商業登記関係 【2017年】登記統計表(法務省)から見る株式会社に関する登記件数の傾向
2017年の登記統計表
法務省から登記統計表が発表されました。
登記統計表には申請され、完了した登記(嘱託、職権によるものを含む)の件数が記載されていますので、登記の全体件数の増減や、特定の登記の件数の増減も確認をすることができます。
2017年の株式会社に関する登記の件数はどうだったのでしょうか。
全体の登記件数は増えている
直近5年における、株式会社に関する登記の件数は増加傾向にあります。
設立登記、本店移転の登記、新株予約権に関する登記、解散・清算人の選任の登記、清算結了の登記、継続の登記等、特定の登記が増加したというよりも、全体的に件数が増加しているようです。
全体的に増えている中で、以下株式会社設立、新株予約権、会社の継続に関する登記の件数について見てみます。
株式会社設立の登記は増加
2013年と2017年を比較すると、株式会社の設立登記は年間約1万件増えています。
株式会社、合同会社、一般社団法人等の設立登記の申請件数の比較については、こちらの記事をご参照ください。
≫【2017年】登記統計表(法務省)から見る会社、法人、組合設立登記件数の傾向
新株予約権の登記は増加傾向
ベンチャー企業の増加やインセンティブ目的のストックオプション、資金調達の手段の一つとして新株予約権を用いる企業が増えたのでしょうか。
新株予約権に関する事項の変更の登記件数は年々増えています。
会社の継続登記は2015年から増えた
全国の法務局では、2014年度以降、毎年休眠会社の整理作業を行っています。
それが原因かどうかは定かではありませんが、2014年以前と比較して、2015年から継続の登記が増えています。
実際には活動をしている会社であって、登記を12年以上していなかった株式会社が少なからずあったことが伺えます。
取締役の任期を10年としている会社は、つい再任手続きやその登記を忘れてしまいそうになりますのでご注意ください。
この記事の著者
司法書士
石川宗徳
1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)
2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。
2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。
また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。