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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

新株予約権が行使されたことによる変更登記

新株予約権の行使と変更登記

新株予約権は、行使期間中に、行使の条件を満たしているときは、発行会社に対して行使をすることができます。

新株予約権を行使するときは、行使する新株予約権の内容及び数と、新株予約権を行使する日を会社に対して明示する必要があり、新株予約権の証券が発行されているときは当該証券を会社に提出します(会社法第280条1項、2項)。

(新株予約権の行使)
会社法第280条

1. 新株予約権の行使は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。
 一 その行使に係る新株予約権の内容及び数
 二 新株予約権を行使する日
2. 証券発行新株予約権を行使しようとするときは、当該証券発行新株予約権の新株予約権者は、当該証券発行新株予約権に係る新株予約権証券を株式会社に提出しなければならない。ただし、当該新株予約権証券が発行されていないときは、この限りでない。
(3項以下省略)

新株予約権が行使されると変更が生じる事項

新株予約権が行使されると登記事項中、次の事項に変更が生じる可能性があります(自己株式を交付したときは、一部変更が生じないことがあります)。

  1. 新株予約権の数
  2. 新株予約権の目的である株式の数
  3. 新株予約権の全部を行使したときは、その旨
  4. 資本金の額
  5. 発行済株式総数

登記事項に変更が生じるため、新株予約権が行使されたときはその変更登記を申請する必要があります。

新株予約権の行使による変更登記の申請期間

新株予約権が行使されたことによる変更登記は、行使がされた月の末日から2週間以内に申請をすることで足りるとされています。

必ずしも行使された日から2週間以内に変更登記の申請をしなくてはならないわけではなく、また、同月に複数名・複数回に分けて新株予約権が行使されたときも、その全ての新株予約権の行使について当該月の末日から2週間以内に登記申請をすればOKです。

新株予約権の行使による変更登記の添付書類

新株予約権の行使による変更登記申請に係る添付書類は次のとおりです(金銭出資の場合)。

  1. 新株予約権の行使があったことを証する書面
  2. 資本金として計上しない額を定めているときは、それを証する書面
  3. 払込証明書
  4. 資本金計上証明書

新株予約権の発行時にその内容として、株主総会の決議により、

  • 「当該新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金に関する事項(会社法第236条1項5号)」

を定めていたときは、上記2.としてその株主総会議事録を添付することになりますが、当該株主総会議事録に係る株主リストの添付は不要とされています。

新株予約権の行使による変更登記の登録免許税

新株予約権の行使による変更登記の登録免許税は、増加する資本金の額に1000分の7を乗じた金額であり、それが3万円以下であるときは3万円となります。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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