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クラウド会計ソフト「freee」がもたらすバックオフィスの変革

クラウド会計ソフト「freee」がもたらすバックオフィスの変革

テクノロジー
2026年4月15日

ビジネス環境が急速に変化し、慢性的な人手不足が叫ばれる昨今、多くの企業にとって「バックオフィス業務の効率化」は、もはや後回しにできない喫緊の経営課題となっています。かつて、経理や人事、総務といった間接部門は、直接的に利益を生まない「コストセンター」として見なされがちでした。しかし、労働人口が減少し続ける現代の日本において、これらバックオフィス部門の生産性をいかに高めるかが、企業が市場で生き残り、さらなる成長を遂げるための重要な鍵を握っています。

本コラムでは、現在多くの企業で導入されているクラウド会計ソフト「freee(フリー)」に焦点を当てます。また、当社の強みである「会計税務・人事労務・法務サービス」とfreeeを組み合わせることで実現できる、本質的なバックオフィス改善策も併せてご紹介します。

フリー株式会社が提供する「freee会計」は、単なる「パソコンで帳簿をつけるための単体ソフト」ではありません。「スモールビジネスを、世界の主役に。」というミッションのもと、企業の経理だけでなく、人事労務、販売管理、経費精算などをクラウドで一元的に管理できる「統合型クラウドERP」を目指して開発されています。

現在のクラウド会計市場において、freeeは常にトップクラスのシェアと人気を誇っています。他システムと比較しながらも、個人事業主から上場企業に至るまで、幅広い規模・業種の企業に選ばれ続けていることが分かります(1)

その高い市場価値を支える最大の要因は、「会計の専門知識やITの深い知識がない人でも直感的に使えるデザイン(UI)」にあります。これまでの従来の会計ソフトは、簿記の知識があることを前提に作られており、画面には「借方」「貸方」といった専門用語がズラリと並んでいました。しかしfreeeは、家計簿アプリの延長のような親しみやすい操作感を実現しました。現場の営業担当者や、数字を把握したい経営者自身が、分厚いマニュアルを読み込むことなく、自然と経営の「今」の数値を把握できる仕組みを作り上げました。この「誰にでも分かりやすく、扱いやすい」という点こそが、IT化にハードルを感じている多くの日本企業に高く評価され続けている理由です。

では逆に、freeeのようなクラウド型システムを導入せず、従来のやり方を続けている企業は、どのような課題に直面しているのでしょうか。大きく分けると、以下3つの「見えないコスト」と「経営リスク」を抱えています。
 

① アナログな手作業による膨大な時間的コスト

紙の領収書を一枚ずつ集め、エクセルに手入力し、銀行の通帳の記帳内容と見比べながら入金確認を行う。月末月初になると、経理担当者が夜遅くまで残業して電卓を叩き、営業担当者は経費精算のハンコをもらうためだけに出社する。こうした光景は、現在では明らかに企業の生産性を低下させ、従業員の貴重な時間を奪う要因となっています。
 

② 業務の属人化とブラックボックス化

「このエクセルのマクロは、作ったAさんにしか直せない」「この帳簿の付け方は、長年経理を担当しているBさんの頭の中にしかない」という状態は、企業にとって非常に危険な状態です。担当者の急な退職や病気による休職が発生した途端、たちまち会社の血液である「お金の管理」がストップしてしまうリスクを常に抱えていることになります。
 

③ 「2025年の崖」と人材不足

これらの課題の根底には、日本社会全体が直面している「少子高齢化と深刻なIT人材不足」があります。経済産業省が公開した関連レポートで早くから警告されていた通り、古いシステム(レガシーシステム)や紙ベースの業務フローから脱却できない企業は、維持管理に莫大なコストがかかるだけでなく、データを経営に活かすことができず、市場競争から転落するリスクを抱えています。また、最新の調査結果からも読み取れるように、DXに成功して業績を伸ばす企業と、アナログな業務から抜け出せず人材確保に苦しむ企業との「二極化」は、年々明確になりつつあります(2)。バックオフィスのデジタル化は、「便利だから導入する」というフェーズをとうに過ぎ、「企業が生き残るために必須の生存戦略」となっているのです。

企業のバックオフィス改善を検討する際、freeeのほかに「マネーフォワード」や「弥生会計」などその他の会計システムと迷われるケースが非常に多く見られます。また、「Salesforce(セールスフォース)」や「ジョブカン」といったシステムとの違いについてご質問をいただくことも少なくありません。ここでは、それぞれの特徴を比較することで、freeeの独自性と活用方法をより明確にします。
 

比較ポイント freee会計 マネーフォワード  弥生会計
オンライン
 
システム思想 会社全体のデータを一つにまとめる「統合型ERP」 必要な機能を組み合わせて使う「モジュール(部品)型」 従来の帳簿作成をクラウド化した「会計特化型」 
操作の前提知識 簿記の知識は不要。家計簿感覚で直感的に操作可能。 ある程度の簿記知識が必要。従来の経理担当者が使いやすい。 簿記知識が必要。税理士や専門家との連携に強い。 
入力画面のUI 「いつ・どこで・何に使ったか」を選ぶ独自のUI 従来の「振替伝票」や「仕訳帳」に近いプロ向けUI 従来のインストール型ソフトを踏襲した手堅いUI 
おすすめの企業 ITや経理の専任担当者がおらず、経営者や現場が直接入力したい企業 すでにプロの経理担当者がおり、現在の業務フローを崩したくない企業 小規模事業や、顧問税理士からの指定で導入する企業 


① マネーフォワード・弥生との比較:「誰が」使うシステムか

マネーフォワードや弥生会計は、これまで「借方・貸方」などの仕訳をきっちり切ってきた「経理のプロ」にとっては、非常に馴染みやすく使い勝手の良い素晴らしいシステムです。しかし、ITや簿記の知識がない経営者や現場の営業担当者が触るには、少しハードルが高い側面があります。対してfreeeは、「そもそも簿記を知らなくても経営数値が作れる」ことを目指して設計されています。専門的な経理部隊を持たない企業や、現場のスタッフ自らが経費精算や請求書発行を行う企業にとって、freeeの「直感的な使いやすさ」は圧倒的なメリットとなります。
 

② 他領域システム(Salesforce、ジョブカン等)とは対立ではなく「連携」する

一方で、世界的な営業支援システムである「Salesforce」や、勤怠管理に特化した「ジョブカン」などは、そもそも会計ソフトではありません。これらは比較対象というよりも、freeeと「連携して効果を最大化する」ためのパートナーとなります。例えば、Salesforceで獲得した受注データをfreeeに自動連携させれば、営業担当者が入力したデータがそのまま経理の請求書発行や売上計上に直結します。「営業と経理の壁」を取り払い、他社の優れたシステムとも柔軟に繋がりながら全社的なデータの一元化を実現できる点も、拡張性の高いクラウドERPであるfreeeの大きな強みです。

ここまで、freeeの優れた機能や特徴について解説してきました。しかし、「どんなに優れたシステムでも、ただ導入しただけでは企業の課題は完全に解決しない」ということも、念頭に置く必要があります。

多くの企業が陥りがちな罠は、新しいシステムを導入したにもかかわらず、その後の「日々の運用」や「専門的な判断」を自社の限られたリソースで抱え込んでしまうことです。どれほど入力が自動化されても、最終的な税務申告の妥当性判断や、複雑な給与計算、法務的なリスクチェックなどは、専門知識を持つ「人」の手が不可欠です。

ここがまさに、当社が企業様にご提供できる最大の「付加価値」です。当社は、単にfreeeの初期設定をお手伝いするだけのITベンダーではありません。「会計税務」「人事労務」「法務」という大きく3つの領域において、専門家による専門的なコンサルティングサービスを提供し、バックオフィス業務を丸ごとサポートいたします。

「システム(freee)」が定型業務を自動化し、「専門家(RSM汐留パートナーズ)」が高度な判断や複雑な実務を代行する。この強力なタッグにより、導入企業はITの専門知識や、経理・労務の採用難に悩まされることなく、自社のバックオフィスを完全に最適化することができます。

企業様が本当に注力すべきなのは、領収書の整理でも、給与計算のダブルチェックでもありません。自社の「本業」を通じて売上を上げ、事業を成長させることです。「自社にはITや管理部門に詳しい人材がいない」「日々の事務作業に追われて本業に集中できない」と悩まれている経営者様やご担当者様。現在の業務体制に少しでも限界や課題を感じていらっしゃる場合は、ぜひ一度、当社の「SaaS導入支援サービス」をご確認いただければ幸いです。企業様のビジネス成長を、当社の専門家チームが全力で伴走支援いたします。
 

参考資料 

(1)freee 会計とは?価格・機能・使い方を解説|ITトレンド
(2)「DX動向2025」本文

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