商業登記関係 法人名のフリガナを誤って登録してしまった場合の対処法
商業・法人登記の申請とフリガナ
2018年(平成30年)3月12日以降、商業・法人登記の申請を行う場合には、登記申請書に法人名のフリガナを記載しなければなりません。
このフリガナは、今のところ≫法人番号公表サイトにて公表されるだけで、登記簿に記載されるわけではなさそうです。
例えば株式会社設立の登記申請において、商号や本店は定款等と合致しているか登記官によってチェックされますが、フリガナは申請人が申請書に記載するだけですので、誤って申請されることもあるかもしれません。
(ABC株式会社→フリガナを(正)エービーシーとしたいのに(誤)エービースィーとして申請してしまった。)
申請書に記載したフリナガが誤っていた場合はどうすれば良いでしょうか。
フリガナに関する申出書
次のようなケースがあったとします。
- 法人名のフリガナを誤って登記申請をしたことが、登記完了後に判明した。
- ≫法人番号公表サイトを見たら自社のフリガナが間違っている。
この場合、会社の代表者はいつでもフリガナの再登録をすることが可能です。
具体的には、「法人名の振り仮名に関する申出書」を管轄法務局に提出する方法によって行います。
「法人名の振り仮名に関する申出書」は、こちらの法務省のホームページからダウンロードすることができます。
≫商業・法人登記申請書に法人名のフリガナ欄を追加します(平成30年3月12日から)
費用はかかる?
法人名の振り仮名に関する申出には登録免許税その他税金を納める必要がありません。
そのため、費用はかかりません。
司法書士等の専門家に依頼した場合は、その報酬がかかるかと思います。
添付書類は必要?
添付書類は不要です。
法人名の振り仮名に関する申出書のみを管轄法務局へ提出します。
なお、誰かに委任して受任者が申し出を行う場合は、会社実印が押された委任状が必要となります。
押印は必要?
会社代表者が申し出を行う場合は、法人名の振り仮名に関する申出書に会社実印の押印が求められます。
誰かに委任して受任者が申し出を行う場合は、会社実印が押された委任状を添付し、申出書には受任者が押印をします。
郵送での申し出も可能?
郵送での申し出も可能です。
司法書士に依頼する?
法人名の振り仮名に関する申出書を管轄法務局へ提出するだけであり、その内容も比較的簡単と言えるかもしれません。
自分で申し出を行う時間が全く無い、という方以外は、ご自身で申し出を行う方が多いのではないでしょうか。
(そもそも、この申し出の件数自体が少ないような気もします。)
この記事の著者
司法書士
石川宗徳
1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)
2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。
2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。
また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。