留資格認定証明書交付申請(呼び寄せ): 概ね1ヶ月から3ヶ月程度 

在留資格変更許可申請(変更): 概ね2週間から1ヶ月程度 

上記はあくまで目安であり、追加資料の提出を求められた場合などは、さらに期間を要することがあります。入社日に間に合うよう、早めの準備を行うことが重要です。 

Q6. ビザ申請の際、入管はどのような点を審査していますか?

審査のポイントは多岐にわたりますが、主に以下の3点が重要視される傾向にあります。
 

職務内容と本人の経歴の整合性(関連性)

大学や専門学校での専攻内容(または実務経験)と、日本で行う予定の業務内容に関連性があるかが審査されます。例えば、文系の学部を卒業した外国人が、未経験で専門的なプログラミング業務に従事する場合などは、説明の難易度が高まる可能性があります。
 

日本人と同等以上の報酬額  

外国人であることを理由に、不当に低い賃金を設定することは認められません。同じ職務を行う日本人社員と同等、もしくはそれ以上の給与水準である必要があります。
 

企業の安定性・継続性

雇用主である企業に、外国人を継続して雇用できる経営基盤があるかも審査対象となります。決算書などの提出により、事業の安定性が確認されます。
 

Q7. 雇用契約書を作成する際の注意点はありますか?

雇用契約書(労働条件通知書)は、入管への提出書類としても必要となります。 労働基準法などの国内法令を遵守していることはもちろんですが、「在留資格が許可されることを条件として、雇用契約の効力が発生する(停止条件付雇用契約)」という旨の条項を入れておくことが一般的です。万が一不許可となった場合のトラブルを避けるためです。

Q8. 外国人を採用した後、行政機関への届出は必要ですか? 

はい、必要です。すべての事業主は、外国人を雇い入れた場合および離職した場合に、ハローワーク(公共職業安定所)へ「外国人雇用状況の届出」を行うことが法律で義務付けられています。 

届出を怠ったり、虚偽の届出を行ったりした場合は、30万円以下の罰金の対象となる可能性があるため、忘れずに手続きを行う必要があります。 ※雇用保険の被保険者かどうかによって届出の様式や期限が異なります。
 

Q9. 在留期限の管理は会社が行うべきですか?

在留カードに記載されている「在留期限」が切れると、その外国人はオーバーステイ(不法滞在)となり、就労はもちろん日本に滞在することもできなくなります。 

更新申請は本人の義務ですが、企業側も期限を把握し、期限の3ヶ月前から更新手続きが可能であることを本人にアナウンスするなど、管理体制を整えておくことが望ましいといえます。 

外国人の雇用には、入管法をはじめとする専門的な知識と、個々のケースに合わせた適切な対応が求められます。 

  • 採用する職種に合った適切な「在留資格」を選定する 
  • 学歴や職歴と業務内容の関連性を確認する 
  • 申請から許可までのスケジュールを十分に確保する 
  • 採用後のハローワークへの届出や在留期限管理を徹底する 

これらのポイントを正しく理解し手続きを進めることが、優秀な外国人材の安定的な確保につながります。個別の事情により必要な書類や要件が異なる場合があるため、不明な点は専門的な情報を参照しながら慎重に進めることをお勧めします。 

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