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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

新株予約権の登記すべき事項を確認する

新株予約権と登記

株式会社が新株予約権を発行したときは、その割当日から2週間以内に、新株予約権を発行したことによる変更登記を申請しなければなりません。

新株予約権を発行したときに登記すべき事項は次のとおりです(会社法第911条3項12号)。

なお、各登記事項の文例はあくまで「サンプル」でありシンプルなものにしています。

ですので、各株式会社が定めた新株予約権の内容により異なることになるため、詳細は登記を依頼する司法書士等に確認をしてください。

新株予約権の発行手続きについては、こちらの記事をご参照ください。
>>>新株予約権を発行するときの手続き

新株予約権の名称

新株予約権の名称を登記します。

「新株予約権の名称」第1回新株予約権

上記のように、第○回新株予約権とすることが多いです。

新株予約権の数

発行する新株予約権の数は登記事項とされています。

「新株予約権の数」100個

1個当たりの目的となる株式の数は、次に定めるとおりとなりますが、新株予約権の目的となる株式の数の調整式は本項目に記載するか次の「新株予約権の目的である株式の数又はその数の算定方法」に定めるのかは検討が必要です。

新株予約権の目的である株式の数又はその数の算定方法

新株予約権の目的となる株式の数は登記事項とされています。

新株予約権の数が100個で、1個当たりの目的となる株式の数が普通株式100株であるようなときは、次のような記載になります。

「新株予約権の目的である株式の種類及び数又はその数の算定方法」
普通株式 10,000株

新株予約権の1個当たりの目的となる株式数は、当社普通株式100株とする。
(以下、調整式等を記載する)

新株予約権を発行している会社が株式分割や株式併合等を行ったときに、新株予約権の目的となる株式の数もそれに伴い変更されることになる調整式についても記載することが一般的です。

また、上記のとおり、調整式を「新株予約権の数」に記載するか本項目に記載するかは検討が必要です。

新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法

新株予約権の行使に際して出資される財産の価額を登記します。

「新株予約権の行使に際して出資される財産の価額又はその算定方法」
募集新株予約権の行使に際してする出資の目的は金銭とし、その価額は、新株予約権の行使に際して払込みをすべき1株当たりの金額金10,000円に付与株式数を乗じた金額とする。
(以下、調整式等を記載する)

株式分割や株式併合等をした場合の、1株当たりの払込金額の調整式を記載することが一般的です。

また、会社が募集株式の発行を一定額以下で行ったとき等にも1株当たりの払込金額の調整式も同様です。

金銭以外の財産を新株予約権の行使に際してする出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額

新株予約権の行使に際して金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨を登記します。

新株予約権の行使に際して出資する財産を金銭とするケースがほとんどであるため、この登記事項を登記することはあまり無いように思います。

新株予約権を行使することができる期間

新株予約権の行使期間は登記事項とされています。

多くのケースにおいて、次のように記載されます。

「新株予約権を行使することができる期間」
2020年10月1日から2023年9月30日まで

なお、新株予約権の行使期間は、税制適格ストックオプションの要件の一つとなっていますので税制適格ストックオプションを発行するときは要件に適合するように定めます。

新株予約権の行使の条件を定めたときは、その条件

新株予約権を行使するときの条件を定めたときは、その内容を登記します。

「新株予約権の行使の条件」
本新株予約権者は、権利行使時においても当社の取締役、監査役又は従業員であることを要する。

新株予約権をストックオプションとして利用するときは、行使の条件として行使時に当該株式会社の役員や従業員であることを規定していることが多いといえます。

その他に、当該株式会社が上場するまで新株予約権を行使することができないと定めることや、一定の行使期間に応じて行使できる新株予約権の割合を指定することもあります。

新株予約権の取得条項を定めたときは、その取得条項

新株予約権の取得条項を定めたときは、その旨を登記します。

「会社が新株予約権を取得することができる事由及び取得の条件」
本新株予約権者が、新株予約権の行使の条件に該当しなくなったために新株予約権の行使をすることができなくなったときは、当社は当該新株予約権を無償で取得する。

ストックオプションとして新株予約権を保有している役員や従業員が当該株式会社を退職したときは、会社がその役員・従業員の保有している新株予約権を、当該株式会社が取得するというような内容で定められることがあります。

募集新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨

新株予約権の交付を受けるのと引換えに金銭の払込みを要しない場合は、その旨を登記します。

「募集新株予約権の払込金額若しくはその算定方法又は払込を要しないとする旨」
無償とする。
「募集新株予約権の払込金額若しくはその算定方法又は払込を要しないとする旨」
金銭の払込みを要しないこととする。

株式会社がその役員や従業員の報酬の一部として付与するストックオプションにおいては、無償とされることが多いです。

なお、新株予約権と引換えに払い込む金銭と、新株予約権の行使に際して出資する金銭は全く別のものです。

有償で新株予約権を発行する場合には、募集新株予約権の払込金額又はその算定方法

有償で新株予約権を発行する場合は、その払込金額(又はその算定方法)を登記します。

「募集新株予約権の払込金額若しくはその算定方法又は払込を要しないとする旨」
新株予約権1個当たりの払込金額は、金3万円とする。
新株予約権を発行した日

新株予約権を発行した日として割当日を記載します。

「原因年月日」平成29年11月12日発行

なお、新株予約権を有償で発行したときも、その金銭等を払込みの有無に関わらず割当日に申込者は新株予約権者となります。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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