商業登記関係 相談事例 【相談事例】新株予約権の内容のうち「新株予約権の行使の条件」を変更したい
新株予約権の発行と登記事項
新株予約権を発行したときは、発行日(割当日)から2週間以内に次の内容を登記します(会社法第911条3項12号)。
ロ 第236条第1項第1号から第4号まで(ハに規定する場合にあっては、第2号を除く。)に掲げる事項
ハ 第236条第3項各号に掲げる事項を定めたときは、その定め
ニ ロ及びハに掲げる事項のほか、新株予約権の行使の条件を定めたときは、その条件
ホ 第236条第1項第7号及び第238条第1項第2号に掲げる事項
ヘ 第236条第1項第3号に掲げる事項を定めたときは、募集新株予約権(同項に規定する募集新株予約権をいう。以下ヘにおいて同じ。)の払込金額(同号に規定する払込金額をいう。以下ヘにおいて同じ。)(同号に掲げる事項として募集新株予約権の払込金額の算定方法を定めた場合において、登記の申請の時までに募集新株予約権の払込金額が確定していないときは、当該算定方法)
新株予約権の登記事項の変更
新株予約権の発行後に、その行使条件や取得条項を変更したいというご相談をいただくことがあります。
※税制適格ストックオプションとして発行した新株予約権の場合、その内容を変更する際は事前に顧問税理士の先生にご相談ください。
割当契約書(引受契約書)の内容として債権的に行使条件を定めているだけであればその変更契約等で済みますが、新株予約権の内容(会社法第236条)として定めた行使条件や取得条項を変更するのであれば、原則として次の手続きが必要です。
- 当該新株予約権を発行することを決議した機関による変更決議
- 上記機関が株主総会の場合、株主リスト
- 当該新株予約権者全員の同意
変更後の行使条件では行使できるようになるのであれば、変更→行使の登記をすることになります(1つの申請可)。
行使価格に関する国税庁の見解により、今後は行使価格の変更に関する登記申請も増えてくるでしょうか。
この記事の著者
司法書士
石川宗徳
1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)
2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。
2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。
また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。