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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

募集株式、募集新株予約権の発行と総数引受契約証明書

募集新株予約権の引受けの申込みを証する書面

募集新株予約権の発行の登記申請をするときは、

  1. その引受けの申込みを証する書面(申込証) 又は
  2. その総数引受契約を証する書面(総数引受契約書)

の添付が求められます(商業登記法第65条1項)。

引受人が複数名いる場合、その引受人全員分の上記1又は2の書類を登記申請書に添付することが原則ですが、募集新株予約権をストックオプションとして発行するときは引受人が数十名~百名以上になることがあります。

このようなケースにおいて、引受人全員分の申込証や総数引受契約書を登記申請書に添付することは大変です。

引受けの申込みがあったことの証明書

添付書類として申込証を提出するときは、登記申請書に全ての申込証を添付するほかに、発行会社の代表者が申込みがあったことを証明する方式が認められています。

この申込証の代表者証明方式は、発行会社の代表者が作成した新株予約権の申込み又は引受けがあったことを証する書面に、申込証又は引受契約書のひな形と付与対象者の一覧を合綴する方法によって行います。

発行会社の代表者が作成する新株予約権の申込み又は引受けがあったことを証する書面には、次の事項を記載し、代表者が記名します。

  1. 申込証又は引受契約書の枚数
  2. 申込み又は引受けがあった新株予約権の個数
  3. 募集新株予約権の払込金額(無償発行の場合を除く)
  4. 申込取扱期間
  5. 当該記載事項のとおり申込み又は引受けがあったことを証明する旨

引受人ごとに申込証又は引受契約書の内容が異なっていても、この方式を採用することは可能です。この場合、付与対象者ABCとは別紙1の引受契約書、付与対象者DEとは別紙2の引受契約書を締結した等と代表者が作成する書面に記載します。

上記は募集新株予約権の発行に係る登記手続きに関するものですが、募集株式の発行に係る登記手続きについても同様の方法が可能です。

総数引受契約と代表者証明方式

申込み+割当てパターンではなく総数引受契約パターンの場合、前者同様に発行会社の代表者が作成した証明書に総数引受契約書のひな形、契約者の一覧を合綴したものでも問題ないか疑義がありました。

この総数引受契約書の代表者証明方式についても、令和4年3月28日付法務省民商第122号によって明確にOKとなりました。

具体的には、募集新株予約権の発行会社の代表者が作成した総数引受契約があったことを証する書面に、総数引受契約書に総数引受契約書のひな形と引受者の一覧表を合綴します。

発行会社の代表者が作成した総数引受契約があったことを証する書面には、次の事項を記載し、発行会社の代表者が記名します。

  1. 総数引受契約書の枚数
  2. 引受けがあった募集新株予約権の数
  3. 募集新株予約権の払込金額(無償発行の場合を除く)
  4. 割当日

上記は募集新株予約権の発行に係る登記手続きに関するものですが、募集株式の発行に係る登記手続きについても同様の方法が可能です。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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