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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

新株予約権の行使時に資本金に計上する額

新株予約権の行使と資本金

株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込みをした財産の額とします(会社法第445条1項)。

また、前項の払込みに係る額の2分の1を超えない額は、資本金として計上しないことができます(会社法第445条2項)。

行使価格が0円でない新株予約権が行使されたときに、新たに株式を発行するのであれば、株式会社の資本金の額が増加します。

このときに資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければなりません(会社法第445条3項)。

なお、新株予約権の行使によって増加する資本金の額及び資本準備金の額は、当該新株予約権を発行する際に決定されているため、行使のたびに会社側が選択できるわけではありません。

新株予約権の行使

新株予約権の行使は、次に掲げる事項を明らかにして行います(会社法第280条1項)。

  1. その行使に係る新株予約権の内容及び数
  2. 新株予約権を行使する日

転換社債型新株予約権付社債に付された新株予約権ない場合、一般的には金銭を新株予約権の行使に際してする出資しますので、新株予約権の行使日に、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、その行使に係る行使価格の全額を払い込まなければなりません(会社法第281条1項)。

新たに株式を発行する場合

以下、新株予約権の行使価格が1円以上で、日本円による金銭出資がされていることを前提とします。

新株予約権の行使と引き換えに新たに株式を発行するときは、資本金の額が増加します。

全て新しく株式を発行し交付する場合の増加する資本金の額は「(A)の合計-(B)」によって算出します。

(A)
1.行使時における当該新株予約権の帳簿価額
2.払込みを受けた金銭の額
(B)
1.資本金等増加限度額から減ずるべき額と定めた額(資本準備金として計上する額)

行使価格だけを資本金の額及び/又は資本準備金の額に計上すれば良いわけではありませんので注意が必要です。

ところで、「行使時における当該新株予約権の帳簿価額」は、原則として新株予約権の発行価額を指すため、ストックオプション目的で発行されているときは「無償=0円」となりますが、職務執行の対価としてその価値が帳簿に計上されているときは、当該帳簿価額が該当します。

一部自己株式、一部新たに株式を発行する場合

新株予約権の行使と引き換えに交付する株式につき、一部が自己株式、一部を新たに発行した場合はどうでしょうか。

この場合、新株予約権の行使によって増加する資本金の額は「(A)の合計×株式発行割合-自己株式処分差損-(B)」によって求められます。

なお、株式発行割合は、(発行する株式の数)/(発行する株式の数+処分する自己株式の数)です。

全て自己株式を交付する場合

新株予約権の行使に際して新株予約権者に交付する株式が全て自己株式の場合は、発行済株式数及び資本金の額に変動は生じません。

なお、新株予約権が行使された分、新株予約権の個数及び当該新株予約権の目的である株式の数等は減少しますので、その旨の登記申請は必要となります。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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