地道な業務に宿る、仕事の基礎と組織を支える力

監査法人1年目の頃、私の業務にはシンプルな作業も多かったように思います。確認状の仕分けや捺印、フォルダへの分類、FAX送信、そして事務勤でのコピーやシュレッダーがけなどです。もちろん、事務所や時代によって状況は異なるでしょうが、少なくとも私の実体験としては、こうした地道な作業がたくさんありました。

しかし、新人時代の私にとって、これらは決して「簡単なこと」ではありませんでした。 FAXの送信先を間違え、シニアの先輩がクライアントに謝罪の電話を入れてくださったこともあります。自分の不手際が周囲に迷惑をかける申し訳なさに、次は絶対に間違えないようにとひとつひとつの作業に必死に向き合っていました。

単純に見える作業にこそ、高い丁寧さと集中力が求められます。宛先を確認する、書類の順番をそろえる、漏れがないかを見直す。そうした一つひとつの積み重ねが、仕事全体の品質や信頼につながっていきます。新人時代の仕事には、ビジネスの根幹となる大事な基礎が詰まっていたのだと、今になって強く思います。正直に言えば、私はこういった細かな作業が得意ではありませんでした。だからこそ、その難しさや大切さを身をもって学ぶことができたのだと思います。

また、こうした経験を通じて「組織には多様な役割がある」ことも学びました。表に出る仕事だけで組織が成り立っているわけではありません。縁の下で支えてくれる間接部門の方々がいて初めて、フロントのメンバーが安心してクライアントに向き合い、力を発揮することができます。その構造を理解できたことは、私にとって大きな財産です。

独立し、見積書の発行から入金確認、場合によっては督促のようなプロセスまで、自分自身の手でやってみて、当時の教えが身に染みています。どんな業務であっても、それをいかに「自分事」として捉え、主体的に向き合えるか。それによって、個人の成長スピードも、仕事への解像度も大きく変わるものだと思います。

支えてくれる多くの仲間に改めて感謝しながら、私自身もまた、誰かの活躍を支えられる存在であり続けられるよう、日々精進してまいります。

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